Festina Lente2

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ダーリンは外国人

何てオーソドックスな恋愛映画。
文化の軋轢以前に、ごくごく普通の人間関係、恋愛、すれ違い、
思い思われ、育む素敵な時間。恋愛の背景に家族、親子の情愛、
よくある家庭の中でのあれこれ、仕事と恋愛、生活と恋愛、
言葉や習慣、様々なものを乗り越えてこその恋愛、
そんなごくごく当たり前の正統派の恋愛映画。
娘が大好きな漫画だから、楽しいし、一緒に見てもいい。
気軽な気持ちで来たら、原作と随分違うと娘はふくれっ面。
まあ、仕方がないよ。映画化ってそういうものだから。


今日一日、午前中は半年に一度の通信教育のテスト、
午後からは本人が興味を持っているので進学塾の公開テスト。
まあ、小学校の中で退屈しているのなら「井の中の蛙」がどんなものか、
知ってもらおうじゃないのと、塾経験のない母は、
ある意味娘に意地悪に、ある意味のほほんと構えている。


同僚や友人からは世間知らずとののしられ、
今時、ダブルスクールでないと、(塾が主の?)
子供の将来はどうすることも出来ないと言われて
うんざりするのだが、まあ、仕方あるまい。
夜ずっと娘に付いていることも出来ないのだし、
テレビに子守させるよりも切磋琢磨の場、
それなりの環境を整えるのは、現代の子育てでは必須なのかと溜息。


英語は基礎英語?と?を平行してラジオで聞いている。
それで満足してくれているから、良かった。
何でもかんでも塾でというのは、余りにも抵抗が大きい私。
この頃は運動は体操教室や体操塾、スポーツクラブ、水泳教室、
リトミック、バレエ、野球にサッカー、空手や少林寺拳法と、
まあみんな、どうしてそんなにあちこち?


運動以外に書道、ピアノ、バイオリン、『ちはやふる』の漫画のように、
近くにカルタ教室があるならば、娘はきっと通いたいというに違いない。
やれやれ、情報があるというのも(無さ過ぎるのもなんだけれど)困るものだ。
駅にビルが建てば、あっという間に学習塾4つも入っている。
少子化ゆえにがめつく稼ごうというのか、手の回らない親の代わりなのか、
それとも教育力を失った公立学校の尻拭いなのか、
ありとあらゆる習い事の場が、駅前その周辺に散らばっている。


そんなご時勢の中で、5年に進級し上級生になった暁には、
放送委員会に入りたいと言っていた娘が、選んだのは・・・。

ダーリンは外国人(2)

ダーリンは外国人(2)


園芸委員会。園芸部だな、結局のところ。
じーちゃんばーちゃんの庭で飽きるほど植物に囲まれているくせに、
何で今更園芸活動なんだか、かーちゃんは気が知れない。
毎日野菜の世話するわけでもなんでもないのに、どうして今更?
まあ、園芸と野菜栽培は少々趣が違うけれど、
学校菜園学校花壇の世話がそんなに好き? 興味があった?


そんな新学期、またまた娘の意外な一面発見。
原作漫画にこだわり、映画のできに今一つ憤慨する姿。
だんだん親に似てきたか。
塾に行かずにのびのび育ってほしいと思っていたのに、
自分から入塾テストやお試し学力テストを受けてみるという。
言っていたこと、予定していたはずの事とは異なる委員会への参加。


借りてきた猫のようにぎこちないピアノ。
2年生の頃、自由闊達に弾いていたあの頃のピアノはどこへ?
新しい先生の前で緊張して、なかなか自分の意見も言えない。
こんなにおどおどしていていいのだろうか。
よそ行きの娘と、それ以上に鍛えられていないというか、
自分で上手になろうという気持ちが希薄なピアノの腕前。


新学期が始まる週の君は、5年生になった君の姿は、
かーちゃんが知っていた君とは、やはり違う。
今まで見なかったコーディネートで決めてきた君の服装。
見えない所まで丁寧におしゃれして新学期に望む意気込み。
お勉強よりも思春期を迎えた、年相応といっては何だけれど、
どんどんかーちゃんの胸元から離れ、腕から逃れ、
足元から巣立っていく君の姿に、戸惑う新学期。


新任の先生は空手ができるからと、生徒の前で瓦割り。
パフォーマンスが自己紹介と生徒の心を掌握するのかと、
君がぽつぽつ報告してくれる当節の小学校での始業式、
というか、着任式風景にも唖然だったが、
お行儀よくスーツを着て頭を下げて、どうぞよろしくなんていう、
当たり前すぎることでは、誰の心にも残らず、
どこから来た誰なのかわからないから、
そのくらいの派手な演出が必要なのか。
(最も全員が特技披露で挨拶をしたわけではないのだろうけれど)


ダーリンは外国人。生まれも育ちも違っていても、
お互いを思う気持ちが二人を結びつける。
背景にある文化や教育、キャリア、様々なものを乗り越えて、
相手を思う真剣な気持ちが、二人を特別な関係にする。
外国人だからというわけではなく、それは、同じ国の人間であっても、
身近なようで身近でない親きょうだいでも、同級生でも、
いつか出会う大切な人であっても、同じだということをいつ君は知るだろうか。


君を産み育てていても、見知らぬ君を、いまだ見ぬ君を垣間見るたびに、
どきどきしてしまうかーちゃんなのに。
外国人ではなくても、君は別の世界から来た、
知っているはずなのに、日々知らない人間になっていく、
そんな不思議な存在。
5年生。子供子供している年齢ではない。
一回りぐっと大きく伸びた身長、しなやかな体。


かーちゃんは、日々、変化著しい君に付いていけるかどうか、
親らしくきちんと見守ることができるのか、
最初で最後の自分の子どもを育てきることができるのか、
はらはらどきどきさせられてしまう。
そんな新学期。1年生に入学した時とは異なる心配や期待で、
やるせない気持ちになってしまう、そんな臆病な、
ちょっぴり嬉しく切ない日曜日。

ダーリンは外国人 with BABY

ダーリンは外国人 with BABY