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基礎英語は聞く娘

本日、大阪では高校の後期入試。


私達の頃には前期後期なんて無かったのに。
分けてすることにどれほどの意味があるのか知らないが、
今は学校だけ増えて少子化の時代なのに、コストの関係で40人学級。
教師の数は増えず、評価制度導入でやる気を失わせ、
早期退職導入で経験者を減らし、ガタガタになった組織に、
私学並みの土曜授業導入や補習講習・一芸入試ならぬ特色作りなど
要求だけは多いのに、ナンバースクールにしか予算を割かず、
教育環境が中流どころか下流難民化している府立高校が多いと聞く。


そんな所に娘を放り込むのが、数年先かと思うと気が重い。
大阪は東京と違って、女の子向きの私学は少ない。
公立高校出身のかーちゃんとしては、共学で学んで欲しいと思う。
出来れば学費の掛からない、玉石混交の刺激を受けながら。


いずれにせよ、大学が楽をしたいばかりに入試科目を減らし、
共通テストだマークシートだということを導入してから、
大学の独自性は失われ中央集権化が始まり、詰まらぬランク化が進んだ。
独立法人化したとはいえ、結局は共通テストの名残り、
センター入試とやらに合わせて、コンピューター任せの入試。
質の高い授業よりも、入試の回数を増やし受験料で稼ぎ、
大学で学ぶ値打ちも学力も無い若者をプールする施設、
下流化する難民施設の役割しか果たさないといわれている駅弁大学も、
経営母体の体力が失われ淘汰されてきている。


所詮教育を経済原理にのっとって行おうとすること自体、無理があるのに、
前期後期入試導入で、大阪府の高校の教育現場が良くなっているとは思えない。
そうこう思いながら、一日が終わる。今年の入試は不況を反映して、
私学に行くよりも公立にという路線らしい。
大学に白高校にしろ、進学には学費は欠かせない。
最近は小学校からの塾が当たり前で、習い事は当然小学校まで。
中学以上は学習塾以外の時間が取れないのだそうだ。


超高齢出産で娘を授かったかーちゃんには、塾の経験は無い。
小学校から塾という感覚がわからない。
ましてや予備校の経験も無いし、そういう余裕の無い家に育った。
娘を公立の小学校に進学させると旧友達から非難の声を浴び、
学童に入れると、塾と習い事はどうする気だと冷たい目。
保育園から続けている水泳と音楽教室だけでは駄目?
珠算・ピアノ・習字・合気道・空手・バレエ、
最近はダンスも習い事としてはメジャーらしい。


それにしても、親もよくギブ・アップせず教育費を捻出するね。
我が家は一人っ子だからどうにかなるけれど、3人きょうだいなんかだったら、
相当の覚悟がないとやりくりできない。
公立はもはや庶民の味方というよりも、庶民の吹き溜まり。
何しろ知事が公立高校をバックアップする気が無く、
金の無いものは学ぶ値打ちが無いような発言をしているし・・・。
そんな中で、定時制は潰され通信制がもてはやされ、
一部のエリートが行く公立と、私学にも入れない者が行く公立と
二極化しているのが公立高校、だそうだ。


序列化が進んでいるのは今に始まった話ではない。
統廃合が進んで、訳のわからない名前の高校が増えていて、
新聞を見ていても、何が何だかという感じ。
9学区制を4学区にしてメリットを感じている親子、
保護者は生徒を身近に知らない。
遅くに子供を産んで、世代的にずれがあるので情報が入らない。

できるだけ塾に通わずに、受験に勝つ方法

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親子で遊びながら作文力がつく本

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そんな今日、娘が通信教育のテキストをしている。
塾に通わせていないので慰みに取った通信教育も、サボり台魔王の前に形無し。
12月頃に6月頃のテキストをやっていたし、とーちゃんの肝いりで何とかやっても、
力をつける為の夏休み問題集が半分だけやってその辺に転がっている。
そう、もはやかーちゃんの掛け声では動かないし、
出張や帰宅が遅いかーちゃんとのすれ違い生活の中で、
きちんと勉強する習慣が付いていない。


そんな娘がこの1年間続けて来たのが、ラジオで基礎英語を聞くこと。
とーちゃんに譲ってもらったラジオがよほど嬉しかったのか、
テキストだけを買っておいたら、一応放送時間帯に広げて聞いている。
月曜日から金曜日、1日僅か15分という短時間なリズムがいいのか、
ちゃんと聞き続けてきたのが偉い。この点は認める。
勉強のほうはさっぱりなのだが、継続は力なりで、
どれほど内容がわかっているかわからないけれど、テキストは開いている。


側でくっついて勉強を見てやる事は殆ど無い。
時間も取れないし、掛け声を掛けるのがせいぜい。
家事をしている合間に一日が終わる。
そんな娘が、かーちゃんの掛け声で珍しく勉強のテキストを開く。
しかし、もう夜も遅い。早く寝ないと悪い所ばかり似た
この夜更かし代魔王は、朝起きてこない。


はい、ギブアップギブアップ、本片付けてお風呂入って、
寝る用意して頂戴・・・のかーちゃんの小言に
娘は目をむいて答えた。
「ギブアップじゃないからね、夜遅くなったのでここでやめるの。
タイムアップだからね、ギブアップと一緒にしないで!」


おお、1年間聞いただけの事はあったのか、基礎英語。
どこまでわかって聞いているのか探りを入れるのもはばかられるが、
9歳の壁に激突している娘は、英語の通信教育の申し込み要らないと笑う。
塾は行ってみたいけれど、英語はラジオでも面白いから、だそう。
負けん気と興味関心と、もう少し粘り強さがあれば、
かーちゃん安心なんだけれど、自分に出来ないことを娘には要求できぬ。


そうか、娘よ。
give upではなくてtime upか。
諦めず、有限の時間を大切に頑張っていくか。
かーちゃんも、諦めず頑張ってみるか。
君の高校入試はまだはるか先だけれど、同級生達は2月入塾で
中学受験に備えるのだそうだ。中高一貫の教育を受けさせるために。
ごめん、かーちゃんにはそのビジョンがまだ描けていないけれど、
今出来ることからやろう、娘よ。
とにかく遣り残しのテキストを片付けよう。
かーちゃんは書かねばならぬ書類の山を片付けよう。


give up? time up? 自分で決める。自分次第だね。
何に諦めをつけるか。何に区切りをつけるか。
どこまで時間が許されれるか。どこで切り上げてやめるべきか。
君の発する何気ない言葉に、かーちゃんはドキッとさせられる。
人生にはgive upよりも、避けられないtime upがあるもんね。

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