Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

再び藤本有紀

微熱の正体は花粉症らしい。例年より早く始まった気がする。
朝は何とも無いのに、昼過ぎからだるくなってばててくる。
集中力どころではない。咳も鼻水も無いけれど、
鼻の奥がツーンとして匂いがわからず、詰まっている。
夜中から朝になると少しましになるが、
人間の活動時間に反比例してしんどくなる。
再びジルテックフルナーゼ点鼻薬で凌がなくてはならない。
やれやれ・・・。
春先になると律儀に症状がぶり返す。
更年期の様々な症状と合体して、頭痛も微熱もやって来る。


ったくもう、・・・かーちゃんはやけになってチョコを食べる。
甘いものを口にすると、疲れが取れる気がする。
しかし、この行動パターンが節制に程遠い先延ばし行動。
耳鼻科の待合室で読んだプレジデントでは、肥満は非経済的行動。
自分の健康を犠牲にして目先の快感に走る、借金を積み重ねる行動。
採算の取れない生活を送っている、というわけ。
ああ、もう何とでも言ってください。
甘いものは麻薬です。嫌な事も一瞬にして口解けの良いチョコ。
折りしもバレンタイン直前。店頭は選り取りみどり。


かーちゃんと同じく「塀の中の懲りない面々」のお仲間、
わが娘の逞しさと来たら。嘘を付き、しらを切り、しれっとして、
親に手を上げられぶん殴られても、帰宅してみりゃ宿題もせず着せ替え遊び。
刃物祭りで買ってきた堺は晒し木綿の浴衣地ハギレ。
裏表どちらから見ても模様は同じ。ぽぽちゃんに巻き付けるのに余念が無い。
立ち直りが早いというか、懲りないというか、
わざとハイになって遊んでいるのか、わかりゃあしない。


本日は木曜日。週の半ばも過ぎ、祝日とその翌日で習い事もお休み、
そのせいでいつもより沢山遊べるとあって、娘はハイだ。
ったくもう・・・。叱られたのは一昨日だよ。
口先娘の手ごわさに、手を上げたのを眠れないほど気にしたのが
馬鹿馬鹿しくなるかーちゃん。
その娘が楽しみにしている木曜の夜、『七瀬ふたたび』が終わったあとの、
夜8時からのNHKが『Q.E.D 証明終了
結局『名探偵コナン』が好きな娘がアニメからドラマに移行しているに過ぎない。


でも、この雰囲気。少年ドラマシリーズだよねぇ。
七瀬ふたたび』も『六番目の小夜子』の雰囲気に似ていたけれど、
あれ、今日の物語のセット、どこかで見た記憶がある。
この洋館は、愛の詩『ミニモニでブレーメンの音楽隊』の舞台じゃないのか?
確かあの作品も印象的な男の子の幽霊と、女の子達が入れ替わり・・・。
あれあれあれ・・・? 現代と昔が入れ替わるタイムとラベル、
まるで『時をかける少女』を思い出させる。
物語の雰囲気といい、構成といい、このフレーバー。

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ラッキーチャチャチャ!

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やっぱり『Q.E.D.証明終了』には、脚本家藤本有紀が絡んでいた。
今日の放送分は、彼女の脚本ではない様だが、
絶対スタッフや美術監督で絡んでいる人がいるに違いない。
間違いなく、かつての少年ドラマシリーズや、愛の詩シリーズを意識して
こだわって作っているスタッフがいるに違いない、と確信する。


皆さんは、藤本有紀をご存知? 名前を聞いてぴんと来ない人も、
あの1年前、熱狂的なファンを作った『ちりとてちん』の脚本家といえば、
思い出して下さるだろうか。あれは、今もって名作、名ストーリー。
聞かせる泣かせる名せりふ、名場面。
落語の知識を織り交ぜて、伏線と捻りを聞かせ、どんでん返しもあり、
独白あり、涙と笑いの青春と家族の再生の物語。
親の人生、子供の人生どちらも欲張って描いていた。


ミニモニでブレーメンの音楽隊』はNHKドラマ愛の詩の最後の作品。
色んな物語を下地に織り交ぜて作品が進行し、昔と今を交錯させて、
ミステリーを謎解きをしながら大団円に導き描いていく手法は、
ちりとてちん』の多彩な落語世界を現実と重複させ、
物語の枠組み構造を巧みに構成、輻輳、変化させる一連の流れと同じ、
なるほどなあ、この作家の個性と演出がいい具合に結びついているわけだ。


おまけに、あ、やっぱり演出家は『ちりとてちん』と同じく伊勢田雅也。
新撰組!』『利家とまつ』などの大河ドラマに関わった人だな。
うーん、やっぱりNHKカラーなのか、相乗効果なのか、
違う作品でも同じ香り、匂い、雰囲気がしてしまうというのは・・・。
役者は違えど、色調が、トーンが似通ってしまうというのは・・・。
不思議なものです、舞台よりも動きが少ない編集されるTVドラマとはいえ。
あ、編集されるから選りすぐられて、個性がわかり易いのかな。


娘が見ているドラマの延長線上に、私が見出すもの。
今活躍している製作者世代が絶対に、『少年ドラマシリーズ』路線を意識していること。
その路線上の『愛の詩シリーズ』を踏襲していること。
昨今話題の映画と漫画『20世紀少年』でさえも、あの万博の時代を体験した、
70年代青春組の香りを感じて仕方が無い私。
残念ながら、その万博の思い出を残すエキスポランドは閉園するそうだけれど。


再び藤本有紀。再び人情ドラマ。軽いタッチの作品とはいえ、
娘が熱心に見入る向こうに、『時をかける少女』に夢中になった、
小学6年生の自分を見出す。娘はもっとおませで刺激の強い生活をしているが。
何しろ『六番目の小夜子』も『七瀬ふたび』も知っている小学3年生。
かーちゃんが幾らやきもきしても、持っている情報量と刺激の多さは
自分の小学生の頃と比べて、太刀打ちできないのかもしれない。
というわけで、娘と一緒に過ごす夜は、TV番組まで影響されて、
娘に巻き込まれている有様。かーちゃん、負けそうです。
ここでTVを切って、塾にでも行かせる位でないと、
お勉強なんて出来ないんだろうなあ・・・。
やれやれ。


とにかく親子のツボ、はまるドラマのパターンの背景は同じなわけだ。
まさしく、Q.E.D. 証明終了。

NHKドラマ8「七瀬ふたたび」オリジナル・サウンドトラック

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Q.E.D.証明終了 ザ・トリック・ファイル (KCデラックス)

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時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

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