Festina Lente2

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歯・破折パニック

思い出したように不安になる。歯は痛まないが、
本当にこのままでいいのだろうかと不安になる。
十分根幹部の消毒が行われていないまま、針が取れずにこのまま。
夢に出てくるのは、思いがけないときに痛くなり、
歯を抜かなければならないという結末。


治療に通うようになってから、随分経つ。
そもそも割れた歯の適切な治療が為されず、
結局健康な歯を削ってブリッジにしなければならなかったこと。
その途中で別の歯が破折したこと。
左右の歯のバランスが狂ったせいなのか、
小魚を噛んだだけで割れた左下、残すことは叶わないと、
抜けばドライソケットとなり、一本入れ歯になり。


歯槽膿漏でも何でもない、歯が割れるのは世間では良くあると言われても、
歯にひびが入ってしまったら、いずれ割れることは言われても、
そもそもは昔の治療が削らなくてもいい部分まで深く削り、
今の治療ならば取らなくても済む神経をどんどん取っていたから。
何でもかんでも被せたりする乱暴な治療だったから。


小さな虫歯が見つかっただけで、被せるほど削る。
詰め物では済まない。神経を取るために長い間通う。
今から思えば小学生の頃の矯正、中学高校時代の治療、
その後の差し歯治療は不毛だったような気がする。
今は、虫歯の進行が止まるかどうか薬を塗って様子を見るし、
むやみに神経なんて取らない。


人間の体の中で神経をあっさり取るのは歯だけだ。
けれども、歯の神経を抜いてしまうと、歯に栄養は回らない。
歯はミイラのようになり、枯れ木のように朽ち果てていく。
だから割れやすく、割れないように大きく削り被せる。
詰め物だとそれが楔のように歯を割れやすくするから。
そもそも、神経を取るような状態が、歯の寿命を縮める。

歯と歯ぐきを守る新常識 (サイエンス・アイ新書)

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むし歯ってみがけばとまるんだヨ 削って詰めるなんてもったいない!

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家人にも周囲にも、上手く今の状態が説明できない。
主治医に治療の難しい歯だから、根の先が曲がっているから、
針(ファイル)に負担がかかり折れてしまった、
そんな風に言われると、もう、どうしていいかわからない。
自分の歯が悪かったから治療が上手くいかないのだと言われても、
この先、保存的な治療で予後が悪ければ、抜くしかないと
・・・歯を抜かれる悪夢、歯を失う悪夢、そればかりが頭の中になる。


そんなに難しい歯なら、なぜ最初から顕微鏡のある部屋で、
中を覗きながら治療すればよかったのでは?
針が折れるという可能性など知らなかったので、
針が入ってしまった歯をどのように治療するのかネットで調べると、
余り楽しい記事は載っていない。要は、折れると取るのは難しい。
その事実だけが突きつけられてくる。


いつの時点で折れたのか、いつから治療は進んでいないのか、
ちっともわからず、前回から今回までの2週間、
痛みが出なかったからなにも知らなかったけれど、
出ればそれでおしまいの歯を、いったい私はどうしろと?
個人の免疫力、健康だけが頼りと言われて、
それが最も当てにならない、健康に自信のない人間は、
なだめすかして毎日をつつがなく過ごす更年期、
日に日に体調の変化がきつく、アンチエイジングが空響きの虚しさ、
そんな人間に、ますます歯を失う恐怖だけが募る説明。


疑問点、いつからこうなった? なぜ、こうなった?
どうしてもっと早く言ってくれなかった?
説明時期が早かろうが、その後の治療方針は変わらないのかもしれない、
しかし、根幹治療が長引けば、感染率は高くなる。
今は昔のように時間を掛けず、短期で終わらせるはずではないのか?
これから先の治療計画、治療方針が見えないまま、わからないまま、
不安だけが募り、次回の予約日までどうすればいいのか。


電話を掛けても主治医はいない。来院日が限られている。
代わりに出てくださった医師に、とりあえず、一昨日以来、
わからないこと、不安なことがあるので、
今後の治療方針、治療計画について書類にして欲しい旨を頼む。
先が見えない。自分の歯の未来が見えない。
わからないので不安だし、何をされるのか、どうされるのか、
全くわからないので、不安が募る。


運がよければ取れる、痛まなければ長持ちする、
免疫力さえあれば越したことはない、それは、
何もかも責任は私自身にあると、暗に責められているような、
責任転嫁されているような気分になるから。
私はまだまだ仕事を続けたいし、歯を失いたくない。
親の遺伝だと子供の時に滅多やたらに削られた歯を、
大事に大事に使ってきても、見えない部分の根っこが、
折れて曲がっているから、根幹治療が難しい。


一人目の医師が遣り残した昔の治療が、今に続き・・・
今回の治療では、針が折れ・・・。
私の心の中では、医師に見捨てられた歯がどんどん悪くなっていく、
そんな妄想が渦巻いて不安になる。
この3年間で2本折れた歯は失われた。
次は、今の歯?
その不安だけが、歯が折れる以前に、追加された負荷で?
その不安だけが募っていく。

心と体の不調は「歯」が原因だった! (PHP新書)

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