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終戦記念日の「緑のトンネル」

3日前にさかのぼる話題だが、終戦記念日の8月15日に、
8月12日(金)に録画しておいた「中学生日記」を見た。
それも少々画像が悪くて古い、中学生日記のアンコール番組。
70年代の名作番組というふれこみだが、はて?
私の世代の内容? もう少し前か? 
1977年9月25日放送となると、私より少し下の世代が中高生か。
昔、リアルタイムで見たことがある人もいるのでは?


戦争に関する話題や作品の多い8月だから、昔を振り返る作品?
そう思っていたら、『中学生日記』は今年で放送50年だそう。
何という長寿番組。というか、私が見ていた時代の登場人物、
主役級の先生方は鬼籍に入られ、今はどういう内容になっているのか、
代替わりしているから、さっぱりもわからない。
名古屋放送局でずっと作り続けているらしいが、
愛知県というと、聞きしに勝る「生徒指導」の厳しい土地柄。
今は、どんな番組を作っているのだろう。
そういえば、たまに娘が見ているような気もするが・・・。


それにしても、昔は日曜の午後に放送していた記憶が。
よく考えてみると、外に遊びに行けない、行かない日曜の午後、
ぼーっと家にいる時は『クイズ アタック25』と『中学生日記
そんなイメージが浮かんでくる日曜の午後。
今では中学生日記は金曜の午後のゴールデンタイム、19時台。
そんな時間に中学生、TVを見ているのか?
それとも私のように、録画してみているのか?
それとも、オンデマンド放送?


『緑のトンネル』という、戦争にちなんだ内容のもの。
主人公がタイムトリップして知る、かつての学徒動員。
その中の自分の母(むろん中学生姿)、戦死した伯父。
現実の世界に戻ってみると、受験戦争に負けて自殺した兄、
弱いから負けたのだという父。そしてかつての軍国少女だった母。
そういう家族構成が出てきて、今と昔が交錯。
過去のリアル戦争、そして主人公の兄が巻き込まれた現代の受験戦争。
中学校に行けば、クラスメイトは高校受験のために周りはみんな敵、
敵だと公言してはばからない。


あれ? この作品の中の親御さん達は、どう見ても私の両親よりも年上の設定。
我が両親は学徒動員経験者だが、田舎ゆえ工場勤務ではなくもっぱら農作業。
そのせいで、老父はサツマイモやカボチャを余り好まないくらいだ。
小学校低学年の頃は昔の食事だと、よく「すいとん」を食べさせられた。
それも日曜日の昼ご飯に。昭和戦後世代の私だが、
後にも先にもすいとんを食べたのは、この時だけ。
自分で作ったことはない。


TVを見ながら、自分自身の子ども時代を思い出しつつ、
タイムスリップのを軸とした番組と見入る私と家人。
戦争中の防空壕、爆撃、自分の母となる女の子を外に連れ出して逃げる主人公、
気がつけばそこは古い防空壕後で、今見たはずの修羅場はどこにも見えない。
恵まれているはずの中学校生活。受験戦争に巻き込まれ、ぎすぎすした学校。
周りは敵だという友達を問い詰めれば、良い大学、良い会社、結婚して、子供が生まれて、
年を取って、「そしてどうなるのか」「そして、死ぬんだよ」。


戦争中でも戦争に巻き込まれなくても、受験戦争に勝っても、結局人間は死ぬ。
一体価値のある生活、人生、人間らしさって何なのか。
問題山積みで頭パンク状態の主人公の目の前に、未来からの呼びかけが。
まだ生まれていない筈の娘。未来からやって来て、
「生きろ」というメッセージを残す娘。
その船の上に見えた、蜃気楼のような姿はあっという間に消え・・・。
NHKお得意の、「後はご想像にお任せ」する手法。
緑のトンネル、その緑は何のための緑、何故緑色、何故トンネル・・・?

「中学生日記」から学んだこと

「中学生日記」から学んだこと


かつての「少年ドラマシリーズ」のようなSF仕立ての作品の中に、
反戦、歴史を辿る意味、当時の青春と今の受験戦争の比較。
親子のあり方、当時の生活と今の違い。
人の死、運命、特攻隊や防空壕
抽象的なものを具体的な体験に置き換えて、考えさせる番組。
当時の中学生にも難しかっただろうなあ。この内容。
今見てもはてな
この番組が放送されていた時、私は既に18歳。
中学生向けのこの番組を、もう見てはいなかったのでやはり記憶にない。
記憶を辿れない。


8月15日の私。食事を作る合間、洗濯物を3回干し、取り入れ。
家人のリハビリ、プールに付き合う。
ゴーヤ・玉葱・人参・マンゴー(缶詰)・きゅうりで野菜ジュース。
昨日の残り物スープでリゾット。デザートは巨峰。
昼食。冷やし中華。錦糸卵・ツナ・梅くらげ・茗荷・きゅうり・人参・ハム。
夕食。手作り餃子(キャベツ・人参・ゴーヤ・茗荷・生姜・大蒜・韮・合挽きミンチ)、
冷トマト、晒し鯨酢の物、肝吸い。デザートはヨーグルト和えマンゴー(缶詰)。


あっという間に終わる夏休み。夏期休暇を二日間取っただけ。
せめて泊りがけで何処かに出掛けたかったが、それも叶わない。
1,2時間ほど離れた場所だけでは、ちょっと寂しい。
出掛けた写真ばかり載せているけれど、近場のみ。
日記だから、思い出だから、それでいいとはいえ・・・。


恵まれた21世紀の親子の私たち。
緑のトンネルは私たちの前にはない。
私は戦争を娘に伝えることが出来ているのか。
私の知らない戦争を、間接的に感じ取っているだけの戦争を、
私の両親が経験した戦争を、日本という国が築き上げてきた背景、
歴史を、忘れかけているものを、2度の震災以前に、
日本が「非常時」だった頃を。


ただただ切ない痛みを感じながらも、
何が出来るわけではない自分を感じながら、
中学生日記」50周年にちなんだ番組の録画を見た
8月15日の日のことを、遅ればせながら記しておこう。
せめて、せめて忘れないうちに。

NHK中学生日記〈2〉ママとわたしの中2デビュー

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