電力はどこから

今日、新たに一軒仙台の親戚と連絡が取れた。
原発に関しては二転三転する状況から不安になっている人が多い。
勿論、避難を余儀なくされている方々の苦労を思うと、
まだまだ安全な場所にいる人間は、申し訳ないような気持ちになってくる。
余り不安になり過ぎないように、大騒ぎして却ってマイナスの要因を、
パニックを招かないようにとあちこちの声、心配と注意が錯綜。

私が読んだ記事
http://nakaikeiji.jp/archives/51828787.html
http://germanmed.exblog.jp/13134812/
なるほど、確かにしょっちゅう検査している人間は、
それなりに厳密な意味では「被爆」していることになるのかと、
改めて思った次第。だから、余り大騒ぎしても却って可笑しい、
大事なことかもしれないけれど、怖がり過ぎるのはいけない。
そんなふうにも思った。

子供の頃読んだり聞いたりしたことが、時々頭の端に。
沢山のニュースを聞きながら、普段忘れていたことが。
『碑』を初めて読んだ小学校の頃。たった一人で出掛けた広島。
第五福竜丸、ノーモア広島・長崎のスローガン。
ドラマの中に寂しい風が吹いていた『夢千代日記』
『朽ちていった命―被爆治療83日間の記録』
ビキニ、チェルノブイリ、スリーマイル、
色んな言葉が頭の中をよぎっては消えていく。

世の中への扉 海をわたる被爆ピアノ

原発と日本の未来――原子力は温暖化対策の切り札か (岩波ブックレット)

その一方で毎日のように図入りで説明されるメルトダウン、
原子力発電所の管理や構造がどのようなものなのか、
設置される前にかつてこれほど繰り返し国民に説明されたことが
あっただろうかというくらい、繰り返し繰り返し。
根気よく丁寧に説明されたことがあっただろうか、
内容のない番組とCMばかりが流されていた日常番組以上に。

オイルショックの頃、地震も津波も無かったのに、
町中からトイレットペーバーを初め、色んなものが消えた、
あの騒動を知っているだけに、品物が無い店を見ても、
昔の記憶が蘇ってくるだけだが、あの当時は･･・
今よりももっと不便で不自由なのが当たり前の時代。
近所にも店はなく、田舎には車に品物を積んだ移動スーパー。

あちらこちらで電力不足を、計画停電を案じる声。
拍子抜けだ、被災地までひどい、まだ停電している。
そういう電力を欲する、電気を求める声と同時に、
原子力発電所の爆発や不安定さに、本来ならばあるはずのない、
制御不能な状態に焦燥感が募ってきている。
でも、その忌み嫌われている原発は21世紀のエネルギーとして、
全世界的にてこ入れされてきたものであり、
世界で唯一被爆国の我が国が、周到に洗脳されて、
次々と設置して来た存在である事を、忘れているかのよう。

24時間開いているコンビニ、エコ給湯という夜間電力の利用、
深夜営業が当たり前の飲食店、常時接続のインターネット、
ガスよりも安全だとオール電化生活が謳われ、
当たり前のように蛇口を捻れば出てくる水とお湯、
世界中から不思議がられていた「安全と水はただの国」日本。
そういうものの便利さや恩恵にどっぷり浸っていたのに、
地震は生活の土台を根こそぎ揺るがして、
津波は全てを押し流して、原発は全てを灰にの下に？

自然災害だけが問題なのではなく、
世界から差し伸べられた手が、被爆するからと
踵を返して消えてしまう、天災が人災になってしまった、
今の状況が深刻さの度合いを深めている。
正常に燃えていても（作動していても）燃えていなくても、
（今回は停止中のはずなのに燃えてしまったようだが）
当初から危険性をはらむ「原発は原発」なのだけれど、
停電や断水を経験したことの無い世代もあるそうで、
被災と被爆のダブルショックに、紙面やニュースが
火に油を注いでいるかのよう。

正しい情報はどこにもなくて、小出しにされている
情報操作では無いのかと疑心暗鬼になっているそう。
どうしたものか。
･･･連絡が取れたのは仙台1件のみ。
少し山手の角田市は、依然として具体的なことが分からないまま。
空港は自衛隊機が離着陸できるようになったらしい。
民間人はもとより出入りできぬ。

思いは募れど、個人的な支援は届けられない。
募金や義捐金の中で、身内だけではないみんなのために。
今、見知らぬ誰かのために動こう、祈ろう。
不自由や不便、寒さ、哀しさを少しでも癒せるように、
小さな出来ることを。
人災が天災以上に大きくならないように。
そんなことを考えながら、弥生の中日。
明日から真冬の寒さになるという、田舎が心配。

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