Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

スサノオの尊と無法松

出勤時に7分間余り「だんだん」をラジオで聞いている。
まあ、3月で終わるから展開急ぐ急ぐって感じ。それにしても、
まなかなの双子の二人も、ギターを弾いたり舞妓になったり、
芸能人しながら大学生だったり、福祉施設で働いたり、
恋をしたり仲間内で揉めたりと忙しい。
おまけに若い二人が主人公かと思いきや、双子の両親プラス育ての親の絡み、
どちらが主人公だかわからない。全国ネットのドラマとしては、
老若男女、若者も中年もお年寄りにも受けねばならぬ。


親子・きょうだい・幼馴染、バンド仲間にバイト先、
置屋の女将と仲間の芸子、芸能プロダクションと色んな人物が入り乱れ、
何だか訳がわからなくなりそう。何しろ半分のみ出勤時に聞いている。
15分の後半、山場がわからないまま翌日に持ち越している。
去年は「ちりとてちん」に入れ込んで、再放送を見たけれど、
今年はそこまで入れあげているわけではないので、音声のみ。
実際の場面はどうなっているのかな。


医療問題、親の介護、離婚と結婚、進学と就職、学歴の有無、
芸の世界の厳しさ、精進。祇園ひいては京の伝統を守る難しさ。
ストライクゾーン広すぎの感もあって、ほぇーって感じで聞いている。
そして耳慣れない単語が今時の若者から出てくる。
スサノオの尊だの無法松だの。
今時の若者が日本神話や昔の小説に通じているはずもなし、
恋愛をする男性を喩えるのに持ってくる人物像にしては、古めかしすぎる。
このアンバランスが何とも言えない。


「だんだん」の舞台の出雲大社が縁結びの神様だからって、
神様の名前が、無法松と一緒に出てくるというのも・・・。
「袖触れ合うも他生の縁」といってもねえ。

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はじめまして三倉茉奈です。はじめまして三倉佳奈です。

はじめまして三倉茉奈です。はじめまして三倉佳奈です。


無法松の一生』は子供の頃劇画タッチの学習漫画で読んだ。
子供心にも泣けたけれど、古めかしい話というか古風な恋愛というか、
どうして子供の学習雑誌以降いう話が載ったのか、少々理解に苦しむ。
人妻を慕う思慕の純粋さと、報われぬ純愛に涙した。
九州小倉を舞台にした話で、暴れ太鼓のシーンが印象的だった。
これが『だんだん』の舞台とどういう関係があるのか、はてな
私が聞けなかったドラマの部分で、何か特別の関係があるのか。


好きな人を思うのに、報われなくても側に居続ける、
それが自分に出来る再考の愛の証だとでも言いたいのだろうか、
それにしても今時の若者の恋愛には似合わない。
遠回りなもどかしい恋愛の典型という形で、ヒロインの周りにいる、
そういう役回りなのだろうか。
どなたかどうしてこのドラマに『無法松の一生』の無法松、
引用されているのか、教えて下さい。


子供心にも、何だかすっきりしないもやもやを心の中に残した作品。
思慕・献身、そういうものよりも、人の世の儚さ、報われない現世、
やるせない結末、ハッピーエンドではない結末ゆえに、
忘れられない作品。しかし、恥ずかしいことに原作を読んだ事はない。
小学生のときの記憶のみで『無法松の一生』が脳内固定。

フランダースの犬 (岩波少年文庫)

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その感触は、『フランダースの犬』の読後感と似ている。
一生懸命生きていても周囲から理解されることもなく、
貧しく寂しいまま、心清らかに生き死んでいく主人公達。
その人生を周囲が認め受けいててくれる時は、既に遅し、
ネロとパトラッシェはクリスマスに凍死、天に召されてしまう。
つまり、子供向けの話でありながらハッピーエンドではない話。
そういうイメージで『無法松の一生』は記憶されて、現在に至る。


スサノオの尊は、神話の世界でも独特の存在だ。
天照大神の弟でありながら、我侭言いたい放題。
登場の仕方からして未成熟な問題児の神様。
泣き喚いて大地を枯らしたという荒ぶる神。
誓約(うけい)の後も、姉に勝ったとしたい放題。
天照大神が天岩戸に隠れた原因を作った神様だ。
高天原を放逐された後はうらぶれて彷徨う神となり、
ヤマタノオロチ退治でクシナダ姫を助けるものの、
後の大国主尊の舅として、難題意地悪を吹っかけている、
おっちゃん神さん。


か弱き女性を守るイメージよりも、有り余るエネルギーを
いいほうに発散できればまだしも、どちらかというと
持て余し気味で自分でも制御しきれない。
そういうイメージの神様と、登場人物の青年とがどうしても重ならない。
双子の片割れから別の片割れへ、思いを寄せる相手が変わり、
音楽の世界では目がでず、マネージャーとして苦労し、
果ては祇園の呉服屋で修行。現実ではあり得ない荒唐無稽な人生が、
ドラマらしいといえばドラマらしい。


自分探しや進路、就職や挫折のモデルとしてはやや破天荒だなあ。
それともあり得ない設定だから、受けるのか。
若者に伝統の職に就くのは今からでも遅くない、とでも。
結婚相手が置屋の女将をする、その片腕として頑張るという、
その方向だと聞いているが・・・。
今週どうなるのかな・・・。
何だか先が見えてくると、聞きたいような聞きたくないような。


やっぱり今時の青年に、無法松だスサノオだと言われても、
駄目。しっくり来ない。この場面は、この照れ屋の青年が、
恋している場面は、画面を見ないと駄目なのかしらん。
この台詞に「いいなあ」と感動して、この青年にぴったりだと
みんな納得して見ているのかしらん。
それとも、「無法松」のイメージを借りてくるため?
スサノオ」のイメージを借りてくるため?
どちらも全く違う男性像のイメージなんだけれど。
あ、乱暴な所は一緒かな。


このところ、毎朝のラジオはこんな感じで聞いてます。
全部聞いていたら遅刻なので、7分間。
これだけのラジオ生活なのに、無法松とスサノオに拘っている私、
気になっている私、暇人ですね。(苦笑)

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