Festina Lente2

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休む準備をする

今日は嫌なことが沢山あった。
だから、21時のニュースには慰められた。
極寒の中、転落して窓ガラスが割れた車、
その中で、81才のおじいちゃんと3才の孫娘をに寄り添い、
しっかり暖めてくれていたのは真っ黒なラブラドール犬の、ジュニア。
この7才のわんちゃんが、二人の命を救った。


言葉が話せない犬でも、飼い主が大変な目に遭っているのがわかる。
側を離れたら大変なのがわかる。
ラブラドール犬は元々寒い地方の犬なので、上毛と下毛が生えていて、
毛布のように暖かい抱き心地なんだそうだ。
平熱が39度前後が普通だという、暖かい犬。
心の優しい、介助犬にも向いているという犬。
そのわんちゃんが、二人を救った。
何とも心温まるニュース。


ちょっと明るいニュースに救われた。

犬の話 (角川文庫)

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犬の、ちょっといい話 (柏艪舎文芸シリーズ)

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無理して出かけた出張先。本当は休みたかった。
風で声が出ない上、あれこれ指示も出来ないし、
人混みの中に出かけていくのは避けたかった。
でも、じっとしているだけだから大丈夫。
有給休暇を減らしたくない。こんなことで。
そう思って、出向いてみれば・・・。


嫌なことが沢山あった。
声が出ない分、言いたいことが話せない。伝わらない。
好きなだけ騒ぐ連中がいる。色んなことを邪魔する人がいる。
注意できない、したくても。図に乗って騒ぐ連中に、何も言えない。
声が出ない、話せない、言いたいことも言えないと、
よりによって、声を必要以上に出さなくてはならないという、
こういう場面にも出くわさなければならないわけで。


「謝ればいいんだろ」とにやにや笑い。
好き勝手、何も感じていない連中の相手。
自分の時間と体力気力を切り売りして、仕事。
何も考えていない、自分の好きなことだけしかしない、
奇声、嬌声、罵声。その場をぶち壊しにする連中。
よりにもよって対峙しなければならないとは。
全くもって・・・。


人語を解しない(といってもいいふてぶてしさ)、
事情や場をわきまえない人間の形をしているだけの、
有象無象の輩を相手。時間と労力の無駄、
誰も何もしない。そこで話をしなければならない。
なのに、よりによって声が出ない。
きちんと間に入る人間もいない。


下げる必要のない頭を下げ、出ない声を振り絞って事情説明。
あちらこちらに余計な連絡やら手紙やら。
全くもって疲労困憊。
最初から、出勤せずに休めば良かったとどれほど思ったことか。


だから、わんちゃんのニュースに心癒される反面、
人語も解しない、常識も良識もわきまえない連中を相手に、
真面目に自分の人生を切り売りしているのがあほらしくなった。
適当に相手をしていた方が、顔にしわを作らなくて済むし、
真面目に相手をしなくても、全く私の責任でも何でもない。
なのに。


放っておけない性分の自分が、心底嫌だ。
楽して、仕事を適当に切り上げる要領も器用さも、
いまだ持ち合わせてない自分が嫌だ。
そんな今日。


出張先での昼休み、唯一楽しみにしていた馴染みのイタリア料理店、
名物イタリア人がいなくなってしまったのを知った日。
そんな今日。その時からさい先が悪かったか、今日は。
そんな今日、無理をして出てきて、踏んだり蹴ったりの1日。


今年、今年度初めて、体調不良で仕事を休む決心。
ああ、情けない。今日から休んだ方が、
何ぼかましだったと思いながら、電話、予備の書類、
事後処理をして、諸事連絡、休む段取り。
「平熱プラス2度以上、幾ら平熱が35度台だとしても、
 これはかなり熱があるよ。
 出来ればゆっくり休む方がねえ」と医師。


そう、人の顔を見るのも声を聞くのもしんどい。
休むのだ。ただただ、部屋の中に静かに引きこもって。

「昨日の疲れ」が抜けなくなったら読む本

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風邪はひかぬにこしたことはない (ちくま文庫)

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