いきなり立候補

土日の間に、好きな場所で遊んだり、家人が撮りためておいた録画、
『ウェルかめ』や『新三銃士』を一気に見て、満足したのか、
娘はご機嫌で休日を過ごした。
さて、ちゃんと学校に行って今日一日どうだったかと、
気を揉むかーちゃんが、いつものように水泳にお迎え。
帰りの車の中で、娘の爆弾発言。

「児童会の役員に立候補したんだ」
何ですと？　それはどういうこと？
「児童会の4年生の役員に、立候補した」
それは、一体何人選ばれるの？
「知らない、何人か聞いてないもん。（嘘だろ）
　うちのクラスからは5人出て、4年生全体で15人かな、立候補」
一体どんな役員選挙だよ・・・。想像がつかん。

「でね、担任の先生はポスターに判子がいるのを知らなくて、
（ああ、係か生徒会児童会の認印みたいなものね）
　私が直接判子付きの紙を貰ってきて、ポスターを書いたの。
　○○ちゃんも手伝ってくれたから、2枚出来たんだ」
一気に話されても、かーちゃんには付いていけない展開。
いきなり立候補したのはどういうことで？
先週プッツン来て、「学校に行きたくない」と泣いていたのに？

子供はこんなに早く立ち直れるものなのか。
それとも誰かの何かのプッシュ、差し金？
クラスで浮いている子の居場所を確保するために、
児童会生徒会クラブ活動等が吸収するのはよくある話。
うちの子もそのコース、流れに乗ったという事なのか？
一体何で立候補？　名誉挽回、形勢逆転を狙うのか？
かーちゃんの方が動揺。

スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし

ペツェッティーノ―じぶんをみつけたぶぶんひんのはなし

放課後担任の先生から電話。
娘とそれなりに話はしてくれたみたい。
それにしても、立候補は先生も予想外だったようで、
私自身も娘のどこにそんなエネルギーがあったのか。
我が娘ながらよく分からないまでも、本人なりに考えて行動？
勢い？　パフォーマンス？　一体何なんだ・・・。

児童会生徒会役員会、組織とはご縁の無いまま過ごした私は、
自分とは異なるエネルギーとパワーの持ち主に、
少々戸惑いながらも微妙な感動を覚え、
励ましたくもあり、今から結果を心配してあれこれ考えたり。
結局は未来を先取りして身動きできない昔のままの自分が、
親の立場に発っているだけなのだなと反省しきり。

生活に変化を付けるために、何にチャレンジしたっていいじゃない。
何事も経験経験、そう娘に言い聞かせてきながらも、
自分ではなかなか身動きできないまま、このトシまで。
この10年、やっとなりふり構わずではないけれど、
「やりたい事をやるのよ」「好きな事をしたいのよ」が言えるように、
振舞えるようになって来たか・・・（遅すぎる・・・）。
そんな私の逡巡を乗り越えて、娘は鮮やかに駒を進める？

玉砕するのは目に見えているけれど、それはさて置き、
今日は娘の意気込みを聞いてみるか。
応援演説は無しで、自分だけの所信表明。
如何なる事を考えて、もくろんでの計画なのか。
娘の目から見た、児童会への立候補。
娘が積極的に動こうとしていることを素直に喜ぼう。

親は何時だって、些細なことにも一喜一憂。
子供の一挙手一投足に振り回される。
それも、幸せのうち。
それも、まだ本当に恵まれた幸せのうち。
娘があれこれ話してくれる、打ち明けてくれるという、
揺れる振り子の触れ幅に、はっとさせられる親の立ち位置。

みんなが参加したくなる生徒会活動ハンドブック

マザー・テレサ 愛のことば