Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

娘は「水の子」

今日は娘の水泳の試合、なみはやドームへ。
朝5時半起き(私が起きるのは日常だから平気だが)、
娘のお弁当を作り、6時台に全員家を出て会場に向かう。
はっきり言って・・・大変。
娘は昨日に引き続き電車の中でもこっくりこっくり舟をこぎ、
乗り継ぎで起きて、半覚醒のまま会場へ。
ところが近未来的なデザインのなみはやドームに着いてみれば、
朝もはよから皆さん、お揃いで。


スポーツクラブの各支部ごとに集合して到着する場合が殆ど。
我が家のように不規則な居住形式で行ったり来たり、
みんなとはぐれて集合となると、メンバーを探すのに一苦労。
やっと合流、友達と会えてほっとした顔の娘。
指示を仰ぎ、団体の中の一人として群れの仲に消えていく娘。
見送る私たち。見送る大勢の親たち。


自分たちのあずかり知らぬスポーツの世界では、
子供を応援する家族があって、
コーチを信じて健気に頑張る負けず嫌いたちがいて、
「試合こそが自己表現の場」として動いている世界があるんだなあと実感。
(後日、別のスポーツ関係者から、この親が背景にあることの、
恐ろしさというものに関しても、延々と聞かされたのだけれど)


会場に8時から入れるのは選手のみ。
保護者応援者は9時まで寒い日陰で立ちっぱなし。
ひたすら入場できるのを待つのみ。
見渡せば体育大会・運動会のノリで、じじばばも借り出されている風情。
我が子・我が孫の活躍するとなれば、必死になるのも無理はないか。


三脚は使用不可にもかかわらず、堂々と使っている方、
一家族に一枚しか許されていないはずの写真撮影許可証を、
何故か沢山ぶら下げているご家族。
試合を見るために席取りをして、広い座席に荷物を置いたまま、
どこへ雲隠れしたのか、ずいぶん長い間不在のご家族。
小さいきょうだいを連れて、授乳や食事、オムツ替えもせわしい方も。
ああ、懐かしい景色と思いつつ遠くまで来てしまったなあとしみじみ。

娘の姿をプールサイドに探しながら、いつの間にか大きくなり、
小学生のメンバーの中では背が高い方だと改めて認識。
アップのために泳ぐ姿、飛び込む姿、大勢の子供たちを見ている間に、
だんだん親の気持ちも高ぶってくる。開会式、電光掲示板、
高い天井、なみはや国体の際に作られた大きな室内プール、
生まれて初めて見る飛び込み台(今日は使用されないが)、
何もかもが新鮮な景色、親もドキドキ。


そんなこんなを経験しながら、右も左もわからぬまま、
「子供を応援する親」「娘かわいさにサポーター」と化す私たち。
特別の選手でなくても、期待される新人でも記録保持者でも、
何もなくても出られるのがスポーツクラブの記録大会。
チャレンジできる、舞台を経験できる、
出たい、泳ぎたいと言った娘の願いは叶った。
さて、後は本人が全力を尽くすのみ。


実は選手クラスの大舞台は午前中。
個人メドレー、各泳法ごとの記録、大記録に挑戦するような、
そういう大部隊には関係ない娘は、午前中出番がない。
ということを初めて知ったのも、今日たった今。
パンフレットは一家族に一つ、娘が持っていると私たちは何もわからない。
ということで、別購入。(クラブも儲けますね)


試合中から水泳に関係あるグッズ、関係ないスポーツ用品も、
関係者が並べているのでちょっとしたバーゲンセール状態。
なるほど、子供の出番がない人たちはここで買い物していたのか。
こういう所でもあっさり出遅れるかーちゃん。
え? 娘の出番がない時に何をしていたかって?
平日のほぼ徹夜続きの睡眠不足を補うべく、
場内のお知りが痛くなるような硬い観客席も気にせず、
座ったままひたすら居眠り。


家人は世間様の才能あふれる子供たちの力強い泳ぎに、
ひたすら見入っていたよう。見ればわかる、どの支部が強いか、
強化選手がいるか、指導の賜物が活躍しているか。
そう、これは教える側にとっても晴れの舞台。
自分たちがコーチした、教え育てた選手の活躍が一望。
スポーツクラブを職場とする人々にとってもモチベーション高まる、
気合の入る行事であることは否めない。


子供たちへの対応、親への対応。
てきぱきと試合を、行事を運営していく段取り、仕切りも重要。
秒刻み、分刻みで試合は進む。放送、呼び出し、コース整備、
プール監督、予測される様々な事態に備えて配備されるコーチ陣。
怪我やその他、何が起こるかわからないので、
スポーツ体系の運営は主催者側も、傍で見守る人間も、
単にのんびり観戦というわけはいかない。
おまけに、昼休みはデモンストレーションで
ウォーターボーイズに扮するコーチ陣。


かーちゃんはしばしの仮眠に英気を養い、家人と交代で
飲食物を調達に外に出、その際に辺りを様子見。
みんなと一緒に元気にお弁当を食べる娘の姿に一安心。
午後の活躍を祈りながら、後ろ姿にそっとエールを送る。
派手に応援すればいいのか、みんなと一緒の時に親が声を掛けるのも、
娘の年齢ぐらいになれば恥ずかしいかもしれないと、
遠慮してしまった気弱なかーちゃん。


個人メドレー、得意のバタフライ、どの試合も運良く席のまん前。
いつの間にこんなに背が高くなったのだろう。
広い背中、逞しい方になったのだろう。
人より大きく高い身長は、スポーツをする上では重要。
明らかに「ガタイのいい」のがわかった。
後は、技術力。がんばれ娘よ、水の子になって泳げ。
たとえ、選手クラスではなくても、君の大舞台、本番。
とーちゃんかーちゃんは、ここで応援しているよ!


電光掲示板に掲示される記録。
あっという間に、次の試合のために消えてしまう。
ほんの僅かの差で順位がどんどん決まっていく。
何とかデジカメに収めた。ああ、残念。
娘は自己ベストを出したものの入賞できなかった。
それでも本番で自己ベストが出せたこと自体、偉い。
とーちゃんかーちゃんは誇りに思うよ。
ベビースイミング、保育園から続けてきて今、
指導して下さったコーチの方々、ありがとう。


幸い娘の所属する支部は、リレーメドレーで優勝。
総合得点は2位と盛り上がった。
いい経験になったね。楽しかったね。
親は何もできずただ見ているだけで疲れてしまったけれど、
今日は来て良かった。


夕方の日差しを浴びて、ひとまずプールからまだ近い家人宅へ。
早めの晩御飯は外食、かーちゃんは、書類仕事に戻った。
タフな君は休憩後、勉強している。
とーちゃんはかなり遅めの昼寝。


お陰でかーちゃんはほぼ居眠り運転。
やばい怖い高速道路。
スリリングで眠い眠い真夜中の帰宅となった。
いやいや、大変な一日。それでもいい一日。
なみはやドームの一日。
娘よ、よく頑張った。ゆっくりお休み。
みんな、おやすみなさい。

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