Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

蚕蛾の羽化

昨夜星空コンサートから帰宅すると、
1週間前のサイエンスフェスタで頂いた蚕が蛾になっていた。
娘の貰った繭は、中の蛹を出してみてごらんということで、
自分で端っこを切って、蚕の茶色い蛹を見せて貰ったもの。
そのまま持って帰ってきて丁度1週間。


飛ぶことのできない、かわいい白い羽の大きな瞳。
ああ、蛾がこんなにかわいい顔をしているなんて。
付け睫毛のように太い触覚、
天鵞絨 (びろうど)のような体の表面。

  


中には繭の糸を絹糸として自分の指で紡いでみた、
娘の作品の「絹糸」が一緒に入っている。
本来は繭から直接出てくるはずだけれど、
観察のため蛹で転がっていた1週間。


蚕が繭になったのは幾つも見てきたけれど、
こんな風に間近に蚕蛾を見たのは、いつ以来だろう。
小学校以来であることは確か。
蛹になるとその辺に放り出しておいても大丈夫、
なんてどこかで聞いていたけれど、台所の食卓に載せて、
毎日眺めていたのに、残念。
私たちが留守の間に独りで羽化していたなんて。

  


蚕は羽化する際に、おしっこをするらしい。
下に敷いておいた紙が茶色になっていた。
でも、成虫、蛾になってからは食べ物は摂らない筈。
番う相手もいないのに、我が家で羽化してしまった君を、
外に出してしまえば、1日も生きていられない猛暑の中、
せめてその日まで、このまま食卓の上で一緒にいよう。

  


でも、ああ、本当にこんなに蚕蛾がかわいいなんて。
繭から生まれいでしものよ
自然は何と着実に生を紡いでいるのか。
丸々とした目でこちらを見る君に、
私も娘もうっとり見とれる。