Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

女王様のランチと筍料理

土曜日朝から家にいると、決まってすること。それは大掃除。
平日にできなかった掃除洗濯布団干し、何もかも一気。
弾みと勢いをそがれると体が動かなくなってしまう。
それでばたばた走り回る羽目になる。
それに、大物洗いは土日しかできない。
シーツやカバー、敷布の類。修理した洗濯機は快調。
頑張って一日3回のお勤めに精を出してくれている。


そんな中、のんびり電話がかかってくる。
今日は家人が来てくれる日。
そんな日は、実家の畑から新鮮野菜を取ってきて、
老父の採ってきてくれた筍を料理する。
心尽くしの料理を作りたいのだが、これが難しい。
年寄りの口に合うもの、娘の好きなもの、なかなかバランスが・・・。


実家の庭は菜の花が盛りを過ぎて、ハナミズキが咲き出した。
近所の桜は、今年の異常気象のお陰でまだまだ咲いている。
クロッカスの黄色い花がかわいく咲き揃い、
こぼれ種から芽吹いたみつばが伸びてきて美味しそうだ。
大根の薄紫の花、赤カブの菜の花、とにかく柔らかい花芽を摘み、
おひたしの材料として摘む。ぽきんと折れる茎から上は柔らかく、
そのままさっと湯がいて春の味を楽しむ。


裏の竹林の筍はこまめに抜いてやらないと、家が竹だらけになってしまう。
侵食して根を伸ばしてきてとんでもないことになる。
都会の田舎の老齢化は進んできて、持ち主は一向に手入れに来ない。
否が応でも老父が抜かなければ、竹に埋もれてしまう裏庭。
竹の秋」=春なので、笹の葉が散ること夥しい。
掃除をしないと樋に詰まって、梅雨時、雨が流れていかない。


家のメンテナンスは庭のメンテナンス。
春の手入れは夏の手入れに繋がる。
家の中の細々としたこととて同じなのだが、
その細々とした些細な日常のあれやこれやが、うまく回転しない。
というか、積み残しの見切り発車の毎日で、何ともやるせない。


かつて尊敬するジャーナリストは、机は4ついる。
いちいちやりかけの仕事を片付けて、次の仕事はできない。
同時進行するために、広げておかなければならない資料も、
開けたままの本も、その度に閉じて片付けていては、
時間の無駄だと言っていた。・・・同感。
でも、そんな広い家も机も持てるはずがなく、
余裕があればあるほど、散らかす範囲が大きくなっていくだけで、
凡人のすることは、ますます非能率的になってしまう。

春筍―鈴木智子句集

春筍―鈴木智子句集



午後、昼過ぎ家人到着。電話で外食にしようと誘ってくれた。
近所のレストランのサービス券。
その名も「女王様のランチ」ですと?
珍しいこと。ここのランチに誘ってくれるなんて。
「この店の味には飽きた」と言っていたくせに。
鬱々と気分がアップダウン激しいさなか、
少しでも気分転換にと思ってくれたのか。
歩いていける近所のレストラン。
田舎のレストランは、焼きたてパンで土日は賑わう。


混み合うレストラン、すぐに席に付けたのが不思議なくらい。
次々に運ばれてくる品々を賞味しつつも、違和感。
何かがおかしい。どうもおかしい。
メインの料理に来る前にやっと気が付いた。
すぐに空いている席に案内された「わけ」が。
薄い丈の低い刷りガラスで仕切られた席向こうは喫煙席。
このレストランは、喫煙席と禁煙席が分けられていないので、
煙吸わされ放題、分煙がきちんと出来ていない。


よりにもよってメインディッシュの直前、
隣の席で女性二人組がタバコを吸い出した。
私はタバコの煙が大嫌いだ。
気が付けばランチタイムのピークを過ぎて、
空席が目立ち始めた禁煙席コーナー。
子供連れで煙と共に食事をするくらいなら、
食べずに席を立ちたいくらいの気持ち。


・・・席を奥の禁煙席に替えて貰いました。
完全分煙でなくても、かなり環境は変わります。
お手軽なレストランだけれど、喫煙席を失くす勇気は無い店。
ただでさえ不況で潰れて行く店が多い中、
(別に食べ物関係に限ったわけでなくても)
喫煙者を締め出すと売り上げが落ちるということもあるのだろう。
コース料理を安価に提供するレストランでは尚更のこと。


しかし、だからこそ、いや、それだから、店としては、
格が上がる事を捨ててしまっているのでは。
元々この店の喫煙席は一番奥だったが、さすがにこのご時世、
上席の一番奥は禁煙席になったのだけれど・・・。
ランチは、少々おかんむりになりかけたかーちゃんに、
席の移動というおまけ付きで事なきを得たものの、
余波は午後のお片づけにも及び、
延々と週末の家のメンテナンスは続いた。


思わず、掃除で幾らか体重減、
ダイエットができるのではないかと思えるくらい。
しかし、思い切って捨てられるものは予想外に少ない。
物置のある家は物が捨てられないというのを、
しみじみ実感した苦闘の一日。
更年期の脳に詰まってくれる新しい知識は少ないのに、
ラクタはなかなか捨てられない物理的環境を、
如何せん如何せんで暮れる一日。


女王様のランチは、ある意味確かに気分転換、
この日のメインイベントだった。
夕食は菜の花のおひたし、筍と三つ葉のお吸い物、なのに、
どうしてもこれを作ってくれというリクエストの元、
老父の喜ぶ筍料理が、情け無いことに
こてっちゃんと春野菜の炒め物」・・・。
少々、私の美意識からは外れているが、仕方ない。
新鮮な朝掘り筍は、こんなふうに食べたくなかったが・・・。
全く思うように行かない食事とメニューの一日。

事例で学ぶ 禁煙治療のためのカウンセリングテクニック

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2004東京都心レストラン・カフェ禁煙席ガイド―タバコ副流煙〈2〉

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