美味しい到来もの

不思議なことに、到来ものというものは重なる。
西瓜を丸ごと貰った実家ではとうとう食べきれず、
殆ど捨てることになってしまったようだ。勿体無い。
大きな西瓜は見事だが大人数の家族では嬉しい貰い物でも、
老人２人では持て余してしまうだろう。
こういう時、小玉の西瓜はけち臭いのではなく、
経済的なのであって、決して貧乏くさくは無い。

到来もの、手土産、別にお振る舞いするつもりはなくても、
日よけの朝顔の代わりに植えたゴーヤーは沢山取れる。
家族だけでは食べきれない。だから職場でお裾分け。
すると、お返しにといただいたのは巨大なソフトボール？
と思しきお菓子。何と遠路遥々ドイツからやって来た。

何でも友人と２人でドイツ旅行で通ったロマンチック街道、
お約束のローテンブルクに何と一泊。羨ましいなあ。
その町の有名なお菓子だとか。旅行してきた本人は、
名前を忘れて来てしまったそう。
調べてみるとシュネーバルというらしい。
うーん、私は２度か３度行った筈だけれど、いつも滞在２時間余り。
お菓子屋さんの店先にぶんぶんミツバチが飛んでいるのを、
おっかなびっくり眺めた記憶はあるが、
この雪玉のようなお菓子は知らなかったなあ･･･。

私、藁しべ長者、ゴーヤー差し上げてドイツのお菓子を
「娘さんと食べてね」と丸々１個頂いてしまった。
部屋へ行くとデスクの上に紙包み。？　中身は焼き菓子らしい。
これは小さくなった娘の服を幾つも取っておけないので、
同僚の娘さんにお下がりに差し上げたもののお返し。
･･･こういう時って重なるのね、ダイエットの敵を頂いてしまった。
私、藁しべ長者。期せずして美味しいお菓子を一度に頂いて。

　　

この夏、頂いた様々な到来もの。自分では買わない、
もしくはこの辺では手に入らない美味しいもの、
評判のヨーグルト、山形のミルクケーキ、
紅玉の果汁100％ジュース。沖縄の豆腐プリン。
そういえば、ゴーヤーのお返しに先月はおかきも頂いたっけ。
却って気を遣って頂いて、申し訳ない。

お盆･帰省のお土産、そういうものが溢れている8月後半。
職場の冷蔵庫には中国土産の微妙な味のお菓子や、
東京土産の黒い卵、暑いからと何故かコーラなど、
本当にダイエットの大敵ばかりが所狭しと並び、
仕事の合間どころか、仕事中も誘いを掛けてくる始末。

駄目じゃん、痩せる訳無い。
歯の治療が進んでも、私が筋トレに励んでも、
誘惑が多すぎる。それに、自分で料理すればどんどん作っちゃうし、
気晴らしに食べたり飲んだりは、最も簡便な方法。
10時と3時の虫やしないどころか、
間食は完全に余分三きょうだいを甘やかしている。
そんな私の今日のおやつは何にしよう。

そんな私の読書は『おもたせ暦』だったりする。
ますます、酷暑の続く今年の夏を、
気力よりも盛んな食欲だけが突っ走る、葉月もあとわずか。
少しは夏痩せしてみろよといってみたくなる、自分に。

おもたせ暦 (新潮文庫)

おいしい日常 (新潮文庫)