Festina Lente2

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娘よ泳げ

娘の試合が近づいている。なみはやドームまで2週間。
プールで1時間1400mも泳いだよと疲れ顔。
それにしても、個人メドレーってどれくらい?
何もわかっていない、かーちゃん。
選手クラスでもない、普通の練習クラスの娘。
お遊びと言っては叱られるけれど、泳ぐのが本当に好きな娘。
今、こういう形で頑張っているのは、できるだけ応援したい私。


泳ぐことは好きだったが、本格的に習ったことはただの一度も無い。
浜育ちだったのを幸いに、水が怖いと思ったことは無く、
(だからといって侮ったことも無い)海もプールも大好きだ。
但し、幾ら焼いて皮がむけても元気に遊びまわれる年齢ではなく、
直射日光にめっきり弱くなって、別の病気が出やすくなった今では、
海水浴は思い出の中の世界。足裏に熱い砂浜、塩辛い海は思い出の彼方。


せっかく阿南の海で過ごした幼少時。その思い出を娘は持たない。
記憶に残るよりも前に過ごした海、乳母車で散歩した浜辺、
砂遊びにいそしんだ波打ち際、宝探しと称して催し物があった子ども会。
会社の仲間で宴会、海の家。そんな思い出を大切にしている両親に比べ、
せっかくの海の記憶が希薄な娘はプール育ちのカエルっ子となった。


プールにしょっちゅう出かけたのは、室内温水プールが近所にあったから。
それも5年前になった、埼玉草加時代の思い出。
娘が小学生となった今、一緒に泳ぐことも無い。
保育園年中さんから水泳教室に通う娘は、足掛け7年目のプール生活。
かーちゃんのお腹の中にいた頃の、マタニティスイミングと、
生まれてからの3年間、夏だけ通ったベビースイミングを含めると、
結構水に親しんで大きくなった部類。

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中学生の頃、少女マンガの週刊誌に連載されていた『水の子』。
西谷祥子だったかな)その作品がいまだに印象に残っている。
ストーリーの奇妙な展開はともかく、泳ぐシーンに興味津々。
何しろ息継ぎせずに泳ぐことが出来る、
プールの底に潜って魚のように滑らかに泳ぐ女の子が主人公だったから。


私自身も潜るのが得意。
耳がキーンとなるようなプールの底に潜って、
(海の中ではそれは非常に怖いので出来ない)
一定の深さを一人で静かに泳ぐ。水面を底から眺める。
その感覚は、何ともいえない不思議な安らぎだったからだ。


アニメ『海のトリトン』のように、海の中でも空気中と変わらず泳げ戦える、
それはあり得ない、無理だろうということが、もうわかっていた年齢。
それでも水の底に潜るのが大好きだった、あの頃。
娘はかーちゃんの泳げないバタフライが一番好き。
今回も個人メドレーで泳ぐというのだが、
水泳教室の練習を眺めているわけではないので
(かーちゃんは勤務中)どんなふうに泳いでいることやら、想像もできない。


滅多におねだりをすることの無い娘が、「大会があるんだけれど」。
ぎりぎりになるまで肝心な事を言わない。出てもいいよと言っていたのに、
色んな書類があるらしい。早く言ってよ・・・。
申し込んだのが一昨日。締切日当日か前日。やれやれ。


来年6年生になった娘が、こんな事を言うかどうかはわからない。
選手でなくても泳ぎたい、
泳いでみたいと純粋に思うかどうかわからない。
だからこそ、今、泳がせてやりたい。
周囲から、もう5年生なのに、どうして塾に通わせないのと言われる。
けれど、子ども時代は一生に一回。
週に3回も放課後4時間、塾に閉じ込め夕食も一緒に食べられず、
宵っ張り生活を強いるのが親心なのかどうか、納得できない。


娘よ、神童になれなくてもいい。
河童にも、人魚になれなくてもいい。
泳ぎたいと、身体を動かしたいと思っている今。
この今は一瞬、あっという間に通り過ぎてしまう。
この手からすり抜けて行ってしまう。
だから、今、泳ごう。泳ごう。
かーちゃんは、応援している。

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