Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

2010中秋明月祭

―関西地域の市民との交流を通じ、日中友好の輪を広げ、中国伝統文化への理解を深めると同時に、関西経済の振興と活性化を図ることを目的とした中秋明月祭―

関西と中国の「和=輪」をつなぐ!!


去年は休日出勤のために見ること叶わなかった中秋明月祭。
今年は家族3人で参加。タイフェスティバルが大阪の中央から移動し、
おいしい珍しい食べもの、催しに出会える機会が減った今年。
難波宮跡(なにわのみやあと)で日中友好も兼ねて、
そして関西に住む中国系の人々の交流の場として、
国際的な催しとなっている、中秋明月祭。
(バックに見えているのは歴史博物館とNHK大阪

 


白く清潔なテントを張った下に、小さなブースが点在。
昨年の様子を知る家人と娘は、その違いに戸惑っているようだが、
私は初めてなので、とにかく嬉しくてたまらない。
身近な海外、まずは食べ物から!

 

 


無料の鍼治療、ワンタン、香辛料と共にウーロン茶で煮た卵、
雲の巣を張り巡らしたような、大理石のような模様が付いていた。

 

 


気前よく甕から振舞われる紹興酒、高級なプアール茶、
韮饅頭や月餅、手打ちの麺、刀削麺、饅頭類や小龍包、
普段口にすることの無い黒いニンニク。

 

 

 


スイカズラやその他ハーブの入った清涼飲料水、
今回は食べなかったが羊の串焼き、シュウマイの類。
中国のご馳走のほんの一部だが、私たちには楽しく美味しかった。

 

 


今回はいわゆるメイドインチャイナを支えている雑貨類を
一手に引き受けている義烏市の商品ブースが並んでいた。
勉強になったのだが、義烏市は日用品の卸売市場が多く立地し、
世界的な日用品取引の中心地として有名な町ということだ。
私が知る所では金華ハムのイメージが微かにあるだけ。
しかし、日本人がお世話になっている100円ショップの品物は、
殆どここを通過してやってくるとのこと。

 


特に感動したのは、非常に上等のプアール茶を初めて飲んだこと。
簡単なティーセレモニーの形で振舞って頂いたこと。
緑茶、中国茶、細工をした花茶、様々なお茶があるけれど、
何故かウーロン茶に比べて知名度が低いようなプアール茶。
もちろん我が家にあるのも頂き物だが、日常的に飲むわけではない。
高級なそれは、色も透明度の高い茶色で、苦味も無くあっさりしている。
ミルクやジュースなどと混ぜて飲むこともあるらしい。

 



ちなみに家族の中で中国に旅行したことがあるのは、私だけ。
それも、20年以上前。おまけに南部のみ。
いわゆる1週間以内で旅行できる範囲。
当時、日本ではCMで桂林の景色が放映されて人気だった。
香港、広州、桂林、昆明
食と景色と秘境、そんなイメージが人気だった。
香港は押しも押されぬ観光地だったし、広州は中国への入り口、
香港から陸路で移動。桂林の空から見るカルスト地形、
墨絵を思わせるタワーカルストの壮大な景色を見ながらの川下り。
あの、金木犀の香りのするお茶。

 


少数民族の衣装や佇まいが日本の田舎を思わたる昆明
植物の種類は分類されていないと説明された、豊かな自然。
今はどんな風に開発、観光化されていることだろう。
今回雲南省からの歌舞団が様々な歌や踊りを披露してくれたが、
当時見たものとは異なり力強いもの、どちらかというと、
アメリカやアフリカのネィティブな民族舞踊を連想させるものが多かった。
ある意味、脚色が強すぎるのか。オリジナルの民族舞踊より、
エキゾチックに仕上げているのではないかとさえ思えた。


舞台から外れた所で、手持ちの楽器を演奏しながら歌い踊る人々。
政策の意図を反映した舞踊団の踊りとは異なる庶民的な寛ぎ。
モンゴルのパオでミーハー気分(古い言い方)に浸って、
ちょっと衣装を着けてみた家族全員。
チンギスハンと共に、ハイチーズ。

 


家族で寛ぎながら、四半世紀前の中国旅行を思い出さずにはいられない。
観光というには、少々お粗末な点から点への移動に等しかったが、
それでもいつ出るかわからない飛行機を待ちつつ、
「不明」の掲示板の空港で過ごした経験。
飛行機に乗るたびに、こどものおもちゃとしか言いようの無い手提げ、
飴やキーホルダー、販促グッズのようなものおまけの品々が配られる機内。
あの時代の中国は外国からの集客に、物が溢れていることを誇示するように、
色んなサービス品を配っていたが、現実はひどかった。驚いた。

生理用品や汚物の始末をしないままのトイレ、衛生状況が?
これがホテル? 物はしょっちゅう無くなったツアー。
メニューが全部出ないのうちに、営業時間終了と明かりが消え
片づけが始まるレストラン。国営のお役所仕事の恐ろしさ。
そんなことは「今は昔」で遠く消え去ってしまったことなのか。
かつての中国のイメージが一新されているのか、共産主義を捨てた大国。
それとも、無理やり一掃しようと躍起になっているのか。


今、余りの変化の急激さとあの貧富の差、あのオリンピック。
そして万博。更に国際法に触れるような極端な姿勢。
都合の悪い部分を押し隠して強引に物事を進める姿勢に、
ノストラダムスの「眠れる獅子」の傲慢さと脅威を思い出すのは、
あの流行った占いの書を読んだ世代の私たちだけ?


ちょっときな臭い話題が気になりつつも、目の前の明月祭は穏やか。
国と国とは揉めるかもしれないが、この明月祭に人が集うように、
お互いの「和」を大切に出来ればいい。
美味しいものを食べることが、人の心を和ませるように、
家の中でも、国の内外でも。
ふわふわと揺れる赤い提灯を見ながら、炎天下の日曜日。
来年も、中秋明月祭は行えるだろうかと不穏な状況を憂えつつ。
自分の心の中の熾き火を宥めている、私。

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