Festina Lente2

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初めての交換日記

仕事で何かと忙しかったり、夜遅く帰宅したりということが珍しくない。
昨晩のように家人と外で会って出掛け遅くなるということは稀だ。
娘は小学校1年生の時の担任の先生と相性がよく、
その時はあのね帳に色々学校での来事を書いてくれて、
連絡帳もきちんと書いていたが、2年生からこの方さぼり気味、
3年生なってはさっぱりである。
保護者用のプリントさえもどこへ行ったやら。
叱れば「どうせ私のクラスは学年で1番おバカクラスだから」と、
開き直る有様。まあ、彼女自身クラスが面白くないのだろう。


一計を案じ、娘に選ばせて日記帳を購入してみた。
千円以上もする高いものだが、かーちゃんが夜遅い時、
顔を見られない代わりに交換日記を書くということになって、
渡しておいた昨日。帰宅してみれば、お返事コーナーも作ってある。
どれどれ、どんなことが書いてあるのかな。
何しろ罫線は太い。娘曰く、1ページすぐに書いて終わるように。
まあ、仕方ない。書いてくれただけ十分。
・・・おや?


かーちゃん感動。2ページに渡って鉛筆でびっしり書いてくれている。
どれどれ、どんな内容かな。おお、クラスメイトとの会話がある。
健康診断の身体測定の結果について、男子と話した会話が。
身長の比べっこしているのね。かわいいもんだなあ。
1年生の時背の高かった男子よりも、君の方が高くなったって。
そりゃあ、女の子はこれから2,3年は男子より体格が良くなるからね。
体重を気にしているようだけれど、君は背が高いから大丈夫。
ああ、私もこの頃は身長体重が増えるのが嬉しかったなあ。
届かなかった電車の吊革に手が届くようになって来た頃。


もう一つの話題は・・・、え、そうだったの。
トリックアートの話題。何故?急にトリックアート。
特に娘に話したことも無く、話題にしたことも無かったはず。
お母さんはトリックアートを知っていますか。
おじいちゃんは知らないみたいだけれど、内容を話したら、
興味を持ってくれました。そうなの?
はてさて、何をきっかけに興味を持ったのかな。
どうしてこの話題になったのかな。
ちょっと嫌な予感。

図説 だまし絵―もうひとつの美術史 (ふくろうの本)

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図説 アイ・トリック―遊びの百科全書 (ふくろうの本)

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脳が活性化する魔法のイラスト集―トリック・アイズ ブレイン

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新聞に目を走らせる。昨夜読むことが出来なかった夕刊に。
ああ、そうなのか。福田繁雄氏、お亡くなりになったとは。
それで、トリックアートの話題になった訳ね。
やっぱり、ちょっと嫌な予感がしたんだった。
もしかしたら、トリックアートというと・・・みたいな。
http://d.hatena.ne.jp/magurit/20090115でも取り上げられていて、
「ルビンの壺」(心理学では非常に有名)の立体版、
「フクダの壺」をしみじみ眺めてしまった次第。


私がかつてショックを受けたのは、影がオートバイ! というもの。
食器が、というかフォークやスプーンの影がオートバイですからね。
世界がというか、位相が異なるというか、何でそうなるの?という、
あの時受けた新鮮な驚きが、いまだに忘れられない。
無機質な金属が、小さな身近な金属が、
大きなもの、得体の知れない無数の塊になって、
更に2次的な平面の上に影となって現れてきた時、オートバイ。
うわあ・・・というあの驚きが。


でも、娘は彼を知らないはず。トリックアートや騙し絵などに
それほど詳しい私ではない。エッシャーの名前ぐらいは・・・。
見たことある、知っている程度の私。
何か娘に最近見せたり話したりしたかな?
いいや、きっと彼女はニュースを聞いたか読んだかしたのだ。
私が居ない夜、自分で聞いた気になった話題を、
交換日記に取り上げて書いてみたのだ。
純粋に興味を持ったか、かーちゃん好みの話題を出してきたか。


それはそれで、構わない。娘が一生懸命書いてくれただけで嬉しい。
一生懸命話したい内容を話題にしてくれて嬉しい。
思わず、沢山お返事を書いてしまった。
トリックアートねえ・・・。読売新聞の夕刊についてくる3D画像、
そう言えばあれなんか一生懸命見ているよねえ。
いや、何に興味をもってくれても嬉しいけれど、
交換日記の1番最初にすれば、実に好調な滑り出し。


でもって、起きてきた娘が私のお返事を読んでいる。
わくわく。でも、あっさりと娘はのたもうた。
お母さん、今日は帰ってくるのは遅い?
−ううん、今日は何にも無いから頑張って早く帰って来るよ−
そう、じゃ、今日は書かなくてもいいね、交換日記。
顔見られるから、お話できるでしょ。


まあ、それはそうかもしれないけれど、・・・がっくり。
そうか、顔を見られる日は書いてくれないわけね。
まあ、それはそれで正論。でも、いや。
うん、かーちゃんちょっと欲が深かった。
いつまで続くかわからないけれど、交換日記。
こうして始まったばかり。次はいつかな。乞う、ご期待。

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