Festina Lente2

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娘は小学4年生

早いものでこのブログを書き始めた時には1年生だった娘も、
4年生に進級しました。ギャングエイジと呼ばれる年頃。
担任の先生はどんな先生か、親としては気になる所。
校長先生が定年退職されることは去年から知っていたが、
今年はどんな異動なのか。学年PTA役員もしなくちゃいけないし・・・。
1年生の時の先生が本当に素敵な方で娘もなついていたのに
2年生では転勤されて、親子共々ガックリ。
新しい先生に馴染めない娘は「転校したい」発言。
親としては、ひえーと思った頃が懐かしい。
3年生に進級した時に声を掛けると「担任はハゲ」と一言。
全く子どもの発言って歯に衣着せぬ残酷さ。
今年はどうかな・・・?


「あのねー、新任の女の先生だった」!?
新任、新任って?
「うん、新しい先生。新しくこの学校に来たんだって」
それって転任の先生じゃないの? 別の学校から来た。
「新任って言ってたよ。でね、○○才だって。
 ○曜日の○時間目と○時間目は研修なんだって」
うむ、間違いない。正真正銘の新任の先生。


このご時勢、教育の世界を志し、幼い子どもから思春期の児童を扱う、
全教科を網羅しなければならない初等教育の世界に足を踏み込んだからには、
それなりの気概のある先生なのだろう。
小学校は中・高校よりも女性の先生が多い。
男の先生に当たるのはくじに当たるようなものだ。
昨年娘は初めて男の先生に当たったのだが、
いかんせん、先生はよく娘の事を見てくれていたとは思うが、
娘は欲求不満、頼りない先生と思っていたようだ。
今まで経験しなかった「いじめ」にも遭い、当てに出来ないと思ったのだろう。


それにしても、どこの世界でも新人は大変だ。
ましてや教育の世界で新人。研修期間も何も無く、いきなり担任。
講師の経験や塾でのあるバイトなど、人前に立つ経験が豊富であればともかく
本当に大学出たてで担任業務は辛い。
「子供が好き・可愛いから」という感情論や、
「可能性を信じて伸ばしたい」理想論は現場では吹き飛ぶ。
その粉々になった毎日を継ぎはぎする根気、
鉄は熱いうちに打ての日々を自ら重ねるタフさがないと
燃え尽きてガタガタになってしまう新人・新任時代。


幼稚園児・保育園児と変わらない1・2年生、
受験を控えた5・6年生を避け、
新任教諭は3・4年生の中学年を持たされることが多い。
しかし、ギャングエイジで思春期に差し掛かっている女子と、
やたら腕力が強く活発になってきた男子とが入り乱れ、
知的レベルでの差が開き、悪ふざけと自己主張の区別が付かない
9歳の壁から滑り落ちた子が目立ち始める4年生。
去年の3年生の授業参観に行くたび、これが授業中?と思ったものだ。
1・2年生は確かに「授業」の雰囲気があったものの・・・。
どんなもんだか、心配だ。


何を隠そう。私が小学校4年生の時、新任の女の先生だった。
今でも忘れられない。3年生2学期の時の先生が産休を取り、
代わりの先生が来て、3学期に戻って来て教師をやめて故郷に帰った。
その先生も代わりの先生も優しく教え方も上手で、みんななついていた。
当時は1・2年、3・4年、5・6年と担任の先生(学年団)は持ち上がりが原則。
私のクラスは異例の人事。そして新任の先生がやって来た。
・・・その先生のクラスに居た時、激烈ないじめに遭った事だけ覚えている。


3年生、学校の勉強が面白くなくなって来た。
文学少女の端くれだった私は、珠算塾が楽しかった。
友達になった別の小学校の子と仲良しになり、断然話が合った。
4年生、ピアノも面白くなってきた。
モーツァルトの変奏曲が弾けるようになり、練習に欲が出てきた。
学校は相変わらず面白くなかった。
随分醒めて浮いていたのだろう。いじめに遭ってしまった。
先生なんて何の役にも立たない。


苛めた人間に先生が罰を与えても、苛め返されるだけ。
家庭訪問の時に、母が先生に苦情を言ったのでは無かったか。
そんな思い出がよぎり、同じようなことになっては困るなあと。
まあ、PTAとしては新しい先生を守り立てていかなくてはならない。
ましてや、年齢差からすれば自分の子どもの年齢と言ってもおかしくない。
ああ、複雑な心境・・・。
遅くに子どもを持つと、お母さん仲間とも歳の差が気になり、
新任の先生にも気を遣うなあ。


赤ちゃんを産んだ頃は歳の差なんて気にならなかったのに、
この頃やたら気になる。相手も同じなんだろうなあ。
白髪を染めているものの、若作りは仕切れない。
娘はどんな気持ちで新しい先生を受け入れるのか。
親が肯定的な気持ちにならなければいけないのだろうが、
過去の記憶が邪魔をする。見も知らぬ先生には申し訳ない。


お友達と離れ寂しいようだが、新しい出会いもあるだろう。
昨年苛められた男の子とはクラスが離れたよう。
良かった良かった。でも、まあ何があるかわからないのが人生。
子どもでも大人でも、一難去ってまた一難。
どうにかなるさで構えるしかない。しかし、親としては・・・。
教師人生・担任生活、最初の経験になるクラス生徒の一人の親としては。
複雑な心境ではあるな。


娘に対しても、担任の先生に対しても。
色んな意味で、2重にも3重にも気になることは山ほどあるな。
先入観を持たずに物事に接することの何と難しいこと。
4・5月の家庭訪問の頃、授業参観の頃、どんな話題で話すことになるだろう。
それよりも、先生をどんなふうに受け入れるのか、
私自身も親として試されているのだろうなあ。


うん、娘にとっても初めての20代の女の先生。
なかなかこれは貴重な体験。サイコロは振ってみなくちゃわからない。
吉とでるか凶と出るか。ただし、物事を受け止める側にも責任はある。
吉と出るか凶と出るか。楽しいような嬉しいような怖いような。
新学期が始まった。一生に一度しかない娘、小学校4年生の春。
かーちゃんは心から応援するよ。
そして、自分の昔の姿、過去の4年生の自分にもエールを送る。


昔の亡霊、過去の思い出になんか引き摺られちゃ駄目。
かーちゃんはかーちゃんでいなくちゃ。
昔の小学校4年生に戻っちゃ駄目だよ。
いい年した自分自身に声を掛ける。自分の心に声を掛ける。
娘は小学4年生。かーちゃんだってかーちゃん暦9年半。
新しい先生に負けないよう、ファイトファイト。