Festina Lente2

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医療ドラマの夜 

火曜日の晩、再び娘とTV版『ジェネラル・ルージュの凱旋』を見てしまう。
本当に、色んな病気があるものだ。
医療関連の番組で使い古されていない話題、
もしくはみんなが知っている話題、
両方兼ね備えていないと視聴者である観客の興味を引けない?


御医者様がどんなふうに会議を持っているかは知らない。
「勘だ」「何かある」と病気を探っていく様子、
強引だけれど、ある意味上手く観客を引き付けている。
もっとも、本業からすれば当たり前の日常業務。
大騒ぎするようなことではなく、どうってことないんでしょうが。


いや、当たり前の会議、カンファレンス。
それを丁寧にしていたら、時間が無い。
それどころか、すっ飛ばして治療?
急を要する場合、それどころじゃない。
会議スルー、予想外の展開で進む仕事は多い。
現場は何が何だかてんやわんやで、結局、事後報告もそれなりに多い。
結果オーライでまかり通ることも多い。
というか、とりあえず先例に従って動く。
後から事情を聞いて唖然とすることも。

緊急救命室―医師たちが語る生と死のドラマ

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色んな病気の裏側にある、個人の履歴、いや、個人的な履歴。
自分に跳ね返ってくるような、周囲を連想させるような、
とにかく病に含まれる諸々の要素、
自分の存在を揺るがすような要素を垣間見る。
ワイドショー的な感覚も兼ね備えた上で、観客に何を?
啓蒙・脅威・共感、何を一番に持ってくるのか・・・。
心の中に湧き上がるざわめきに、蓋をしたくなる一瞬。

医療のこと、もっと知ってほしい (岩波ジュニア新書)

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そんな事を考えているうちに、すぐに転寝。
娘に呆れられる。
肝心の「落ち」、最後まで観られない。
体がどうしても、頭がどうしても眠くて駄目。
睡魔に絡め取られて、気が付くと番組は終わっている。
だって、原作とは違う。TVドラマ用に勝手にエピソードが進む。
唯一、グッチーこと田口医師が、映画版と違って原作に忠実、
男性なのが嬉しいかな・・・。


娘と一緒に、こんな医療ドラマを見ている自分が不思議。
そう、人間って残酷に出来ているから、
怖いもの見たさで動くから、
自分に関係ない安全な場所から危険な事を眺める、
馬鹿馬鹿しい事を嘲り非難しながら、自分は何もしないように。


自分や家族の健康の事を思うと、
通院・入院、病院の中での事を思うと、
色々こみ上げてくるものがるというのに、
TVの番組の中は、遠い世界。
救急車、救急、待合室での不安な時間、
何もかもが遠い世界になっている、その事がありがたい。
今、その状態である事を感謝しよう。


何度経験しても、楽しくも嬉しくも無い。
突然の出来事、不測の事態で病院に行かなければならないなんてこと。
けれど、家族を助けて貰ったありがたい経験。
その経験や思い出がプラスの方向に繋がっている限りは・・・。
幸せ。
・・・なはず。


単純な興味本位で番組を楽しむ事が出来ない自分、
娘と違う自分に苦笑いしてしまう。
さてさて娘よ、夜更かししないで寝なさいね。
かーちゃんに似て宵っ張り。
そのかーちゃんは、この頃早朝覚醒はできても、
夜更かしにとんと弱くなったのだから。
そして、辛い思いに苛まれた過覚醒の夜から、
少しずつ解放されようとしているのだから。

「医療政策」入門―医療を動かすための13講

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医療の裏側でいま何がおきているのか (ヴィレッジブックス新書)

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