Festina Lente2

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待降節カレンダーがやってきた

帰宅すると、喪中葉書が何通も台所の机の上に。
さてもさても憂鬱だ。
数をこなさなくてはならない葉書だから、何も書かれていない、
それこそ挨拶だけの文面、付け加えて、親の年齢を入れているもの、
時節柄御身おいとい下さいの文面を入れているもの、
様々な喪中葉書が来る季節となった。


カレンダーの上では新年を迎える準備期間に入るが、
喪中葉書を見ると交友関係の人員整理を迫られているような、
そんな切ない気持ちになってしまう。
代替わりのお付き合いのあれこれを、これまでの事を、
思い出の隅をつつくようにして、振り返ってしまう。
相手の身の上・家庭状況・家族関係を自分になぞらえて、
色々と物思いに耽りがちになる。
どうしても重ねてしまう。
シミュレーションしてしまう。
そういう年齢になってしまった。なってしまった。


私は年賀状には近況報告を兼ねて、子供の成長がわかるように、
写真を沿え、必ず一言入れるようにはしている。
年に一度、親しい友人とのお付き合いといえども、
しょっちゅう会えるわけでも、電話でやり取りしているわけでもない。
だから、何かせめてと思って気合いを入れて作っていたのだが。
今朝方、こんな文章を眼にした。「徒然草」の一節。


「久しく隔たりて逢ひたる人の、わが方にありつる事、
 数々に残り少なく、語りつづくるこそあいなけれ。
 隔てなくなれぬる人も、程経てみるは恥ずかしからぬかは。」


うーん、ちょっと耳に痛い。私ってこういう人間じゃなかろうか。
ついつい、敷居を越えて相手をうんざりさせているんじゃなかろうか。
耳が痛いよう・・・。
ちょっと落ち込んでしまった。

現代語訳・徒然草 (河出文庫)

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夕食後、娘と図書館へ。あれ、ポストの中に郵便が残っていた。
大きすぎて、引っかかって落ちてこなかったんだね。
見ると、大学時代の親友からのクリスマスプレゼント。
いつも娘に、待降節のカレンダー。アドベントカレンダーを送ってくれる。
そう、我が家の12月は、毎年彼女からのプレゼントで始まると言ってもいい。


小窓を開ける喜びを、子どもの頃知らなかった。
外国のクリスマスの風習を、身近に感じで生活するようになるとは、
でも、子供と一緒にカレンダーの小窓を開ける喜びは、
私の心に弾みをつける。わくわくした喜び、期待を灯らせる。
ちなみに、1日目は雪玉を転がしている風景。
今日2日目は赤いポインセチアの花でした。
明日は何が待っている?


と、同時に旅行の時の御土産だろう。私好みのレターセット。
五島美術館源氏物語絵巻の柄。そして文香。
うーん、よく私の好みをわかっていらっしゃる。
(私も似たようなものを用意していたのだが、変えようかな)
ちょっと気抜けして、淡いブルーな気分で帰宅し、
喪中葉書の山に気分が沈んでいたのに、ほっこり灯が灯った感じ。


友よ、ありがとう。
貴女が今、どんなに大変な状況の中で頑張っているか、
その中で、毎年変わらぬプレゼントを贈ってくれたこと。
感謝すると同時に、生活者としても、仕事を続ける人間としても、
しなやかさと力強さ、律儀なまでの誠実さに尊敬の念を抱く。
若い頃と変わらぬ友情を、ありがとう。

キリストは近づいている―待降節の福音(マタイ1章・ルカ1章)

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