Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

北風に吹かれて 

ちょっとしたことで物忘れ、置き忘れ、
疲れている時は特にそれがひどくなる。
最近ワープロの字を打つのが遅くなってきたような気がする。
というか、字を見るのが億劫な。
字を書くのが下手になってきたら脳梗塞の前兆。
いやいや、ちょっとしたことで気分が滅入り勝ち。
連休中、母の様子は思わしくない。


慣れなくてはいけないと思いつつ、目の前の母の姿に哀しくなった今日。
頭でわかっていても、気持ちが付いていくのが辛い。
母の調子は今一つで。家族に対して見せる姿と、
他人に対して見せる姿のギャップが大きいので、戸惑ってしまう。
このまま行けばどうなるのだろうと、ますます不安になってしまう。


母は元々真面目で内気なタイプだったが、
仕事をしていたので、65まで外に出ていた。
その後めっきり老け込んで、70前後から体調も思わしくなく、
白内障日光角化症以外に、神経痛もひどい)我慢は美徳という世代なので、
気が付いた時には大事になっていたりする。
何でも赤チンを塗れば治るだろうと、薬の消費期限なんぞ関係なく、
オロナインと赤チンと正露丸で事を済まそうとする世代。
他の薬は面倒くさいのか、すぐに忘れてしまう。
昔からある薬にのみ反応する今日この頃。


自分で行く気になっていたお呼ばれも、とうとう出かけずじまい。
周期的にやってくる物忘れの波以上に、鬱の気が強い。
いきなり泣いてみたり、何を尋ねても何だっけという感じで。
ころころ機嫌が変わり、表情や顔つきが一変し・・・。
母を見ていると、自分も同じように物忘れをし、気後れして外出せず、
閉じこもって暗く過ごして、どんどん足腰を弱らせてしまうのだろうか。
「みんな行く道」と思いながらも申し訳ないが、気が滅入ってしまう。


美しい写真を掲載しているブログを見るたびに、その健脚振りと逞しさ。
前向きなバイタリティに圧倒され、見習いたいと思うばかり。
そして何かコメントしたいなあという衝動に駆られながらも、
何をどう書いていいかわからず、松の内は過ぎ、えべっさんも終わり、
どんど焼きは目の前。なのに、ご挨拶にも参上できず。
その場に自分がそぐわないという感覚は、年末からずっと続いて、
大波小波で押し寄せてくる。なかなか厄介だ。


元気な時でさえも、友人と交わったり外食したり出かけたり
気晴らしに外出しなかった母。そんな贅沢は出来ないと言い張る母。
すぐに気後れして、完璧に出来ることでないとしたがらなかった母。
植物とだけ会話し、庭弄りだけが心の慰め。
器用な手先も手芸ではなく、繕いものしか見向きもしない。
だから今、ますます、閉じこもりがちになって、
輪郭がぼやけていっている母。他人に会いたがらない母。


母と同じことにはなるまいか・・・。似たような素質があるから、
ちょっと気が緩んだ拍子に同じようにならないか、
少々不安になってしまう。仕事をやめたら急激に認知障害が起きるのではと。
女性ホルモンが減ってきたら、確かに脂肪肝動脈硬化がダブルで来てるしね。
脳の血管もどんどん詰まっていくんじゃないのかな。
そんな気がしてくる。どんどん不安が募る。


何故ならやたらと色んなものを失くし、というか、置き忘れてなのか、
自分の記憶の場所に見つからないことが年々増えてきたから。
人の顔も覚えるのが苦手になってきた。
色んなものに対して煩わしい感覚、これだけが助長されていくと、
あんなふうに引きこもりがちな生活になるのだろうか・・・。
おしゃれもせず、音楽も聴かず、映画も見ない。
ほんの2、3年前まではボランティア活動をしたり、
私達とと一緒に外出したり(買い物程度だけれど)
保育園や学童にお迎えに行ってくれたりしていたのに・・・。


