推理？ 思い込み？

プールにお迎え。昨日泳いだばかりだというのに、
今日はスイミングスクールの、月に一度のテスト日。
19時半、マックで休憩した娘をピックアップして帰ってくると、
ガレージの前をウロウロ散歩しているおじさんの姿。
どう見てもだらしのない格好、こんな人近所にいたっけ？
あれ、薄暗がりの中でよく見ると子犬を散歩させていた。
「ちゃんと犬のトイレの始末袋持っているかしら？」
家の前に粗相されてはかなわないと、思わず呟いてしまった。

ガレージに車を止める間、娘の口から飛び出したせりふ。
･･･あの人は近所の愛人の所にやって来て、犬の散歩を頼まれたに違いない。
本当は犬なんかかわいくないのに、いやいや散歩をしているに決まっている。その証拠に片手には缶コーヒーを持ったまま、片手には火の付いたタバコを持っている。
タバコの灰が犬にかかったら熱いのに、あんな散歩の仕方をする人間が、
本当に犬をかわいがっているはずがない･･･

推理とも思い込みとも取れる娘の言葉に一瞬ドッキリびっくり。
夕方の薄暗闇の中、子犬を散歩させていた彼の、
だらしないけだるい格好には気づいていたけれど、
娘がそんな風に感じて嫌悪感を抱いており、
更に子犬をかわいがっていないということを、煙草と結びつけ、
（私と同様娘も煙草が嫌い）
缶コーヒーと煙草と両方持ちながら犬の散歩、
コーヒーを飲みながら煙草を吸いつつ歩くような男が、
子犬を本当にかわいがりながら、つまりスキンシップしながら、
散歩できているはずがないと憤りを感じている。
その発言にびっくりどっきり。

愛犬と毎日たのしく!! 366日お散歩犬暦

日本の犬・歴史散歩

鋭い乙女の感性に、えっ？と驚かされた次第。
というか、君はこんなことを瞬時に考えているんだね。
一瞬のうちにすれ違った人を、そんな風にとらえていたの？
想像力のなせるわざ？　それとも観察力？　
いやはや、娘の呟きにドキドキドッキリしたかーちゃん。
それとも、君のその言葉はたまたま、何気なく呟いてしまったもの？
それとも最近はそんなふうに物事を見るようになって来ていた？
或いは単に、かーちゃんの言葉に触発されてしまった？

かーちゃんの嫌いな煙草を吸っていたとーちゃん、
倒れても入院しても酒も煙草も一向にやめる気配の無い、
「今更このトシで」と、変化のないじーちゃん。
そんな私の苛立ちがいつの間にか、娘の君に影響を与えていたんだね。
おまけに、我が家の愛犬シロ、
君よりも長くこの家にいたシロを失って半年、
家族全員に空っぽの犬小屋を前に寂しい日々。
早く新しい子犬が来ないかなあと心待ちにしている君、
じーちゃんの代からの「シロ」ではなく、
君自身の子犬を心待ちにしている。
その君は、ぞんざいに子犬を散歩させている人が許せなかったんだね。

ガレージに車を入れて出てくるまでの僅か数分。
君の言葉から色々考えてしまったかーちゃん。
昨日プールで逞しくバタフライを泳ぐ君を見た時も
本当にびっくりしたけれど、まさに今日もびっくり。
一瞬のうちに色んなことを考えている君に、ドキッとさせられた。
どれほど多くのことを瞬時に心の中で処理できるようになっているのだろう。
さぞかし、かーちゃんんとーちゃん、家族以外の人間も、
思春期の乙女の観察眼で品定めするようになってきているだろう。

嬉しくもあり、寂しくもある。
そんな君の成長が。
夕方の日暮れ時、どっきりどきどき、かーちゃん。
そして、布団を蹴飛ばしていないかと見に行けば、
夕べは遅くまで起きていたし、
二日続けて泳いだ疲れがどっと出たのか、
洋服のまま布団の上に倒れている君の姿に、ああ、
似ないでいい所まで似てしまったなと苦笑い。
君をお布団にくるんだ夜。

散歩と留守番の教え方 (カラー版愛犬家のためのしつけシリーズ)

スヌーピーのしあわせはあったかい子犬