Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

菊花の契りは果たせぬ足

睡眠はきちんと取れているか。
いや、いい加減あちらこちらに倒れて寝ている。
自分のベッドで寝ないのは、寝られないのではなく、
TVやパソコンのある部屋で転寝してしまうから。
それでも特に気にせずに朝を迎え、そのまま昼になり、
夕方になり、夜になる。全く何の支障も無い。
特に強い眠気が来るわけでもなく、起きていられる。
何しろ、以前に比べて睡眠時間が長い。
5,6時間は寝ている。


なのに、足元がふらつく。めまい? 足首の問題?
足底筋膜炎の調子がこの頃良くない。
特に、せっかくインソールを入れて元気よく歩けていたのに、
仕事のせい? 何のせい?、
そういえばこの1週間、全然運動していない。
スポーツの秋だというのに、自分に課した週に3度、
無理なら2度の筋トレが・・・せっかく付いた(はずの)
なけなしの筋肉が駄目になってしまう。
9月に入ってスポーツクラブに全然行けてない。


もとより昼間から行けるはずが無いので、格安の夜会員。
平日の夜8時から11時まで、3時間だけなので格安。
倍額出せばフルタイム、いつでも行けるというのに。
でも、1日30時間あれば運動するか、私?
・・・寝るような気がする。
いや、映画のDVD付けになるかも。


とにかく運動不足だからか、足の調子が良くない。
足底部の痛みが増してくると、足指の付き方もおかしくなるのか、
歩く度に爪が食い込んでくる感じが強くなる。
そして、気が付くと、左に体が傾いて前のめりになっている。
腹筋背筋が全然働いていないのに気付く。いかん、いかん、いかん。
全ての筋肉は繋がっていると、整骨院やソフトカイロの先生によく言われる。
本当にそんな感じで、痛む左の足の裏に体の全てが引っ張られて歪んで行く。


足裏に聞く部分麻酔、そういうものがあれば、靴下にして履いていたい。
常時痛みを防ぐために、そうすれば脳に届く信号も麻痺して、
痛みを忘れて生活できるのでは。
歩き方がおかしくなり、ほかの筋肉も引き攣れて、負の連鎖反応。
いかん、いかん、いかん。
体の筋肉を意識すると、産後すっかり運動をやめた体が、
どれだけ筋力を失ってしまったか良くわかる。


ポワロの灰色の脳細胞ではないけれど、体の筋肉も同じ、
負荷をかけて使わなければ、衰えていくばかり。
しかし、脳細胞を働かせるために殺人事件の謎解きは必要ない。
同じように、怪我をしてから運動・リハビリでは何にもならない。
心に目覚めよと呼びかけても、体に目覚めよとは呼びかけない。
物理的に起きているから。
でも、本当の意味で体が目覚めていないのでは、
体の痛みが心の痛みになっても仕方が無いのか、
気付いたときには手に負えない。


歩いても歩いても平気だった若い頃、それでも、無理して、
準備不足で上った立山雷鳥を見るよりも足を痛めるほうが先だった。
あれは20代の終わりごろだったか。
要は若くても運動して鍛えていなければ、
駑馬(どば)にも劣るというわけで・・・。


あれは雨月物語。菊花の契りを全うするために
千里を駆けた魂には、足が無かった。
心は千里を飛んで翔けるので足は要らない。
だから化けて出てきても足が無い。
・・・千里を翔けても足は痛まない。

夢の碑 (1) (PFビッグコミックス)

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青頭巾 (小学館文庫―夢の碑)

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生身の私には菊花の契りを結ぶ相手も居らぬ。
生身の痛む足しか持ち合わせていない。
心の自由、精神の自由は、日に日に弱り、
現世の痛みに引き戻されて、ちっぽけな気鬱の塊。
そこかしこと気ままに翔け行くことはままならぬ。
ちちんぷいぷいの呪文を節をつけて口ずさみながら、
膏薬の如く足の裏に貼り付けてしまいたい。


そう、今日は9月9日。菊の節句
着せ綿をして露を含ませて、縁起物の綿を患部に当てる、
菊を浮かべお神酒を頂く。そして長寿を願う。
私も祈念したい。体の調子、物忘れ、体力・筋力、
失われた健康を、時間は巻き戻せなくても取り戻せるなら・・・。
菊花に、痛みを吸い取ってもらえるなら・・・。


そんなことを考えた長月九日の夜。
まだまだ菊の花どころではない暑い夜。

菊とポケモン―グローバル化する日本の文化力

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菊と刀 (光文社古典新訳文庫)

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