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僕らの夏休み

「僕らの夏休み―end&start」見る。サマーバケーション。泣けた。
演劇カンパニー未来計画TOP公演 


中年作家が盲腸の退院時に病の少女から貰ったオルゴール。
少女から伝言を預かった大学生。
演劇部の合宿と称して夏休みを過ごす学生たち。
そこへ迷い込んできた、件の中年作家。
なんとも不思議な組み合わせで始まった夏の2週間、
そこで繰り広げられた物語は・・・。


ふと現れては黙って去っていく、少女はいったい。
能天気に楽しそうに見えても、それぞれ悩みを抱えている若者たち。
兄と妹、恋人同士たち、友情と愛情、未来への夢、隠した思い、
恋に恋して、告白してみたものの・・・ごめんね。
少女漫画もどきの展開と思いきや、最後のどんでん返しに驚く。
そして、限りなく切なく、生きていることが愛おしくなる。


みんなうまくなったなあ。
というか、夏休みテーマはこれが3作目だそう。
残念ながらみんなの旗揚げ公演の頃を知らない、
10作目の頃、以前の作品が見てみたい。
でも、舞台はその場限り。役者も成長すれば歳も取る。
一期一会の舞台だからこそほとばしるエネルギー、
何とも言えず醸し出される舞台という魔物の雰囲気。
病み付きになる、この雰囲気に呑まれたものは病み付きになる。
それがプロだろうがアマチュアだろうが、舞台の魅力を知った限りは、
役者の演じる様々な人生に魅せられてしまったからには。


粗筋をここに書き出すのも野暮だし、演じられたストーリー通りに
語りつくすことも難しい。
けれども、一緒に行った家人も初めてこの劇団の真価を認めてくれたし、
私も娘もそのラストは涙に暮れた。
公演日の最後の舞台を見られて、いい結婚記念日(12周年)になった。
随所随所に心に響く台詞は多々あれど、
生きていれば夢に向かって頑張れる、今を大切に、
仲間を大切に生きていたいというメッセージは、どうにかすると、
気力体力を無駄に消耗しがちな私にとって貴重だった。


「青は藍より出でて藍より青し」舞台で活躍するみんなを見ながら、
来し方を振り返る。若かった、みんなもっともっと若かった頃、
私には私しかいない、そんな孤独の中で仕事を三昧の頃、
いつの間にか後から走ってきた若者たちは、どんどん私を追い抜く。
抜かれていく寂しさと同時に、嬉しさを隠し切れない、
因果な職業だなと思いつつ微笑んでしまう。


劇団のHPより転載。
私の幾千万言よりも、座長、素晴らしき演出家、
そして脚本家からのメッセージを。


「SUMMER VACATION」は、TOP公演では3度目のタイトルになります。


旗揚げ公演時の初心に戻って取り組むぞ!という思いで挑んだ2度目。
そして、更に新しいステップを踏み出すための、
自分たちへの挑戦となる3度目の今回。
同タイトルですが、毎回書き直しています。
ですので、前回までの「SUMMER VACATION」
(以下「サマバケ」)をご覧頂いているお客様にも、
どれどれ、前回の「サマバケ」に比べて、どれだけ成長したか見てやろうと思い、
是非お越しくださいませ。(笑)
もちろん、初めて「サマバケ」をご覧になる方は、楽しみにして来て下さい。
「サマバケ」には、TOPの会社精神(笑)がわかりやすく入っています。


がっつり笑って、ほっこりホロリ。明日の活力!
そんな前向きな気持ちになれる芝居がしたい、という旗揚げ当初からの思いが入っています。


同タイトルを3回やる。
大変危険な行為です。(笑)
しかし、3度目でも、胸を張って舞台の上に出してやる!
そこには、書き直しても書き直しても変わらない、テーマがあるからです。


「大人になっても、夢を持って生きよう。(大きくても小さくても◎♪)
毎日が財産。生きていれば、なんでもできる。」


テーマは、今でも大丈夫。
でも、時事ネタや、プロセスは書き直さないと使えない。
7年前の2回目の「サマバケ」から、自分自身の感覚・考え方・センス、
あらゆるものが変わっていて、認めることができないから。


「永遠」というものは、ない、と思う。
地球が回り続けている以上、物理的に時が止まるというのは不可能で、
イコール、気持ちや考えも、そこに留まり続けるのは難しい。
良くも悪くも、一刻一刻と変化していく。
「永遠」が憧れになるのは、それが永遠に不可能なことだから。
素晴らしい瞬間や気持ち・その状況を「永遠」のものにしようと
前向きに努力することは素晴らしいと思う。
でも、変化することも悪いことじゃない。
「永遠」は無理なんだから、自分は止まっても世界は動くんだから、
だから、状況に合わせていく柔軟さは素晴らしいことだ。
それでいて、自分の中に「永遠」を忘れないでおく。
そんなことができれば、最高だなあ。


そんなわけで、7年前の台本は、今のTOPには合わない。
当然、書き直しです。
でも、ほとんど変わらなかったオープニングとエンディングに、
私の中の小さな「永遠」があるのかもしれない。
だから、変える必要がなかったんだと思っています。
中盤のプロセスは、逆に今の自分でないと書けないもの。
本番でカタチになるのが、楽しみです。


今回「〜end&start〜」というサブタイトルを後ろにつけました。
これは、実はちょっとした覚悟です。
作・演出として、「サマバケ」はこれで最後だ。
と考えています。
初心に帰るのはend 。
そんなことしなくても、「サマバケ」に頼らなくても歩み続けられるように、
もっと向上心アゲアゲに楽しくやっていこう!という
新しい start 、 新しい道を歩んでいくための覚悟。
覚悟って言うとオーバーだけど、そんなつもりでつけました。
もちろん、内容的にも「〜end&start〜」というサブタイトルに繋がってはいますよ!
ただ、そちらに関しては、当日劇場で感じてください。
まあ、そんなこと言ってても、地球は回ってますから、自分の気持ちは変化するから、
30回目公演でやっぱり「サマバケ」とか言うかもしれませんが・・・。(苦笑)


「SUMMER VACATION〜end&start〜」 どうぞ、お楽しみに!


                 演劇カンパニー未来計画TOP 辻田鯉絵