Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

トリノ・エジプト展

仕事で神戸へ。滅多に無いことだ。
哀しいことに久しぶりの神戸だというのに、土砂降りの雨。
自由時間がそれほどあるわけでもない。
ランチタイムを削って時間を作り、雨宿りも兼ねて
トリノ・エジプト展を見ていくことに。


せっかくの催しの機会だが、駆け足でトリノ・エジプト展
今までイタリアには4回ほど行き、あちこち旅行したというのに、
何故かトリノにはただの一度も行っていない。というわけで、
このトリノ・エジプト博物館のコレクションを是非見たかった。
かのシャンポリオンも一目置いていたほどの収蔵物を誇る博物館。


しかし冷静に考えてみると、どれだけエジプトから様々な文物が、
貴重な歴史的遺産が流失(当時先進国と言われていた欧米列強が、
こぞって文化的遺産を勝手に持ち帰って)していたかという、
経緯があるわけだが。
学者のパトロンとして裕福な貴族がその見返りに欲しがった、
エジプトの古代遺産。


現在様々な国が欧米の美術館博物館に収蔵されている文物に対し、
自国への返還を求めている事を思うと、少々複雑な思いで
展示品を見てしまうことになる私。


いつもに比べて点数は少なく、天候のせいか人出も少なく
思いのほかゆっくりと見ることができた。
トリノでは非常に工夫した展示方法が為されているという、
その演出を真似て工夫された室内。照明や鏡などうまく使って、
なかなか面白い展示の仕方だったように思う。
この辺の融通、京都や大阪の市立美術館では無理だったかも。
というわけで、門外不出のツタンカーメンとやらを拝ませて貰う。

よみがえる世界遺産 古代エジプト

よみがえる世界遺産 古代エジプト

E02 地球の歩き方 エジプト 2010~2011

E02 地球の歩き方 エジプト 2010~2011



−−「アメン神とツタンカーメン王の像」が初めて館外出品、
大型彫像やミイラ、彩色木棺、死者の書パピルス文書、
ステラ(石碑)など、1824年の博物館設立以来、
館内ですら動かされたことがない作品を含む、
選りすぐりの名品約120点が日本初公開。−−


この謳い文句に違わず、「見た事のない、初めて見る」オンパレード。
何よりも新王朝に焦点が当たって、宗教改革以後、
歴史上から抹殺された王たちがいたこと、
その中にツタンカーメンも含まれていたことなど、
思っていたより丁寧に説明があった。


最近はツタンカーメンを、きちんと、トート・アンク・アメン
(アメン神に帰依するもの)と併記するようになって来ている。
昔々の大学時代の西洋史、何故か地中海世界、それもエジプト中心。
この新王朝での宗教改革時期、太陽賛歌などを詳しく習った事を思い出す。
初公開の彫像、彩色木棺、石碑など確かに興味深かった。


様々な展示品を見ていると、心は時空を越えて別世界。
博物館から一歩出ると、土砂降りの現実。
市内を走るバスは遅れ、予定通りに動けず難儀。
観光用のバスは今週一杯連休ダイヤ。
雨だし本数は少ないし、それほど土地勘があるわけでもないし、
参った。ビルの谷間に出ているお弁当屋さんも雨の中大変。
買ってあげたいけれど、食べる時間が(場所も)無いのよ・・・。


仕事で空腹のまま歩き回る現実。
雨に降り込められ寒い中を歩き回る一日。
歴史ロマンと引き換えに。
せめてもと、娘に古代エジプト文様のトランプ。
おそろいのロータス文様のTシャツを色違いで。
かーちゃんは重い荷物を持ちながら歩き回った。
さすがに山岸涼子のイラストファイルは買わなかったけれど、
往年のファンは漫画は勿論、初版本で持っている。
その辺の所は抜かりはないかーちゃんなのだった。

ツタンカーメン 1 (潮漫画文庫)

ツタンカーメン 1 (潮漫画文庫)

イシス (潮漫画文庫)

イシス (潮漫画文庫)