Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

出かけたい、出かけたくない

家人宅の最寄のJR駅前でアジアンフェアがあるという。
いつもの私なら喜んだのかもしれない。
出かけて、珍しい雑貨や食べ物をつまんで、
何となく時間を過ごして、ぶらぶらする。
いつもの私なら楽しんだのかもしれない。
でも、今日の私は天邪鬼。今日の私は疲れている。
タイフェスタに先月も行っているのに、似たような企画、
似たような催し、何度も行くなんて面白くない。


堺祭りを初め、あちらこちらでもっと大規模で、
まだちゃんと見たことの無い郷土の祭り、催し、
色んなものがあるというのに、露店が集まった程度の、
その程度の祭りに、今日は出かける気がしない。
気が乗らない。それでも付き合わなくてはならない?
仕事は山積み、気分が乗らない。
気になる家事も、その他沢山。
目に付けば、イライラ、きりを付けたいことが山盛り。
こちとら仕事を抱えて疲れている身。
時間に追われた仕事を抱えて、うんざりしている身。


それでなくても、家事はかーちゃんがいないと滞る。
食事も掃除も洗濯も畳むのも仕舞うのも、
衣替えも食品の管理も何もかも、かーちゃんの手が入る。
そうしないと、何だか無茶苦茶になってしまう。
片付けものは得意ではないけれど、時間があれば
かなりの者を動かせる、整理整頓もはかどる。
少しずつ片付けていたら、結局Aが片付く頃にBが汚れる。
ABCD全面一気に片付けたい私は、一部屋ずつ片付けるのは苦手。


全くもって、天気のいい日に家にいるのは哀しい。
青空で涼風が吹いているのなら尚更、
薄曇でも出かけられるのならば越したことは無い。
仕事に縛られ、家にいるのはうんざりする。
家にいるというよりも、建物の中にいるのがいや。
そう思って過ごしてきた10年だったけれど、
最近疲れがどっと重なり、なかなか抜けなくなってくると、
何もせず上げ膳据え膳で1日中布団の中で眠っていたい。
そんな気持ちになってしまう。


出かけたい、出かけたくない。
今ここから、出て行きたい、出て行きたくない。
今、この有様を放り出して、今この場から、今この状況から、
何処か、別の、誰か、何か、別の、場所へ。
出かけたい、出かけたくない。
本当は家で寛いでいたいのかも。



でも、目に付いた仕事を片付けなければ。
シンクを磨き、アルミサッシのレールの埃、部屋の隅の埃、
ベッドの下の埃、落ちている髪の毛、玄関の土埃、
溜まったごみ、目を通さないといけない郵便その他・・・。
何もかも嫌になる、誰か代わりがいれば、誰もいない。
何もかもが面倒、誰かきちんと元通りに直して・・・
誰もいない、誰も何も、何もかも、全て、
結局は人任せにしたくても人任せにはできない。


そうだ、人任せにはできない。任せてしまえば楽だけれど。
そうだ、任せてしまいたい。
もうこの年齢なのだから、少しずつ仕事を減らして行きたい。
いつまでも兵隊と同じどころか、年齢や役職が進むにつれ、
かつてよりも雑用が増えている感じ。
相変わらず段取りが悪いのか、書類を裁く能力が落ちたか、
老眼のせいで読めないのか、更年期で気分が乗らない。


この、キャパシティ、能力が落ちていく感じ、
時間が上手に使えないどころか、どれほど浪費しても、
体力が回復しない、やる気が沸いてこない、
穴の開いたバケツに水を汲んでいるような徒労感が、
一気に沸き起こってくる、この精神状態は如何せん。
遊びに行きたい、何もかも投げ出して。
でも、そんなことできないのは百も承知。
何もせず、眠ってしまいたい。
でも、そんなことしたら、信用も何もかもなくしてしまう。


わかっているけれど、何もしたくない。
わかっているけれど、何もやりたくない。
出かけたいとは思うけれど、心から楽しめない。
何だか中途半端な感じで、時間を浪費した苛立ちだけが、
後からついて回るのがわかっていながら、家族の時間?
単に取って付けたように? その時は少しでも楽しい?
でも後から、別のことに時間を使えばよかったと思う。


後悔する、あれこれ振り返って後悔する。
そんな自分が嫌でたまらない。
何かに使った時間をあれこれ詮索・取り沙汰しても始まらないのに。
わかっていても、今日のような中途半端なアジアンフェアに付き合えば、
何だか気分はいっそうやるせない。
駅前にチマチマ店舗が並んで、夜店よりもしけている。
なのに人ごみ人だかり、異国の音楽、エスニックフード。


国際的というよりも、場末の賑わいの様相。
それが物悲しい。どこかで誰かの話し声。
今年は「てんからっと祭り」が無いらしい。
このアジアンフェアを、どう受け止めていいかわからないまま、
チヂミ、馬乳酒、ピロシキ、カレー、餃子にマンゴージュース、
緩やかな歌声、二胡の響き、ネパールやインドの雑貨、
駱駝の骨を入れた皮袋のキーホルダー。


色んなものが目の前を通り過ぎる。
人生で見ても見なくても構わない、どうでもいいもの。
今ふれあいを求めてグローバルな気分にはなれないのに、
仕事を片付けたいのに、付き合いで外に出る。
ゆっくり寝ていたいのに、起きて動いている。
体を休めたいのに、しなければならないことがいっぱい。
そんな負のサイクルの最たるもの。
心染まぬ日曜日の外出。


帰宅して頭痛、やっぱり起きられない。
欲張りすぎるのかもしれない。分身の術が使えれば、
一度に色んなことができるのかもしれないけれど、
みんな疲れて倒れるような体だと困る。
みんな少々のことでめげるような分身では困る。
欲張りに色んなことをしても、へこたれず、
てきぱきこなす、そんな分身が欲しい。


出かけたい、出かけたくない。
そんな葛藤を粉砕する、どちらもこなせる分身が。
ああ、魂魄離れて動くこと叶わず、
いずこに心定まることも無く、鬱々と
片付かぬ仕事に家事に心塞がる一日。
出かけたい、出かけたくない。
やりたいことはいっぱい。
やりたくないこともいっぱい。
やらねばならぬこともいっぱい。

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