Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

日々の思いは

この職場は偶然にも同い年が多い。女性陣も男性陣も。
ある意味、気安い部分もあるが逆に比較しだしたら泥沼な部分も。
幸い出世を目指して過酷で熾烈な競争を勝ち抜くという職場でもなく、
そういう人はあざとく自分のキャリア・進路のために行動するから、
殆ど接点がないのだが、それはそれで本人の生き方だから、
こちらからどうこう言うこともできない。


ただし、こちらがやった仕事を踏み台にしていく人々には、
唖然とせざるを得ないが・・・、人生どこかで収支が合うから、
どこかで回り回って、報いが来るのだろうと思っている。
面と向かって何か行っても気にするような人間ではないから、
色々やって立ち回れる世界に生きていこうとしている人間と、
同じ土俵で同じ物差しで計れないから、ね。


さて、同期と言えば聞こえはいいが、単に年齢が同じだけで、
就職・採用された時期には少しずつずれがある。
主だった仕事内容は同じだが、得意分野も違えば、
任されている仕事にも差異がある。役職やその他、
細かい所で担っている責任はそれぞれ微妙に異なってくる。
だから、目に付く所はお互いカバーし、穴を埋めて・・・というように
なれば穏やかな職場であり、洗練された付き合いとなるのだが、
残念ながら、なかなか理想どおりには行かない時もある。


人生、歩んできた道のりもそれぞれ違えば、生活様式も異なる。
公私共々影響しあいながらも、結局は他人。
良かれと思ってやったことが足を引っ張るならばまだしも、
最初から足を引っ張ろうとされることもあるし、
常々悩みの種であるクラッシャー兼クレーマーも、同い年だ。
ただ、みんな共通していえることは、年を取ってきたこと。
私達に残されている時間は、定年まで同じだということ。
(早期退職しなければの話)

願いがかなう人になるシンプルな方法―「好き嫌い」で生きていいんだ!

願いがかなう人になるシンプルな方法―「好き嫌い」で生きていいんだ!

あなたの心配グセを治す安心セラピー [セラピーシリーズ] (ムックの本)

あなたの心配グセを治す安心セラピー [セラピーシリーズ] (ムックの本)


給料は昨今の厳しい情勢の中、削られまくり減る一方。
こっそり副業でも持たない限り、厳しいものがある。
同業者の共稼ぎはまだ良い方で、単身赴任の別居家庭は懐が寂しい。
心身ともにやせ細る思いのはずなのに、太っている自分は・・・。
いや、まあ、それはともかくとし、みんな髪も白くなってきた。
黒々として羨ましいなあと思っていたら、何のことはない。
ずっと前から染めているのよとあっさり言われ・・・。


仕事に見切りを付けて、腰掛けではないけれど趣味に血道をあげている人。
シングルで子どもを育て上げ、悠々自適の時期に突入している人。
次の転勤先をほぼ確保し、最低限の仕事だけこなして、姿をすぐにくらます人。
人の仕事までも背負い込んで、親業と職業との間で奮闘している人。
役職の重さと義理人情に挟まれて、転勤ままならない人。
受験生を抱えて、仕事どころではないこの1月2月3月を過ごす人。
色んな人がいるのだけれど・・・。


同性だから気さくに話せる人と、ほぼ敵対関係か?と嘆かわしくなる人と。
利害関係にこだわる人は、権利は主張するが義務は最低限なので、
何かとすったもんだの種になる。損得勘定で物事を捉える人は、
全体の流れよりも、自分の立場に固執する。
きっといずこの職場でも同じだろうが、そんな中で、
世間様によくある状態の中で過ごしてきて、私達はけっこういい年齢になった。


ある人は親を見取り、ある人は子どもの不登校に悩み、離婚し、
白髪が増えるのは年齢ばかりではない、人生の軋轢に遭遇し、
それぞれいい年齢になった。
忙しいからそれほど一緒に話ができないのが辛い。
だから、同じ部署の同い年の彼が、部屋で一番の若手に
しみじみ嘆いているのを聞いて、変な話だが安心した次第。
男性でもそんなふうに感じているのね、と。


