Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

氷アート

氷河ではなく氷画。氷アート。
阿佐美哲男 元々は版画家。
時代と共に傾きかけた家業の氷屋を嫌い、サラリーマンに。
そして、趣味の版画が認められアーティストへ。
40歳の時に倒れた父の後を継ぎ、帰郷。
埼玉秩父の山奥で天然氷を作りながら、新しいアートの道を探る。
それが氷画。氷の美に魅せられ、氷の上に絵の具を垂らし、
一瞬の一期一会、偶然の美を見出す。片岡鶴太郎が取材。


個性的で、どちらかというとあくが強くて、
なかなか適役が難しい俳優、片岡鶴太郎はのもう一つの顔、
最近ではすっかりアートの世界の有名人。
才能に恵まれた人は、同じように才能に恵まれた人と、
あっさりコラボレーションできるんだなあと、画面を見ながら思う。
NHK BS『Mi/Do/Ri』 休日の朝の放送は面白い。
http://kataoka-tsurutaro.com/blog/2011/01/index_2.html


天然氷を作っている所を初めてみた。
ならし、切り出し、本来ならば商品のはずの氷。
その氷の地紋で版画とは。
日本には墨流しの画法の伝統があるから、こういうやり方も可なのか。
偶然が生み出す、個人のイマジネーションを超えた所から始まる創造の世界。


冷たい凍える世界が色彩を与えられ、
或いは造形されて蝋燭の光と共に、天然の祭壇のように飾られ、
ツララはアンテナのように聳え立つ氷のアートの世界。
創る途中でも素材の氷は草木の合間に様々な姿を見せ、
あっという間に変化し、太陽の光を反射し、緩やかに溶けていく。


或いは夜、氷のカップの中で炎が煌めき、揺らめき、
幾つもの反射が自然の中に無言の音楽のように、
静寂のメロディを奏でる。
そんな氷アートの世界を朝のTVで偶然目にした。
芸術の世界は美しい。
偶然の美を崇め奉ることが出来る世界は、心のゆとりに満ちている。


されど、今日はとーちゃんの退院日。
何とはなしに、等とは言っていられない、喜びよりも
不安の大きい一日の始まり。
冷たいのに、見ていると心が温められるような
一瞬の美を見せてくれる、氷アートで始まる一日。

氷彩オパール

氷彩オパール

大人の墨遊び

大人の墨遊び