Festina Lente2

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狭間を行き来し

昨夜「チーム・バチスタの栄光」のTVドラマが始まった。
あの原作を、時間の限られた映画に仕立てるのに無理があった。
おまけに個性的な主人公兼語り手、田口が女性だったのが難点。
原作のいい部分をスポンサーの都合、話題作りに終始し潰した。
それに比べれば、TVは田口がちゃんと男性なのが良しか。
映画の印象を振り切ろうと配役を考えるのは、大変だったかも。
まあ、人それぞれの原作のイメージがあるので、
一概には言えないものの、映画はひどかった。
しつこいようだが、メインキャストの性別変更は抵抗が大きかった。


伊藤敦史は「電車男」の主人公で一躍有名になった。
西遊記」では猪八戒役だった。
ハンサムな2枚目ではないけれど、最近いい味出している。
今回コミカルな雰囲気に走らず、陰を出してくれればいいのだが。
ストーリーがストーリーなだけに、メロドラマではなく、
多少NHK的に暗く重くシリアスな部分を出して欲しいのだが、
民法でどこまで頑張れるかなあ。
何でも、原作と違う犯人を仕立てたいようだし・・・。


原作のイメージをぶち壊されるのは嫌だけれど、
もう1人の主役白鳥役も映像上仕方が無いとはいえ、
ハンサムすぎるのが難点。ビジュアル系を重視する、
映画やTVドラマの運命とはいえ、こういう配役。
仕方が無いとわかっていても、苦笑いしてしまう。
原作とのイメージのギャップを行ったり来たりしながら、
TVの前に座ることになるのだろうか。

チーム・バチスタの栄光

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死因不明社会―Aiが拓く新しい医療 (ブルーバックス)

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螺鈿迷宮

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顔の美醜ばかりではないけれど、ついつい比べてしまうもの。
無意識に比較してしまう。
そういうものは世の中にごまんとある。
隣の芝生は青い。わかっていても比べる。
ありとあらゆるものが比較の対象になる。


先日の病院での勉強会の折、助産師は出産の際男女の性別を調べる。
その際、男女いずれも判別付き難い例に話が及んだ。
更に、男女差、男女差別の問題、男らしさ女らしさ、
何が異常で何が正常なのかという話・問いかけが、
妊娠経過と共に発生学的な考察中で発せられた。
比較する対象は何なのか。
男でも女でもないもの、割り切れないものの存在。
身体的な性別とは別の次元で存在する心の問題も。


何が正常で、何が異常なのか。
昔読んだ漫画の中でも、ズボンをはいた女は正常で、
スカートをはいた男はどうして異常なのかという問いがあった。
基本的な生活様式そのものに関しても、
みんな一緒が当たり前になりやすい日本。
それは嫌だと言ったら、偏屈扱い。
比べられるのは嫌だと言いながら、比べ続ける毎日。


塾に行っていない、携帯を持っていない、
夫婦・親子で一緒に住んでいない、
別姓を望んでいる、旧姓で仕事をしている、
どうしてそれで平気なの?と訊かれる事は
最近やや少なくなったけれど、不便ねと鬱陶しがられる。
携帯で気軽にお喋りやメールを頻繁にやり取りしなくても
今のところ十分生活できている。


そう言っても、周囲はなかなか理解してくれない。
携帯メールや写メールをしない人間は、
お付き合いの中では不審で異常な範囲?
日常の「交友関係」から切り離されていくらしい。
それでも私にはパソコンがあるが・・・。
携帯を多用しないだけで、時代遅れになってしまう。


それどころか、最近は携帯を二つ持って使い分けるのが
当たり前なんだそうで、私の生活は前近代的
当節のお付き合いでは異常の範囲なんだそう。
それで、仕事できるの?と言われるけれど、
そういう範囲内で、ちまちま生活している。
「手広く」「便利に」「即応」というのは、
誰の為の「あらまほしき状態」なのか・・・。


成績、容貌、住居、収入、仕事、様々なものを比較して、
何が異常で正常か、とことん突き詰めるわけではないけれど、
あれこれ比べて比較する日々。
スタンダードをどこに求めているというのか。
あの先日の病院見学の日から忘れられない。
何が正常で何が異常だと分けて考えますか? という問いかけ。
生まれてくる赤ちゃんに、新生児に、
5体満足無事に生まれてさえくれればと願った日。
その不安と喜びから、遠ざかるとひたすら欲深く。


満ち欠けはあれども、常に満ちるもの、
常に欠ける物とわかって眺める月とは違う。
人間は月ではないから、満ちることに尽きない欲望、
欠けるのは少しでも不全感を伴う。
不満足、不安、不穏、不愉快、否定形接頭辞。
今宵満月十五夜。満ち欠けのバランスは、
自然の中にあるというのに、人は比べる。
自らをヤジロベエに仕立てて。


比べてみても自分、比べてみるのも自分だというのに。

問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ (光文社新書)

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心という不思議―何をやっても癒されない (角川文庫)

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幸福論 ―精神科医の見た心のバランス (講談社現代新書)

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