Festina Lente2

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アースダイビングし損ねる

本日は愚痴です。(わからんかった事に好き勝手文句言うの世界です)

今日のナカノシマ大学「大阪アースダイバーへの道」予想外に面白くない。
対談形式なのが駄目というより、メインの講演者が支離滅裂。
どうにか2時間やり過ごせという感じで好き勝手喋って、
きちんとした情報を伝えようという真摯な姿勢が無い。
雑談や漫談に2100円払うぐらいなら、映画を見て気分転換をしたほうがまし。


せっかく会場がきちんとした上等なハコモノだったのに、
内容がポシャっていては話にならない。ゲストで盛り上げたようけれど、
それは(用意されていたとは思うが)飛び入り参加のコメンターであって、
本論や本題とは関係ない話題を提供して、論外も甚だしかった。
内田樹大阪市長は明らかに別のメッセージを発していたし・・・)


純粋に学問的な興味から話を聞きたいと思っていた私と家人は、
そのお祭り騒ぎ的な場外乱闘にも似た展開に、鼻白む思い。
唖然憮然呆然。こんな企画でごまかすのはやめてほしい。
ナカノシマ大学、鳴り物入りで宣伝するなら、
もっと企画内容を練り込んで、打ち合わせをしっかりしておいて欲しい。
企画の詰めが甘すぎる。人を呼んでお任せしますじゃ、話にならない。


アースダイビング、アースダイバーという発想自体は好きだ。
歴史大好き人間にとって、空間が透けて見えるが如く古代が蘇る、
それ以前の昔の地形が人間の歴史にどれだけ影響力を持っていたか、
考えるだけでもわくわくするのに、実際にその土地を歩き、
今何が建っているか、それ以前には、元々はどんな風に土地利用されてきたのか、
忌むべき土地だったのか、嘉された土地だったのか、
どんな地名が付けられたのか、その背景には何があったのか、
そんな事を考えていると、街歩き山歩きは実に体力勝負の知的冒険なのだが・・・。


予想していたような興味深い面白い話以前に、その鼻につく茶化し方、
話のはぐらかし方、持って行き方が、知的な対談とは程遠い。
インタビュアーをないがしろにしているような、
質問に上手く答えられないので、はぐらかしているようにしか見えない。
周囲の人々はこの受け答え、この応答、流れで満足しているのだろうか?
純粋に面白いと思っているのだろうか。

アースダイバー

アースダイバー

対称性人類学 カイエ・ソバージュ 5 (講談社選書メチエ)

対称性人類学 カイエ・ソバージュ 5 (講談社選書メチエ)


東京、関東方面について書かれていることと、
同じレベルで語られているとは到底思えない、
まだまだ未知数の大阪の話について、然るべき展望と確認された内容を、
せめて小出しにしてでも語られるならともかく、
著作の宣伝なのか、これからの計画についての紹介なのか、
2時間大風呂敷を広げるつもりで来たのか、
どう考えても納得の出来ない2時間。
ある意味、最初の15分以上の実質的な内容はなく、
だらだらと引き延ばしただけで、終わってしまったような気がする。


特定の研究者の「追っかけ」ではないので、
不特定多数の人間に対して話す事が出来ないほど高レベルの、
専門的内容を必要とする講義ならばいざ知らず、
それほどの内容もなく、インタビュアーとの接点をきちんと持とうとせず、
適当に話していることで勿体を付けているとしか思えない氏の態度には、
余り好感は持てなかった。
著作内容に興味を持っていただけに、見ると聞くでは大違い。


熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ)

熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ)

かえって、あの寒い寒い雨の銀行のロビーの3月の講座。
来て良かった、聞いて良かった、今まで知っていたはずのものが、
切り口も新たに提示、口上爽やかに述べられた練られた講義と、
余りのも雲泥の差。たった1枚の地図だけを講義資料にし、
それ以上の種明かしを敢えて避けているような姑息ささえ感じられる。
今日の講演者とは雲泥の差の、インタビュアー兼対談者だった
釈徹宗氏の前回の講義内容の方が、遥かに格上だったナカノシマ大学。


次回は遠慮しよう。価格に見合わない時間稼ぎに付き合う気は無い。
ウワモノである会場は、市民に文化・教養を還元すべく作られた、
駅から至便、冷暖房完備の施設で環境としては良かっただけに、
上滑りした講義内容にはがっかりさせられた。
ダイブしそこなったアースダイバーって感じ。
家人も予想外に面白くなかった様子。
「哲学の人だからなあ」と呟く。いや、そういう問題じゃない。
いや、別に民俗学方面から攻めても面白くなかったけれど。
下世話な方から見ても、物足りなかったのに。
夫婦揃ってアースダイビングし損ねてしまった・・・。


ブラタモリ」以前から盛り上がっていたお江戸ブーム、
地図を片手に歩く江戸と東京。その大阪版が始まるのかと、
わくわくしながらやって来ただけに、濃い内容が聞きたかった。
まあ、熱心な人は自分の知識を補足して今日の講義内容を膨らませ、
しっかり綴っているようだから、興味のある方はこちら→
こんなしっかりした講義ではなかった事を念のために申し添えておく。
この方の方が講演者としてはふさわしいのでは・・・。


受け取り方は人それぞれ、でも、巷のカルチャーセンターでも
しっかりした講義内容でそれぞれ満足できる内容のものを行う。
(趣味クラブだと馬鹿にする人も中にはいるが)
講演者は講演・講義内容にある程度責任を持って貰いたい。
ネームバリューのあるゲスト等いらない。
飛び入りで盛り上がるのを期待して聞きに来ているわけではない。
本命の内容がどれだけ充実しているか、そちらの方が大事。
有名人に会いたいわけではない。きちんとした話が聞きたい。
そう実感して帰路についた今日、実は老父の誕生日。

地べたで再発見! 「東京」の凸凹地図

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