府庁移転否決万歳

政治的なことに口出しするのは大嫌いなノンポリの私だけれど、
知事が変わってから余りにもうんざりすることが続いているので。
大阪での生活は一気に苦しく、非文化的になっている。
このたび「血税」を、お馬鹿な知事のスタンドプレーにつぎ込むことを阻止できて
まことに喜ばしい。うわものを単純に取替え、
気分を刷新させるというめくらまし、錯覚で人を煙に巻き、
やりたい放題のお山の大将をのさばらせておくのはもう沢山！

不況が続いて、財産は目減りしている。収入はがた減り。給与賞与カットの嵐。
人員削減のあおり。仕事は増える。病人も増える。士気は下がる。
威嚇と攻撃で政治が出来ると思っている、思いつきのビジョンを口にする。
一人が多数を支え、多数が一人を支えることを許さない。
型に流し込めば製品が出来ると思っている人。
一つの型が出来るまでの工程を知らない人。
「創り上げる」ということが、本質的にわかっていない人。
何も見えていない裸の王様。

マスメディアもたいがいにしてほしい。
書く記事に事欠いて、常識から逸脱した行動で、創造よりも破壊をもたらし、
混乱を革新と取り違えて、権力と上から目線で自分に邪魔なものを蹴散らす、
庶民と生活感覚がずれている、教育や文化を軽視する。
生きていく痛みを分かち合うことの不可能な人間を持ち上げて、
記事にして楽しむのをやめてほしい。
だから、彼は付け上がる。

でも、まともな記事を書ける人は少ない。
「知事の記者会見は府庁の記者クラブが独占しており、
　クラブ以外のメディアは入れない。」のだから。
どう考えてもおかしいでしょ、こんな人が「知事」だなんて。
取り巻きを引き連れた独裁者でしかない。
メディアを操作して、自分を目立たせたいだけの。

王様は裸だと言った子供はその後どうなったか (集英社新書 405B)

お前はただの現在にすぎない テレビになにが可能か (朝日文庫)

水都大阪は既に沈没している。
100年に1度水底から浮かび上がる蜃気楼のような状態だ。
人々が収入の道を絶たれ、首を切られ、職を失い、途方に暮れている時、
自分は1番安全な場所にいて、何もかも「命令」で動くように思っている。
パフォーマンスで注目されることが嬉しくて、
政治をおもちゃにしている人にこびへつらう自治など、ごめん。
今までよりもずっとずっと生活は苦しくなっている。
職場は大変になっている。士気は下がっている。

経済的な体感温度を上げるために、時給を増やそう。たとえば、
残業をやめて早く帰宅すれば、時給が上がるのと同じ計算。
そんな見出しを、地下鉄のつり広告に垣間見た今月。
仕事した分給料が貰えないのなら、即直帰して時給が上がった感覚・
年収が増えたような錯覚で満足しろだと？
絵に描いた餅で満腹になれの発想か。
人が減って仕事が増えて、残業しても給料が目減りする今なのに、
首を切られないだけましと思って仕事しろ？
いつからこの国はそういうことが当たり前になった？

自分の意見に従わない人間を、冷遇する発言をはばからない知事。
先人が創り上げてきたものに敬意を払わず、いったん壊してしまえば、
ふたたび創り上げるのは困難なものが沢山ある。
そういう文化的・社会的な価値や背景も知らずに、
教育や文化を経済原理だけで割り切り、強引に切り詰め、
無駄だと決め付け排除して当たり前と思っている人間に、何がわかる？
子供の教育云々、情操や知育、人を育てる発想など無理。
目に見えないものを育てるのに採算だけを重視する人間に、何が？

無駄なパフォーマンスやうそ泣きや思いつき発言で、
現場を軽視し貶め揶揄し、予算を引き上げ、
人々を路頭に迷わせ、経済を立て直した英断だと思い込んでいる、
裸の王様には地盤沈下と地震に弱い高層ビルがうってつけか。
彼は彼の行きたい場所に行けばいい。
周りの人間、府民、私達に受け継がれてきたものを、
私達が創り上げてきたものを壊すことが、
真の改革だなどと、思い上がっている彼を炊きつける、
そんな記事を書くのをいい加減に、マス・メディアはやめてほしい。

記者さんたち、お役所の記事を取るために、
陸の孤島に日参する交通費・予算を真剣に考えたことがあるか？
今府民に必要なのは、新しい庁舎か？
絵空事のパフォーマンスで人心を惑わすような記事を
迎合して書くのはいい加減やめてほしい。
府庁移転否決万歳。
その予算を、本当に必要な所に、人とお金を使って欲しい。

どれだけのものが切り捨てられ、現場が混乱しているか、
弱者の拠り所が失われたか、様々な施設や機会が失われたか、
失われようとしているか、ろくでもない名称変更が行われているか、
そういうことを取り上げて欲しい。
本当のメリットはどこにあるのか。実際あったのか。
お金の表の面ばかり書き立てたり、操作した統計からの支持率で
周囲を威嚇・懐柔するような報道をするのを、いい加減やめて。

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)

子どもの最貧国・日本 (光文社新書)