母とは反対にオイルショックや転職の憂き目にもめげずに、
いついかなる時も社会とかかわり続け、仕事をし、
パソコンを独学でこなし、謡をたしなみ同好の士と交わり、
小学校のボランティアに、同窓会の幹事に、親戚の冠婚葬祭にと
フットワークの軽い老父は、壮年期に胃を切ったとは思えないタフな老人だ。
さすがに80前にして、頑固で気難しくなってきたものの、
従来気に病まないタイプなので、この性格を受け継ぎたかったなあと、
今、この更年期真最中、体調が大波小波の時期に思う。
気質的に父親似であれば、不要な「気後れ」も減っていたのではと。

知っておきたい認知症の基本 (集英社新書 386I)

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共感する女脳、システム化する男脳

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文庫版 話を聞かない男、地図が読めない女

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NHKの特集・・・たまたま男女の性差の話を放映した昨日今日。
NHKスペシャルシリーズ「女と男 最新科学が読み解く性」
アルツハイマーになりやすい女性、心筋梗塞になりやすい男性。
当然、脳の仕組みにも男女差。考え方、行動パターンの特性にも影響。
この観点に基づき、アメリカの学校では本人の希望に沿って、
女子クラス・男子クラスを作って授業を行っている。
この情報は画期的だった。
それぞれの特性に応じて、教え方も学習内容のメリハリの付け方も変える。
これは男女7歳にして席を同じうせずの昔の日本の教育。


例えば男子クラスの読書の授業は姿勢にこだらず、寝そべろうがもたれようが自由。
ずっとじっとしていられない男の子は、好きにさせる方が集中できるのだそう。
そして、教室内では誰がボスなのかわかるように、やや命令口調で授業。
空間認知も女子より得意。ゲーム感覚で競わせながら、どんどん進める。
なるほどなあと頷ける部分も多々ある。


女子は、細やかな手先を使う作業や色彩を扱う内容が得意。
どちらかというとみんな同じ、横並びである事を望み、
露骨な競争をできるだけ避けたがるので、二人一組で助け合いながら
目標達成できるように工夫した授業を行うのだそう。
バディを組むというのか、親友を確保する感覚というか、
確かにそういう相手がいる方が、安定して物事に取り組める、
女の子にはそんな特性はあるかもしれない。
私自身はどうかわからないが。


幼稚園から大学まで共学で育ってきた。
一部の私学や男女別学の公立出身者は、その居心地のよさを良く語る。
異性の目を意識しない分、自由で伸び伸びとできる。
或いは、屈託なく振舞うことができる反面、幼いままで成長することも。
思春期をどのように過ごすか、男子校育ちと女子校育ち。そして共学。
何れも「いいとこ取り」ができればいいのだろうけれど、そうはいかない。
実際は、娘も私も共学の中で揉まれて行くのだろう。


すれ違う男女の会話。自分の不安を攻撃的な批判で述べる男性、
批判を受けて防御に回り、口数多く相手を責める女性。
男性の心臓は心拍数が上がり、女性は口調の激しさにも関わらず、心拍数平常。
男性の方が、ストレスに弱い。(いつもそうとは限らないけれど)
しかし、話し合う上でどんなふうに人生のゴールを迎えたいか、
どんな家庭を持ちたいか、話の持って行きようによっては、
合意に達することもできる、すれ違いを解消することができる。


血を分けた親子きょうだいでも、すれ違いは起こる。
まして赤の他人ならば、口に出さなればわからないことも多い。
出しても真意を伝えられるかどうかわからない。
言葉足らず、思い余りて言葉足らずなまま、寂しく年を取っていくのは嫌だ。
思いばかりが溢れて、自分自身が押し流されそうになったり、
木で鼻をくくったように取り付くし間もなくギクシャクと、それも嫌だ。
男女差のすれ違いを、単なるコミュニケーションのまずさで助長し、
心寂しく暮らしていくのは、嫌だ・・・。


本日の大阪。研修からか帰り道、夕方は既に16時4℃。
家人と娘を迎えるべく待ち合わせ場所へ向かう時、凍えていたのは、
寒さばかりのせいではないけれど、
気後れしながら、辛い気持ちで勉強会に参加していたせいもあるけれど、
何かを上手にこなせない、思い通りに行かない、
「しなくちゃならない」「できなくちゃいけない」禁止令に縛られて、
元気な母親でいなくちゃならないことに、疲れている今日この頃。


風は北風。私の気後れを、分厚く積もった気後れを脱ぎたくなるような
そんな太陽はどこ?  そんな太陽は、誰?

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