Festina Lente2

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願わくは諸願成就

残念ながら昨年からお飾りを作らなくなった。
実家の両親も幼い孫のために、
裏庭から笹を取ってくるということもなくなった。
まあ、仕方あるまい。もう娘は大きくなったしまったから。
それでも職場や病院、娘の通う水泳教室にも
笹飾りに願い事をというコーナーが必ずある。
誰しも心の中の願い事を秘めたままにしておくのは苦しく、
おおっぴらに言語化できる機会というのは必要なのかもしれない。


仕事で帰宅が遅いので、せめてその償いの意味も兼ねて、
近所の菓子店に七夕ケーキを求めに行く。ささやかな贅沢。
甘味を取って夜なべ仕事、持ち帰り残業へのカロリー補給。
仕事が遅いというよりも、欲張ってあれもこれもの週末の付け。
それにしても、年齢に応じて仕事の絶対量が増えている気がしてならぬ。
以前なら、年齢相応の判断力に基づき、
処理速度が上がったと素直に思っていたかも知れぬ。
いっとき減ったように思っていたものが、圧倒的に増えている。

望みは何と訊かれたら (新潮文庫)

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陰暦暮らし

陰暦暮らし



自分の仕事のやり方が悪いのか、
緻密過ぎるはずもない大雑把な性格で物事に対処しているはずなのに、
こだわり過ぎているのか、針小棒大的な仕事をしているのか、
何とも情けない段取り。優先順位が明らかにおかしい。


老眼鏡をあちこちに忘れてくるのも、
予定をツメツメにしてしまうのも、
仕事から無意識に逃避ということは重々わかってのことなのだが。
そう、無意識のうちに言い訳の種を用意しながら生きていく、
そんな感じがしてならない自分の毎日。
言い訳なんかしていたら、また一年逢えなくなる織姫と彦星。


どんなに仕事が忙しくても、どんなに心が荒れていても、
何は無くとも優先順位、こればかりは間違えてくれるな、
自分の心に正直に? 自分の体力と健康に応じて・・・。
年々意識されるやれること、できる範囲、
頭の中が戦力外通知を受け取ったような、死に体になっていないか、
びくびくしながらカササギの橋の上を渡る気分で、
天の川の向こうへジャンプ! するみたいに、
世界が一気に開けないか・・・。


ああ、今年の七夕が終わる。
娘よ、家の中では笹飾りを飾る気力を失くしたかーちゃん。
余力も、余裕も、だから、娘よ。
君は昔ながらの織姫なんぞになってはならぬ。
いつ如何なる時も、逢いたい時に逢おうとする、
ネット時代の姫は躊躇もためらいも無く、
ここぞという時、目指す目標に突き進んでいかなくては・・・。


昨日、水泳教室の飾りに願いことを書く君は、去年と同じ。
「願い事が叶いますように」という願い事を書いている。
姑息な欲張りにならないで、自力で天の川をジャンプする、
その実力を蓄えて欲しいものだが。などと、
とりとめなく思い悩むうちに、今年の七夕が終わる。
今年も残すところ半年を切った。
かーちゃんも心の中で「ささやかに」欲張ろう。
願わくば、諸願成就。家内安全。病気平癒。