Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

百人一首仲間が欲しい

駆け足で秋は過ぎ行く。
気が付けば、大阪でも少しずつ紅葉が始まっている。
ちょっとした気温の差で、日向日陰の差で、色付く木々もあれば、
葉木(ときわぎ)のように青々と夏模様のような木々。
人それぞれ顔も心も異なるように、同じ木々の中にあって、
木の葉の一枚一枚は、己の占める位置に従い色付きもすれば、
枯れもする、散らねばならぬ、その定めにしたがって生きている。
紅葉した葉から散るとは限らない。
何時だって、何だって思いもよらない所から思いがけないことが起きる。
想像していたのとは異なる形で、見聞きしていたのとは違う形で。


駆け足で秋は過ぎ行く。
気が付けば職場に通う道すがら、あちらこちらで稲刈りが。
そうだ、もう刈入れの時期だった。
小学校の田んぼもふさふさ稲穂が頭(こうべ)を垂れていたっけ。
PTAの集まりを終えて帰る夜道、小さな学校農園の田んぼを、
私の父を始めボランティアの農業指導の人々が、
苗代作りから田植え、草取り、稲刈りを指導し、餅つき、
年末には注連縄作り、草鞋作りなどを子供たちと行う。


冬はすぐそこまで来ているというのに、
まだ10月、秋だからと安心している。
寒さに対する備えが磐石(ばんじゃく)かと言うと、
決してそういうわけではないのに、住む家があり、働く収入があり、
買い揃えるに必要な日々の蓄えがあると信じて、安穏と過ごしている。
仕事にも倦み疲れ、若い頃のようなフットワークも期待できず、
思うように動けない自分に焦れながらも、
今の自分にしかできない仕事があるはずと、自らを叱咤激励し、
何とかやって来たけれど、ふと気付けば、
自らの刈入れの時期は何時なのだろうか、
何時が収穫の時期なのだろうかと、はっとさせられる。

秋の森の奇跡 (小学館文庫)

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ポプラの秋 (新潮文庫)

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9月生まれの娘は夏の間に体が一回りぐんと大きくなる。
太陽の光を浴びて、ぐっと成長するように大きくなる。
おなかの中に居た時も、私は優良妊婦で臨月まで5キロ以内の体重増、
なのに、最後の一月1週間に1キロずつ体重が増えて焦った。
2週間生まれで生まれてきた娘は、3600グラム余りの丸々した女の子。
超高齢出産の初産、自然分娩で元気な子供に恵まれた事を感謝。
その実りの秋にふさわしい娘が、秋の深まりと共に、
萎れる様に元気を失くしていたのが気掛かりで、
やきもきした先週。


なのに、打って変わっていきなり立候補。
今朝方、立候補うに際しての所信表明演説内容を尋ねてみた。
「いい学校にしたい」「楽しい学校にしたい」
なるほどね。具体的にどんな学校にしたいのかな?
「色んなことが出来る学校」色んなことって?
「・・・あのねえ、言ってもいいのかなあ・・・」いいよ。
百人一首大会とか、ゲームをする」・・・そう来たか。
恐るべし、時雨殿の影響力。『ちはやふる』の影響力。

ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)

ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)

ちはやふる (2) (Be・Loveコミックス)

ちはやふる (2) (Be・Loveコミックス)


なるほど君は、自分の得意な土俵にみんなを呼び込みたいんだね。
君は、自分の実力が発揮できる場所を欲しているわけだ。
しかし、それに周囲が乗ってくるとは限らない。
そこまで考えているのかどうか、ともかく試そうとしているわけだね。
百人一首ってはっきり言ったらマズイのかなあ」そうだね・・・。
露骨に言っても駄目かもしれないなあ・・・。


冬になるとマラソンだの、ドッヂボール大会だのって運動関係ばかり。
娘にとって苦痛なのはよく分かる。君も文科系人間だからなあ。
運動の得意で好きな生徒にとっては楽しいかもしれないけれど、
そうじゃない生徒にとって、この時期の行事は楽しくないよね。
「スポーツ以外の行事を4年の児童会でと思ったんだけれど、駄目?」
別に駄目じゃないよ、季節ごとに色んな新しい行事を企画したいと思いますと
言ってみればいいことだし・・・。「そうかあ」


さて、どうしたものか。娘を見送ったはいいが、落ち着かない。
仕事をしながらも、今日は一体どうだったかと気掛かり。
自分の小学校時代など遙か昔、遠い昔。
哀しいことに楽しい思い出よりも辛いことばかりが記憶に残っている。
娘はどうだろう。どんなふうに4年生を自分の人生に刻むのだろう。
プラスの方向に、できれば超マイナーにならないように、
物事の受け止め方を何とかしなければ・・・。


姑息な事を考えている母親の私。
だって、よくよく聞き出してみれば、15,6人の立候補から、
選ばれるのはたったの2名。なかなかに「狭き門」だ。
かーちゃんは、「その後の娘の気持ち」が気になる。
子供の世界は残酷で意地悪だ。公明正大なんて四字熟語ありゃしない。
声の大きい子、力の強い子、運動の得意な子、
特に学校や地域のスポーツクラブに入っている子がリーダーシップを取りがち。


ピアノや水泳、その他文科系の習い事で目立つことなど余り無いし、
どちらかと言うと目立てば目立つほどいじめの標的になる。
先生が気がつか無いだけで、教室の中は陰湿な嵐、力関係、
物を隠されたり、取ったり取られたり、破られたり
連絡事項が伝わらなかったり、机の上に落書きされたり、
机の上のものを落とされたり、わざとじゃないよといいながらも
ものを投げっこする振りしてぶつけて来たりと、
何かを標的にしていたぶることには事欠かない。


そういう事を生業(なりわい)にしているのかと思うくらい、
子供というのは残酷な生き物だ。
自分が同じ立場になるまで、仲間はずれにならないために、
保身のために、誰かを犠牲にすることなど気にはしない。
遠慮していれば、自分が責められるから。
筋を通し、一匹狼になれば傷だらけになるのは目に見えている。
それこそ映画『沈まぬ太陽』ではないが。


そんな中で、君は君なりにできる事を一生懸命考えたのか。
自分を認めて貰うために知恵を絞ったのか。
君のできる範囲で考えたのか。
君は、君と同じ年齢だった時のかーちゃんよりも、
よっぽど強くてしっかりしているなあ・・・。
(親馬鹿ですみません)


ああ、かーちゃんはそわそわする。
帰ってきた君とどんな話をしようか。
どういうふうに話をしようか。
かーちゃんとーちゃんでは、君の百人一首仲間には役不足
神無月はあと十日。
神様は出雲から何かしら朗報を持って帰ってくれるだろうか。

四季を彩るクラシック5~くつろぎクラシック 爽秋

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秋のソナタ

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