Festina Lente2

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マスク・マスク・マスク

通院のために電車に乗れば、マスク・マスク・マスク。
様々なマスク姿に驚く。そういう自分も人の目から観たらマスクマン。
少々小さなマスクだけれど・・・。娘の小学校のインフルエンザ学級閉鎖時、
必要だろうと思ってバーゲン時に箱買いしておいたもの。
だから子供用にと思って、Sサイズなので小さい。
ディスポーザルで安いと思って買っていたものが、
まさかこんなふうに役に立つなんて・・・。
今更手に入らないので、大人の私もこれを使って通院。


信じられないほど人の姿がない院内。
予約診療でも溢れるほどの人がいるのに、どうして?
事務方も医師も当然マスクをしているけれど、
全然マスクをしていない人もそれなりに多い。
というか、手に入らないのか、面倒くさいのか。
ビジネス街の美人OLは薄いピンクのマスクをしていた。
おっしゃれー。いや、そんなのに見とれている場合じゃない。


病院は水色、白が基調。布マスクはお年寄りに多い?
CT室の前で、「こんな大きなマスク隙間が多くて役に立たない。
黴菌が入ってきちゃう」と苛々しているご婦人が。
「あなたのはぴったりしていていいわね」
「あの、実は子供用で・・・」
見ず知らずの方の関心は、マスクにあるようで・・・。
「どこで手に入れたの」「いえ、冬に流行った時の買い置きで」


何だか、マスクをしていない人間は非国民みたいな・・・。
咳も何もなくても、エチケット・マナー以上に、
格差社会。マスクをしているかしていないかで、
もとい、マスクを手に入れているかいないかで?
マスクをしていなければ、感染拡大に一役買っている存在?
何だか感染予防以上に怖い差別意識が蔓延しているのでは。

ぬれマスク先生の免疫革命

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感染症は世界史を動かす (ちくま新書)

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先輩は、「何? あのマスク着用って。
私は意地でもマスクなんかしないんだから」と憤慨している。
別にそこまで意地を張らなくてもいいと思うんだけれど。
感染が防げるのなら、安心感を保てるならそれはそれで必要なマスク。
けれども手に入れたくても入らないから、マスク無しでいる人も多い。
家人にマスクが無くなったら、バンダナでも巻いておけよ、
何もしないよりもましだろうと言われたけれど、
銀行強盗に間違えられそうだ・・・。それなら布マスクでいいよ。
ディスポにこだわらなくても・・・。


遊びにも行けない、かといって家の中で勉強するはずもない、
塾も予備校も習い事にも行けない。
ゲーム、インターネット、ケータイで体力を使い切れず、
中高生、毎日どんな生活をしているんだか。
駅で配られるチラシには、6月までカラオケ半額の文字。
待てよ、中高生が狭いカラオケで遊んだり、
オールで閉じこもったりしたら、それも感染上危ないんじゃ?
年寄りは掛からないと言われているこのインフルエンザ。
中高生の「生態」に即して広まる可能性?
繁華街には中高生がうろうろしている。


それよりも、TVの報道の異常な加熱の方が気になる。
感染ルートの解明。それはそれで大切。なのに、
というよりも、感染ルートより個人のプライバシーを暴く。
いわばバッシングの対象となりやすい情報を
不特定多数の集団の前に晒して、興味本位の話題をばら撒き、
欲求不満と不安の一時的な解消にしている。
そんなふうにしか感じられない、今の報道。
感染拡大のルート解明が、妙な差別感覚の拡大に繋がっている。


一芸能人が公園で裸になって「容疑者、容疑者」と、
どれほどの重罪を犯した極悪人かと思ってみれば、
何のことは無い、それだけのことで話題作り。
この国の情報操作は、問題の本質から目をそらせるために、
本来の本質的な優先順位に関係なく、ワイドショー的に
ニュースを垂れ流す仕組みになっているとしか思えない。
一億総白痴化」という言葉を昔聞いたけれど、
情報化社会と言われるようになって、ますますそれは加速化した?
何しろ誤った情報が拡がる速度も、昔よりも速い。
手に入る情報が正しい保障なんて、どこにもありはしない。
そんな時代になってしまったから。


あの学校が悪い、この生徒が悪い、この旅行が悪い。
あれがいけない、これがいけない、それも駄目これも駄目。
延期ならともかく「中止」になってしまった修学旅行。
それも辛かろうなあ。でも、スキーの修学旅行に行って、
インフルエンザになってしまって別室で寝込み、
講習に参加できなかった、みんなと遊べなかったというのは、
よくある話。インフルエンザでなくても風邪でも捻挫でも。
全てが中止されて、蔓延するのを防ぐ。


はしかが流行した時も、確か世界各国が予防注射必須を、
推奨に切り替えたばかりに殆ど予防注射をしていない世代に、
はしか大流行。日本ははしか輸出国と言われているんだっけ。
きっと今回は、安易にタミフルなんか出すから、
タミフル耐性菌製造国と後ろ指を指されると、
そんな懸念を書いているブログもあったな・・・。
一長一短で憂いは続く。新型インフルエンザ騒動。


病気になることは珍しいことでもなんでもないのに、
かかった人間を、病気が出た学校を、旅行を、
地域を、都道府県を、病人が乗った交通機関を、
全てを忌み嫌って、ルートを特定したとしても、
かかる時にはかかってしまう。
どこをどんな風に通っても歩いても。
感染しないようにどのようにするべきか、
感染したらどうすべきか。
不安を煽らずに、差別化せずに報道できないのか。
症状は軽く、みんな治っていっているというのに。
落ち着いてきているというのに。


万一かかっても大丈夫。薬も治療方法もあるので、
落ち着いて医療機関に相談してくださいと、
そういうふうに何故報道できないのか。
情報を流せないのか。
徒らに不安を煽る「あっちでも、こっちでも、ほらほら出た出た」式の、
子ども時代にあるいじめの公式、
穢れたもの、仲間はずれの公式、
そういう定式にのっとった形の情報提供、
やめて欲しい。


マスク・マスク・マスク。
お口にチャックして欲しいのは、
お口にマスクして欲しいのは、そっちだよ。

ゴッホは殺されたのか 伝説の情報操作 (朝日新書 94)

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日常生活における感染予防ガイド―からだの抵抗力が低下している人たちのために

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