健康ニュースの後で

家族を介護する人間に、自覚症状のない高血圧の人間が多いという。
ああ、自分もそうだ。この数年、検査の度に血圧が高いと出てしまう。
両親も血圧が高いが、遺伝だけではない。
睡眠不足、過労、精神的ストレス、食生活の乱れ。

別に介護のためだけではなく、仕事のせい、それ以外も。
体がばててしまっては何にもならないとわかっていても、
親も子も、家人も、自分も・・・何もかも気になる。
何もかも気にしだしたら収まりが付かない。
なんでも悩みの種になってしまう。

家庭も仕事もという人間が、何を削るかというと睡眠。
自分の時間。一人の時の食事。
結局、不規則のオンパレードだ。
幸い、夜間介護が殆どない現在。
夜だけは自分の時間。
却ってそのせいで、自分のために夜起きる。
むろん眠れぬ事も増えたが。（早朝覚醒だが）
夜中前後の3，4時間のあと、起きている事が殆どだ。

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妊娠中もマタニティスイミングも含め、健康管理。
超高齢出産後、何とかやってきたけれど、
仕事を「楽」に流すことなど出来ないし、
両親も自分も年老いていくばかり。
娘は唯一入院経験を持たず健やかに育っているが、
かーちゃんとーちゃんじじばばは、どこまで持ちこたえられるか。

血圧のニュースを5分間聞いているだけで、
未来のことを思おうと心が翳る。
24時間誰かの看病をし続けていたら仕事は出来ない。
生活費は稼げない。気晴らしも出来ない。
誰かが全く動けなくなってしまったら・・・。

1人で外出できない人がいても、入浴やトイレが自分で出来れば違う。
買い物できない人がいても、代わりがいれば冷蔵庫に食べ物はある。
洗濯機を回したり干すことが出来ても、仕分けできない。
それは些細なこと。無くなったりするのでなければ。
汚れ物が増える。でも、まだ大丈夫。
睡眠時間を削れば、掃除の手を抜けば。

気分転換は、外出は必要。
落ち込まない為にも、投げ出さない為にも、
アウトプットだけではなくてインプットが必要。
家族でいること、家族であること、
どんなに変則的で、普通とは変わっているといわれようと、
うちはうち、よそはよそ。
そう思ってがんばって来たけれど、無理は利かない年齢。

毎日計る血圧に、少しずつ少しずつ上がって行く血圧に、
遺伝だからと諦めずに、もう少し何とかしてみる。
体のあちらこちらのガタを、宥めすかす方法を、
治療とは名ばかりの、「自分を諦める」作業から距離を置き、
何とか歩ける足、運動できるからだ、
若い頃と同じように行かないまでも、もう少し元気に。

5分間血圧のニュースを見て、後から色々思い煩わされる時間の長さ。
それにめげないようにする為に、費やされる様々なこと。
毎日がこんな繰り返し。
人間の生活。
日々の生活、これが毎日の生活。

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