Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

ピンクのリュック

大学時代の親友から約3ヶ月遅れの誕生日プレゼント来る。
でも半分は娘あて。ピンクのリュックサックがかわいい。
親以外にあれこれと心づもりしてくれる友人がいるのはありがたい。
親は何かと仕事にかまけ、肝心な所で抜けていたり、
自分の感性や好みだけで動いて、世間とはずれていたり。
またそうであっても気付かずに、やり過ごしてしまって後の祭り。
そんな私の娘のために、もう一人の保護者になって、
誕生日やクリスマスのプレゼントをあつらえてくれる親友。
こちらは何も報いることが出来ぬまま、
「もしものことがあったら」と密かに娘を託す思い。
それぐらい、心細くなることがあれども、普段は考えまい、
気にしたら負け。ざっくりと、いい加減でいようとしている自分がいる。


30年来の付き合いともなると、私の趣味や好みも手の内らしい。
洋風和風の布小物を毎年贈って頂くことが多い。
私には小物・袋物あれこれ。女性の持ち物に小分け袋は幾つあってもいい。
bag in bag等 改めて買わずとも、ハンカチに包めばしまいでも、
それでは余りにも芸がない。ポーチや小袋は日常のささやかな楽しみだ。
あれこれ物が集まりがちな鞄の中。
仕事鞄共に、いつも「ずだ袋」と称する小さなバッグ、小袋を持ち歩く私。
もちろん貴重品入れ。綺麗な布製の物で通称「綺麗頭陀(きれずだ)」。
(もうぼろぼろになってきて「襤褸頭陀(ぼろずだ)」になりつつある)


お互い春生まれなのだが、相手は3月の得生まれ。
私とは約一年の年の差。
同じ学年とはいえ、若いのは羨ましい。
もっとも当の彼女は職場では「おっさん」(失礼)ばかりに囲まれ、
仕事そのものにはさっぱりも華やぎ、若やぎは無いらしい。
それどころか、男性諸氏を部下に持つ身としては、なかなか気苦労が絶えないとか。


私はというと、上下関係の緩やかというか、
ある意味、非常に曖昧な職場に身を置いているので、
何だかなあ・・・と思うこともあるが、楽だと思うこともしばしば。
要は、その環境に慣れてしまえば愚痴は出るものの、住めば都。
書類一枚であしらう部下があるわけではなく、何年経っても自分が自分の主。
動くも動かぬも手前勝手の職務とあらば、するかしないかの問題。
自分自身の自尊心、やったという自己満足、どこまで見えていて、
どこまで見えていないか、推し量るのも自分自身、
されど評価される時は他者からのみという、
誠に納得のいかぬ世界ではあるが、それはそれでご愛敬。


基本的には同じ仕事をずっと続けている。というか、その世界で生きている。
別の分野に手を出そうとせずに、過ごしてきた。
だから、この親友の訳のわからない転勤事情。
全く脈絡、積み重ね、前職の業績の評価あるやなしやわからぬ異動、
そういう物には全く理解できない。
その世界で生きていくのも大変だろう、さぞかし言うに言えぬ苦労をしているだろうと、
外側から察するばかり。むろんどの世界でも「仕事」に「楽」はあり得ないが。

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思うに自分には何だか引け目がある。
単に誕生日プレゼントを贈って貰ったからではない。
震災時においては関西にあって被災者ではないように、
自分だけが楽をさせて貰っているような、そんな錯覚。
そういう思いにに陥ってしまう、引きずられてしまう時がある。
自分だけが得をしているなどということは、決してないのだが。


神様は妙な所には公平で、妙な所には残酷なほど平等。
だから、何だかんだ言っても人生はプラスマイナスゼロ、
この世での不平等は前世の報い等と、まことしやかに言われるけれど、さあ・・・。
親友達が親を介護し、見送り、葬儀を出し、法事を営み、
なさぬ仲の子を育て、忍び難きを忍び・・・。
神様は、どこに標準基準を設けているのかわからないけれど。
比べてはならないことなんだろうけれど。


そう、自分には引け目がある。
自分だけ思いがけぬ楽をさせて貰っているような。
老いたりと言えど、不治の病と言えど、老親を側に看て、
仕事も名前も捨てたくない自分自身の在りようを、
不承不承ながらも家人に認めて貰い、
それぞれの仕事を全うするがために、離れて住みながらも、
どうにかこうにか子育て。娘はすくすく健やかに成長、
両親と祖父母の病み衰えていく年月とは対照的に、新緑の若松さながら。



その恵まれた幸せをもってして、親友、親友達への引け目、
某かの申し訳なさを感じてしまう。
それは全くもって滑稽かもしれないけれど、そうなのだ。
この幸せを享受していていいのだろうか。
喜びも悲しみも寂しさも憤りも与えてくれる、娘の存在。
ただただ、老いてその矍鑠たるままでいて欲しい父、
まだまだ私のことを娘だと覚えていて欲しい母、
薬効のある限り元気でいて欲しい家人、
そして、娘が成人するまでは頑張らなくては私。


私のことだけではなく、娘のことまで気に掛けて貰って、
自分自身はどんな生き方をしてきたのかと、
この年になってあれこれ顧みる。
自分の至らなさ、狭量さ。
いつも気に掛けて貰っているありがたさ。
12歳を2ヶ月先に控えた娘に、明るいピンクのリュックはよく似合う。
私自身の大人げない思いにはっきり朱を差すよりも、
はにかむ如くに若やいだ色。
いつしかそこに、若かりし頃の友の面影を見る。

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