たとえば、夫婦間の隙間風。ちょっとしたことでも、育った環境で異なる。
連れ添えば連れ添うほど、溝が広がることだってある。
どこの家でもそうなのね、男の人でも愚痴を言いたくなるのねと、
思わず・・・。誰だって、どこの家だってあることと、
頭の中ではわかっていても、横で小耳に挟むと「ふうん」と思える。
犬も食わない喧嘩も当たり前の日常茶飯事。
業務連絡のみの冷戦状態も、珍しいことではないのか・・・。


子どものことについても彼は嘆いている。娘(小4)と一緒にお風呂に入るのが、
心の安らぎ、癒しの入浴タイムだったのに、もう一緒に入ってくれないとか、
一緒に遊びに行きたがらないとか、思うように成績が伸びないとか、
親として当たり前の事を述べているのだけれど、横で聞いている分には新鮮。
自分が思っているように子育てできないもどかしさ。
傍目から見れば、塾に通わせ受験戦争を勝ち抜き、順調そのものにしか
見えないんだけれど・・・、そんなふうに感じているのね。


親のことについて。彼のご両親は物忘れもなく病気もせず健在だが、
それでもいちいち言うことがくどくなってきた、繰り返す、しつこい、
どうでもいい事をいちいち言って来る、相手をするのが大変、
動作も昔はちゃっちゃとしていたけれど、今はあぶなかしくて見ていられない。
とろこくて段取りが悪くて、どうにもこうにも・・・。


自分自身のことについて。親のことばかりではなく、仕事の段取りが付かない。
若い頃のようにできない、進まない、こなせない、体力も頭も回らない。
昔できていたことが思うようにできなくて苛々する。
ノルマが鬱陶しい。仕事は嫌いではないのに、重荷に感じることが増えた。
気晴らしに遊びに行く気持ちにもなれない。いつも気持ちが思い。
若い頃とは何もかも感じ方も変わってきてしんどい。


延々と倍の年の人間に愚痴られて、聞かされる若手も大変だろうが、
男性でもこんな風に延々と愚痴るのだなあというのが、新鮮。
最も身近な老父は仕事のことで愚痴ったことはなく、
よくもまあ判で押したように、変わらず出勤できるものだと思っていた。
結婚してみて、家人の愚痴とてまあ珍しい。
職場で過ごす男性の方が一緒にいる時間が長いくらいだから、
同じように感じているのね、と思うと、妙に安心できるから笑える。


女性の更年期、真っ只中にいる私は、頭の中でわかっていても、
自分の体の不調についていけない。アップアップしながら、
でも、まあ、みんなこんなものだからと思っていても、
家族や周囲の事を思うと、身動き取れない圧迫感に襲われたりする。
目も霞み、肩凝りもひどく、歩けば遅くなったなあと苛立ち、
予定を立てて仕事をすれば、ちっともはかどらず唖然。
好きだったことも減って、人生何もかも目減りするような感覚に陥る日々。
気力も体力も、全てが下降線と感じている日々。


内外で抱える思い、葛藤、やるせなさ、漠然とした不安。
日々感じながらも、やる方なく為す術もなく抱えている思い。
その思いを、彼が述べているさまを見ると、何故か安心。
ごめん、やっぱり「ほっと」するのよ。
日々の思いは同じなのね。同い年、色々思うことは、
気になることは、気に病むことは、同じなのねと。
ご同輩、今年も始まったばかり。まだまだやらなくては。
そう励ますよりも先に、同じなのねと微笑みたくなる、今日。
切ないよりも、ほんの少し嬉しくなってしまう今日。

何かを心配しているときにそっと開く本 (ワニ文庫)

何かを心配しているときにそっと開く本 (ワニ文庫)

禅の言葉に学ぶ生き方 悩まない、迷わない、心配しない!

禅の言葉に学ぶ生き方 悩まない、迷わない、心配しない!

何をそんなに心配しているのかね?

何をそんなに心配しているのかね?