Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

日没する国の焚書坑儒

誰もが思っているだろう。今、この時代にそういう事をする?
再び土に埋めてしまったですと?  事故を起こした車両を。 
そして、その後もニュースは続き・・・。


人の在り方も思想も、権力者から見れば許されぬ。
そう判断されたものが、昔から穴に放り込まれる。
手っ取り早く葬り、抹殺し、跡形も無く消し去ろうと。
歴史上習ったことが、過去のことだと思っていたことが、
昔のことでは終わらずに、似たことが21世紀の今起こっている。
そして、埋められ掘り起こされ、放置され、調べられることも無く、
その国では何も無かったかのように取り扱われようとしている。


ニュースでは、地元の人間が事故現場を掘り起こしている。
事故の証拠を自分たちの力で見つけようとしているわけでも、
うやむやにされた事故の犠牲者を、助けようとしているわけでもない。
小さなものから大きなものまで掘り返した残骸の一部を、
当局者から「触るな」と指示されても、どこ吹く風。
ひたすら地面を掘り返している人々。
何をするのかと訊かれた人の答え。「売るんだよ」
これが中国の現実なんだ、ね。
もちろん何処の国だって、事件ネタをメディアに売るけれど、
あまりにも即物的な反応。事故の残骸を生活費の足しに。


事故は落雷のせいだといわれている。
事故は自然のせいなのだと。
まるで、偶然、自然だけが悪いかのように。
人災だとなると、ことが面倒だから。
そんな所まで、今の日本の状態を真似しなくてもいいのに。

GHQ焚書図書開封

GHQ焚書図書開封

秦の始皇帝―焚書坑儒を好しとして (中国の英傑)

秦の始皇帝―焚書坑儒を好しとして (中国の英傑)


地震津波、それだけではなく原発放射能
自然災害だけではなく、適切に防ぐ手立てがなされなかった人災。
当初、事の大きさが隠蔽された原発の周辺。
制御できるから「安全」と、原子力の安全性だけ強調され、
想定外のことが起こったら、途端に安全ではなくなる。
安全ではなくなる時の事は伏せられ、最も安全なエネルギーと、
怖さ知らずに吹き込まれて来てしまった若い世代。


最も若い世代が一番放射能の害を受ける。
なのに、最初はメルトダウンの可能性さえもうやむや。
穴に放り込んで埋められないでかいものでさえそうなのだから、
現代の日本の焚書坑儒はマスコミに取り上げられないこと。
メディアから抹殺されること。
偽の情報を流すことで事足りるらしい。


中華思想の中国は歴史の編纂は本家本元、紀伝体編年体
いまや、ネット上に繰り返される衝撃映像と批判の数々。
今までのように、実際に埋めて、掘り出して、放り出して、
保障すればそれで終わり、何も無かったことにしてしまいたい、では、
どうやら終わりそうに無い気配。


二度あることは、三度ある。
同じ過ちを繰り返してはならないという気持ちが、気構えが、
中国の何処にあるのか分からない。きちんと見えてこない。
同様に、原子力に対してどうするのか、日本も。
特に原発のことだけに限定するのではなく、何事にも。
双方の国で色んな疑問や隠蔽された事実、写真、呟き、
蜘蛛の巣に引っかかって日の目を見ることになった、様々な出来事。


ネットという蜘蛛の巣の世界で、うたかたの如く生み出され、
消えていく情報は、誰かに気付かれなければ消えていく。
でも、現実に放り込む穴には収まりきらぬものであるから、
おいそれと簡単には無碍に出来ない。
昔のままローテクで事実を抹殺しようとした中国。
けれども、あれだけの人口を抱えるとなると、ネット「炎上」も早い。
画面上の小さな呟きも単なる呟きではなくて、
大声で怒鳴っているが如く広がる。


国土の広い中国からすれば、関東も関西もどちらも日本。
放射能に汚染された小さな島国。「国土」の広さにも入らぬぐらいの。
それでも、2度ならず、3度、4度と重なる被爆国担ってしまった日本は、
眠れる獅子からすれば、取るに足りない国だったはず。
そして、眠れる獅子は自ら墓穴を掘りつつある。
穴は至る所に開いている。開きつつある。
儒家や書物を葬るだけでは間に合わない速度で。
そして、それは御隣の国だけではなく、日本も同じ。

原発報道とメディア (講談社現代新書)

原発報道とメディア (講談社現代新書)