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日本人の食卓

仕事中は汗をかくくらいだったのに、木造の家に帰って来たら
寒いのなんのって・・・。寒波が来ているそう。
明日の朝は10度以下・・・うううう。


ひしひし寒くなってきた。
昨夜、「日本人の食卓」って番組見ていても、寒くなった。
みんな、家族なのに一体どんな食事をしているのよ・・・ていう。
親が、朝はコーヒーしか飲まないからって、
育ち盛りの乳幼児のためにご飯を作らない。
ベビーボーロ12粒とか与えて、それ食事って言う?


台所の机の上に、適当に食べられそうなものを置いておいて、
各人が好き勝手な時間にバラバラに食べる、
人間の食事というよりは家畜に餌を与えるような、
そんな食事をしている家もある。
好きにできて、自由にできていいというけれど、
家族の団欒という言葉はどこへ消えてしまったのか。


個食という言葉ができた時、1人暮らしの独身者の食事、
そんなイメージが強かったけれど、実際は違った。
塾通いや昼夜逆転、親や家族と共に食べない子供たちの食生活。
これでは食事のマナーも何もあったもんじゃない。
食べる順番、箸の付け方、上げ下ろし、噛み方、飲み込み方、
口に一杯頬張らない、ひじを付かない、話しながら食べない、
1杯目の最初からお茶漬けにしない、
食事中はやたらがぶがぶ水やお茶を飲まない。


きっと食事の時の箸やお茶碗、味噌汁茶碗の並べ方も知らず、
適当に置いている家もあるかもしれない。
お惣菜やさんで買ってきたものを、そのまま出している家も多いそう。
お皿が汚れなくていいから楽なんだとか。
この発想で、作ったものをフライパンや鍋ごと並べる家も。
居汚いとはこのことだろう。


更に調査の結果驚くべきことが。
今の中年女性は、子供時代に料理を習っていない。
料理学校に通わなかったとかいう話ではない。
親に料理の基礎を習わなかったという。
働く女性のハシリだった今の70代女性は、
仕事に追われてインスタントや半調理製品を愛用。
親から受け継いだ味よりも、それぞれ自分の好みがあるだろうからと、
我が家の料理を教えなかった人が多いという。


おまけにその世代は戦争でろくにきちんとした食事が取れなかった。
いわゆる、子供から青春時代を人生で最も貧しい食生活で過ごし、
戦前戦後の厳しい環境の中で、ある意味戦前の価値観が崩壊した中で、
料理や味までも、伝統食ではなくて新しいものを求める傾向が。
今の冷凍食品、コンビに食に繋がる下地はこの頃からあったのだと。


愕然とした。
母が仕事に復帰した時、私は小学生だった。
家から手作り餃子が消え、冷凍餃子になったあの頃。
そう言えば、学校で調理実習がある年齢になった時、
その後、家で手取り足取り習ったことは・・・?
ない。記憶で母の味を辿って料理することはあっても、
直接教えを乞うたことは無かった。
居住まいを正して教えられたことも無かった。


今、70台の女性たちは働く女性のハシリ、
子供には子供の考えがあるからって、
で、料理を教えない伝えない母親の世代だそう。
母からおふくろの味を受け継いでいない。
30代40代の女性、母から教わっていない。
70代60代の女性、娘に教えていない。
我が家もまさに、そうだったのだ。

知っていますか子どもたちの食卓―食生活からからだと心がみえる (NHKスペシャル)

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子供である私たちの世代はご飯を作るどころか、
家事全般が苦手で、個食を推進してしまった。
買い食い、コンビに、中食、
・・・お惣菜という言葉を貶めてしまった。
今時の小・中・高校生は「お惣菜」という言葉を知らない。
「おかず」という言葉を知っていても、お惣菜という文字は、
難しくて読めない、普段聞かない、だから知らない。


スーパーでは「おそうざいコーナー」と平仮名なので、
単語として覚えられないということなのか。
言葉を交わしてお店で買うのではなく、自由気ままに、
それこそ終業間際の値下がり品を狙って、半額程度で買い漁るお惣菜。
たまに利用するものの、得したなあという気分よりは、
無駄遣いしてしまった、濃い味付けのもので誤魔化してしまった、
そんな後ろめたさが相半ばするスーパーのお惣菜。


そういうものさえも、お皿に移し変えて暖めて食べる家は、
まだまともな食生活習慣が残っている部類らしい。
嘘だろう・・・と疑いたくなるのだけれど、現実だとか。
一体日本の食生活はどうなってしまったのだろう。
作らない、並べない、味わわない、伝えない、覚えない。
金に飽かせて、適当に見繕っておけば済むというものではないはずなのに。


それにしても、おやつか食事かわからないような食事を
取る人が増えているとは。情けなや。
お菓子が食事、そんな感覚いつから芽生えた?
お米代よりも、おやつ代が3倍ぐらいかかっている。
何かおかしい、飽食日本。


何だか寂しすぎる呆れた話題に、家族で唖然の昨夜。
・・・毎日完璧な手作りの食卓は難しくても、
あんなひどい状態にならないよう、気をつけtなくちゃ。
もちろん私とて完璧な朝ごはん昼ごはん晩御飯を作るのは無理。
休日家にいると一日中台所に立っている気がする。
21世紀の私がそう感じるのだから、親世代はもっと台所に
縛り付けられている感覚が強かっただろうし、実際そうだったのだろう。


鰹節をかんなで削るのは、私の役目だった小学生時代。
庭先でパセリやねぎを取ってくるのは、当たり前だった頃。
スーパーマーケットができて、お豆腐やさんが売りに来なくなった。
電子レンジが家庭に入り、冷蔵庫が大型になり、
近所にコンビニができ、今はスーパーからの宅配時代。
生協で共同購入というわけではなく、個別に宅配時代。
ネットでお取り寄せの時代。


でも、最終的に家族の食卓を守るのはそれぞれの意識。
気を付けたい。
当たり前の食事を大切にできるように。
外食は、「ハレ」の感覚がまだあるうちに。
当たり前の日常生活を、体を作る基礎を、
共に集い食べる楽しさを、大切にしたい。
家族の食卓を大切にする心を忘れないように。

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