Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

ボルゲーゼ美術館展と鼎泰豊


わたしたちは互に愛し合うべきである。
これが、あなたがたの初めから聞いていたおとずれである。(ヨハネⅠ 3:11)


御天気は今一つだが、じっとしている気分ではなく、午後から京都へ。
ボルゲーゼ美術館展ラファエロだけは是非観たい!と
家族を引っ張り、京都国立近代美術館へ。されど紅葉を愛でるどころか、
雨の中バス待ちで疲れ果て、まず、休憩。
企画に合わせたメニューを注文してみたものの、お勧めできない味。
ちょっと落ち込みながら(苦笑)御対面の場へ。


娘と家人は手早く回りたいらしく、別行動。
常設展まで回りたいらしい。おお、有意義なチケットの使い方。
私は音声ガイドを使いながら、久しぶりにゆっくり見て回った。
枚数が少ないのに2時間弱は贅沢かとは思いつつ。
何しろ何度ローマに行っても寄ること叶わなかったボルゲーゼ。
全ては語学力の無さと、一人でイタリアは怖かった故に団体旅行だったから。
もちろんそれなりに自由時間はあったのだけれど、
バチカン全力投球(法皇様謁見)!って感じの巡礼旅行だったのと、
忘れ物?(盗難?)で物を失くして、ローマ怖い・・・ってイメージが。
映画『ローマの休日』のような甘い雰囲気を抱けないローマ。


昔々のうちに行っておけばよかったボルゲーゼ。
いまや予約が無いと行けない場所。もっとも外国の美術館・博物館は、
隙間・空間恐怖症なのか、空間補完充填症なのか、
壁一面びっしりと絵画が展示されていて、上から下までどころか、
天上画もあるのが当たり前みたいな世界なので、美術鑑賞には、
鑑賞眼以前に体力を要求される。(もしくは取捨選択能力とか、動体視力?)
じっと見つめて悦に入っていたら、時間が幾らあっても足りない芸術鑑賞。
だから、島国日本にはるばる渡ってきた「お宝」の前で、しばし佇む。
その時間だけでもささやかな幸せ。そのようにごろうじろ、の世界。


しかし、この家の御姫様がナポレオンの血筋と結婚してその結果、
500点ものボルゲーゼの所蔵品がルーブルに御嫁入りしているとは、
知らなかった・・・。それにしても凄い数というか量の流失・・・。
今更芸術大国イタリアにとっては、その数はどうってこと無いのか。
お貴族さま、大富豪、有力者にとっては日常茶飯事のことなのか。
半端じゃない御嫁入り。まあ、散逸したのではなくて、
ボルゲーゼコレクションとして大切にされているそうだが・・・。
極東日本にお目見えした品々は、御隣の国に行くよりも大冒険で初公開。
これを見ずして何とする。(ワクワクしているのはかーちゃんばかり)

 

クリスマスシーズンにふさわしい絵。
子供の頃はこういう丸い絵って変わっているなあと思っていた。
当時流行の絵画のスタイルなんて知らなかったもの。

NHK世界美術館紀行 (3)

NHK世界美術館紀行 (3)

カラヴァッジョへの旅 天才画家の光と闇 (角川選書)

カラヴァッジョへの旅 天才画家の光と闇 (角川選書)

 


びっくりしたのは、展示されている御目当ての肖像画
実は20世紀までは聖人画に書き換えられていた。
疑問が持たれていた稚拙な構成、剥落部分を修復して現れた、
元の姿が現在の展示内容。まさかラファエロとは・・・だったらしい。
一角獣が抱かれていたはずの肖像画が、車輪って・・・。
むき出しの肩に、マントを羽織っているなんて・・・。
聖カタリナを描いた聖人画だと見過ごされていたのが、実は名画だった!
こんなドラマを知ることが出来るのも楽しい。
宗教画と思われていたものが、御嫁入り前女性の肖像画らしい、なんてね。


その他宗教画も多く、光と影のカラバッジオもあったけれど、
何というか、じっくり眺められるのにあっさりしている雰囲気だったのは、
暗い感じの絵よりもトーンが明るめ、もしくは印象的な素材・題材、
(人物画にしろ景色にしろ)極端な威圧感や迫力の絵画よりも、
落ち着いて眺められる雰囲気だったように思える。
雨の日の午後で、思いの外空いていたせいもあるかも。
夏の日の長時間並んで見たルーブルは、それだけで鑑賞力が落ちていたから。


もちろんのこと後からじっくり解説を読む画集を買い求め、
友人に送るクリスマスプレゼントになるような雑貨を物色、
ちょっとした自分へのプレゼントなど、ささっと買い物。
それにしても、何だか記念のクリアファイルがどんどん増えていく。
(軽くてかさばらず実用的なのでついつい購入)
絵の付いたお菓子は御土産にはいいかもしれないけれど、ちょっと。
参考資料は関連文献などずらりと並べられた美術書
これは手にとって眺められるので楽しい。


家人と娘は常設展を見終えて、「もう閉館するよ」と。
大急ぎで軽く流して1周。御馴染みのものも入れ替え品も。
出てくると常設展入り口は既に閉まっていた。
かなり大粒の雨。晴れていたら夜桜ならぬ紅葉ライトアップ鑑賞予定。
残念、諦めて夕食に切り替え。

  


偶然にも今日はいい夫婦の日。特別メニューのある鼎泰豊へ。
ここは大阪の出店が待たれる、台湾本店の飲茶のお店。
東京にはむろん支店がある。ご存知の方も多いのでは。
せっかくだから、ここで一寸豪華に。
娘は昔遊んだHパークで食べた小龍包が病み付き。
こてこての脂っこいものは苦手だが、小さい時から手作り餃子、
ベトナムフォーなど食べてきたので、この手の料理が大好き。
雨で凍えた体をみんなで暖め、ほっと一息。

  


ポットの蓋を開けて立てておくと、黙っていてもお代わりが来る。
静かに食事が出来るのが嬉しい。実は、デパートの3階なのが惜しい。
他の支店は結構見晴らしのいい上階にあるのだから。
それはともかく、上品で美味しい。御茶も美味しい。
皮の柔らかくても、しっかりしている。蒸し具合も絶妙。
熱々の汁を火傷しないようにすすりながら、具を頬張る。


まだ台湾には旅行したことが無いけれど、老父の出張の思い出話や、
社会人院生時代の友人、時々覗く台湾ブログを心に描きつつ、
いつかは家族で旅行してみたい、すぐお隣の国、台湾。
(国と言っていいかどうか、そういう論議は置いておいて)
簡体字が読めなくても、旧字体が読めなくても、何とか意味がわかるそう。

  


取り留めなくお喋りし、美味しいものを食べ、
気分はイタリア小旅行、おなかは台湾グルメ。
今日はいい夫婦の日。11+11=22、
いつも毎日会えない分、仲良く楽しく過ごしましょう。

  


レスピーギ:交響詩「ローマの松」、「ローマの噴水」、「ローマの祭」

レスピーギ:交響詩「ローマの松」、「ローマの噴水」、「ローマの祭」

スーパー・ワールド・クラシック2006(3)イタリア

スーパー・ワールド・クラシック2006(3)イタリア