中華で忘年会

幹事が直々にやって来て、「忘年会どうするかね」と。
それは2週間前のこと。幹事は今年で定年なので断れなかった。
それにしても、会費が高い。美味しいものは食べたいが、
あんまり高い所で食事だと、娘や家人に悪い気がして後ろめたい。
かーちゃんだけ、楽して美味しいもの食べている気分になっちゃう。
かなり昔にも一度だけ行った事があるけれど、はてさて。

メインの仕事は一段落。しかしサブの部分は・・・。
ああ、そういうことを忘れて今日は食べよう。会費にはめげるが。
それでも部署の２/３が集まった所を見ると、みんな憂さ晴らししたいのね。
何しろ全体の忘年会の食事は・・・ひどかった。
（私が飲み直して帰ったくらい・・・）
それに、全体のプロジェクトの目鼻立ちと微調整のことを思うと、
今日ぐらい食べなくちゃ飲まなくちゃだ。
平均年齢は・・・、私の年を越えているのが怖いが・・・。
気にしない気にしない。

何しろ今日は、特別な場所なのだ。
かの三島由紀夫にもお料理を作っていたという、
いわく付きの調理人の中華料理。
ちょっと見ただけでは見つからない普通の家のお店。
ちっとも脂っこくない、いくらでも食べられる感じのお店。
お酒は持ち込み自由。（注文も出来る）
胃が痛い、背中が痛いと言いつつ薬を飲んで出かける私。
もはや、やけか自暴自棄か。

中国家庭料理のおいしい教科書

中華飲酒詩選 (東洋文庫)

小薇の愛しい上海料理 大切な人へのレシピ61品

出勤。会議。早退。母を病院に。1時間待ち。やっと受診。
会計に15分待ち。薬を貰うのに30分待ち。帰宅して夕食準備。
小鍋風の魚スープに、娘の好物ハッシュドポテト、豚肉野菜炒め。
超特急で作ったのに、こんな日に限って娘は最近仲のいいBFの所から、
時間通りに帰って来ない。遅刻だ・・・。諦めて駅に向かう途中、
向こうのお母さんに送って帰ってくる娘。もぅー。

普段着だけれど、せめて髪の毛にラメを乗っけて、
イヤリングもブレスも付けて、駆けつければ既に前菜終わりかけ。
持ち込み可だからと中華なのに、白ワイン赤ワイン焼酎生ビールと・・・。
ひぇー、ちゃんぼんですか。真面目な人が一番持ち込んでくる。
・・・部長様、ボストンバッグ全部酒ですか？
・・・おいおい、えー！？　ああ、飲んでいる自分が怖い。
さすがに最後はりんごジュースにしましたが。
ええ、これでも胃腸に気を・・・気を遣って。

このチームで仕事をするのもあと三ヶ月だ。
転勤者も退職者もわかっているから盛り上がる。
あと残すは解散時の打ち上げだから、顔を出しておきたかった。
その時、元気に出られる保証はないしね。
20代の頃から一緒に仕事をした人も、30代40代になってからの人も、
それなりに、それなりに・・・。

今の職場に来て5年。育てた後輩をあっという間にもぎ取られ、
組織のパーツが只のパーツに成り果てないよう、
組織の土台を作るはずなのに、なかなか寄せ集めで大変。
今のチームの中で埋没。というより、やっと張付きに。
あっちへこっちへと顔を出して動き回るよりも、安定。
それ故、一番の年上（としがみ）が幹事をすれば、
寄らずばなるまい・・・。

集まれば、今も昔の職場繋がり、あちこちでリンクしている仲間、
年が近ければ尚更、専門が近ければ更に、「じゃの道は蛇」の仲間。
さしつさされつしていれば、下戸の家人と共に飲まない日々が嘘のよう。
晩酌している気分でのめるのが恐ろしい。
しかし、その注いでくれる同僚もスタート1年目からの知り合いだが、
お互い共白髪になっているのが、笑える。
伴侶よりも長い付き合いと言えば、それもそう。
長く仕事をしていれば、そういう付き合いの人間も増える。
今更気取っても洒落にもならぬ。

前菜から幾皿並んだことか。さっぱり味・クリーム煮・チリ風味。
野菜も肉もふんだんに食べ、おこげに餡かけ、杏仁豆腐。
一番若手がもう食べられないと叫ぶくらい。
私自身、今週で一番きちんと食べた食事ではなかろうか・・・。
とにかく、全員でお代わりしても無くならない量の、
杏仁豆腐の大きな鉢が・・・。
ああ、娘に持って帰りたい。

帰宅。タクシー代がもったいないのとダイエットを兼ねて、
運動運動、徒歩で帰宅。娘はまだ起きていた。
久しぶりに一緒にお布団へ。「お母さんのほっぺ冷たい」
「酔い覚ましに歩いてきたからねー」
くちくなったおなかで上げ膳据え膳で満腹になって、贅沢。
痛み止めを飲むのを忘れて寝てしまった私ですが、
不思議なことに、背中を刺すような痛みは今晩は訪れず。
明日は・・・どうなるか知りませんが。
・・・ふふふ。お休みなさい。

P.S.（12／21）今朝の読売新聞にこのお店のことが出ていました。
あーあ、これで予約が殺到して、隠れ家的なお店ではなくなりますね。
残念。

宴のあと (新潮文庫)

豊饒の海 第四巻 天人五衰 (てんにんごすい) (新潮文庫)

音楽 (新潮文庫)