Festina Lente2

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政治音痴の私でも

母が昔、北の海で取れる美味しいものを教えてくれた。
そういう勉強が「地理」だということを知らなかったころの昔。
まだまだ幼い子供の頃。
「にしんさけますたらかにこんぶ」「鰊鮭鱒鱈蟹昆布」
漢字がわからず、ましてやどんな特産物かもわからない幼い頃。
これだけ覚えていればいいからねと言った母は、何を思って娘に教えたのか。


小学校から中学校。
たまたま小学5年6年の担任と、中学1年の担任が先輩後輩の関係。
どちらも地理を専攻していた関係で、社会の授業は熱が入っていた。
お陰で社会全般は得意になったが、公民や政経にはやや疎く、
文学少女のおつむは単純に白地図を色鉛筆で塗り潰しながら、
日本や世界を旅する楽しさに浸っているばかり。
その向こうに、まがまがしい呪文のように広がる、
「くなしりえとろふはぼまいしこたん」「国後択捉歯舞色丹」があることを、
うすらぼんやりと記憶に留めるばかり。


丁度、沖縄がアメリカから返還されて国土が増えた年だった。
今度は北方領土だというような話を、聞いたような気がする。
日本の政治はこのところ泥舟だ。
アニメや実写版では宇宙戦艦大和が飛んだとしても、
日本の政治を救う「何か」は、全く見えてこない。
ましてや政治音痴で素人の私には・・・。


それでも、露西亜が居丈高に自分たちを戦勝国と称して、
世界の基準とずれた部分で宣戦布告し、勝手に島民を追い出し、
占領地として不当占拠した事実をないがしろにするため、
「庇を貸して母屋を取られる状態」(実際はそれよりひどい)で、
既成事実を作ろうとしているのは一目瞭然。


国内での占拠の為の人気取りだけに、前任者が敢えてしなかったことを、
北方領土を訪れて住民を鼓舞し、開発に力を入れ、
インフラ整備を確約し、完全居座り既得権を誇示する、
このいけずうずうしさには恐れ入った。
世界史の時間に不凍港を渇望するロシアの南下政策の、
おどろおどろしい執念について語った教師の気持ちが、
今また改めて蘇ってくる。


そして、慌てふためきながら何の策も持たない政府に、
私たちの生活は牛耳られているのだと、改めて実感。
このどうしようもない不幸せな感覚。
平和ボケしながら、断崖絶壁に追いやられ、気が付いた時には、
立って半畳寝て一畳だから、土地なんていらないでしょ、
お金なんて、資産なんて、教育なんて、環境なんて、
何もかもいらないでしょと、捨て置かれる未来が見えてくる。

多極化世界の日本外交戦略 (朝日新書)

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民主党の医療政策は私たちのいのちを守れるか?―「事業仕分け」に見る民主党の医療政策!

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博士漂流時代  「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

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働いても目減りする給料、削られる休暇、窓際族を増やして、
一部に負担を押し付け辞めるように圧力を掛けて、
無駄を省くという名目で人員整理し、
皺寄せの来た仕事にアップアップして、心身ともに追い詰められた人間を、
不適格者、役に立たない、退職勧告と放り出して、
福祉と教育を切り詰め、役に立たない住宅や街を開発して、
未来に残す自然も、国家百年の系を支える頭脳も、
育て守ろうとしない政治家ばかりが魑魅魍魎と跋扈する。


政治音痴の私でも、露西亜に虚仮にされているのはわかる。
仕事馬鹿の私でも、不当な労働を強いられ搾取され、
更に鞭打たれていることぐらいわかっている。
何かおかしい、どこかおかしい、狂っている世の中の中で、
一番狂っている国の中心。


船頭多くして船山に登る。
不毛な派閥争い、私服を肥やし身内を雇い入れる横暴、
自主努力という名のもとに放任主義の無責任。
政治音痴の私でも、子供が虐待を受けているように、
国民がネグレクトされ、馬鹿にされ、見捨てられているのがわかる。
国の未来が切り売りされ、ジリ貧になって行くのが見える。
もと文学少女の私でさえも。

ロシアの論理―復活した大国は何を目指すか (中公新書)

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