Festina Lente2

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カラー・コンタクト流行?

仕事柄、人に会う。その際、どうしても人の顔、目を見る。
今年の後半は、カラコン少女に会うことが多かった。
いわゆるカラー・コンタクトをはめた少女たち。
少女と言っても最近の若い人はやたらと化粧がケバイ。
二十歳以上に見えることも多く、素顔が? なのだが、
「目を大きく見せたい」という理由でコンタクトレンズを入れている。
視力が悪いわけでも何でもない場合が多い。


飽食日本と言うけれど、食べ物に限らず
毎年の流行を追う余裕のある着る物もいい加減贅沢。
その感覚で、まさか目まで流行のカラコン
必要のない「伊達眼鏡」ならぬ「伊達コンタクトレンズ」。


髪の毛どころか、まつげのエクステが珍しくない昨今、
ボリュームのあるまつげを演出するために、つけまつげ三枚重ね、
たっぷりマスカラを塗って目力を出すという、とんでもない技。
それに飽きたらず、青い目緑目、時によってはグレーや赤目。
カーニバルや戦前洋行土産の人形じゃあるまいし、という風情の、
ぎらぎらした虹彩を持つ奇妙な目でこちらを見つめてくる。


はっきり行ってき持ちが悪い。
かわいいと思ったことなど一度もない。
黒い髪を茶色く染め、様々な色の目をして、不気味なほど大きめな黒目。
うつろな人形のような顔を作り続ける化粧の最前線、
それを仕上げの目力、といっていいものなのか。
以前は「目は心の窓」などと言ったものだが、
カラー・コンタクトはどれほど心の空白を埋め、自信を付けてくれるのか、
服では間に合わない人体改造の欲望の小手調べなのか。
整形手術に至らなくても別人の自分を演出できる、
そんなカラフルな目で見ている世界は、実際本当に色彩豊かなのか、
(別に見え方は大きく変わらないのか、サングラスのように見えるのか)
かなり「疑問な瞳」を持つお嬢さん方を毎日見ている。


今の若い人は、自分を変えることに抵抗がない。
というよりも、自分を変えることに苦労はしたくない。
内面の変化などアピールできないから、外側だけに執着する。
「人は見た目が9割」などという題名の本もあったような。
見た目は重要だが、見た目を変える根本は意識されていない。
抑圧して自分をごまかし正当化して、いっときの変身願望で、
「いつもの私ではない私」を楽しむ。解放された気分になる。
そういうものなのだろうか。

変身願望 (ちくま新書)

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コンタクトレンズ自由自在 (専門医のための眼科診療クオリファイ6)

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証明写真を撮る時もカラー・コンタクトで、年齢不詳国籍不明な程の化粧。
個性を演出するはずの白塗りに以前に、「目は心の窓」。
その目に偽りの個性を嵌め込んで、にっこりギラギラ、
作り物の瞳レンズを光らせる。私にとってはギョッとする瞬間。
彼女たちは、モデルのような気持ちで華やいだ気分なのだろうか。
コスプレ世界の必需品だという話も聞くが・・・。


いっとき医学的に役立つものでもない、何ら健康を保証されない
カラー・コンタクトの有用性が取りざたされたのではなかったか。
それでなくてもコンタクトの扱いがいい加減で、目の病気が多いと。
安く手に入る変身グッズの一つに過ぎないカラコンは、
眼鏡を変えるように安易に目に装着され、
素顔の如く装って他者を煙にまき、欺き、威嚇し、睥睨する。
そのレンズの色を通して、自分をどれだけ武装しているのか。
不自然に大きく見せた瞳が本当に魅力的だと思っているのか。


どんどん奇妙なファッションに素顔を創り変えていく妙齢の、
本来ならば娘盛りの初々しさはどこに行ったやら、
アゲ嬢だのキャバ嬢に似ているでしょと喜ぶ有様。
それが褒め言葉になる世界って、どうなんだろうかと目を白黒させながら、
数年後、我が子もカラコン入れてみたい等と言うのだろうかと、
ちょっと想像してみるかーちゃん。
いやあ、それでなくても我が娘は遺伝の関係情、茶目。


黒目がかなりの茶目で、色白で、生まれながらに茶髪。
日に透かせば赤く透けるような、そんな髪の毛の持ち主。
染めているのではと疑われるほどの、自然な茶髪の持ち主。
そんな娘は逆に、黒いコンタクトを嵌めたがったりして。
・・・それよりも、娘の視力が眼鏡もいらないほど近視じゃない、
そのことだけでもかーちゃんとーちゃん、満足なのだが。
カラーコンタクト、娘が妙齢になる頃も流行っているのだろうか。


来年のことを言うと鬼が笑うというが、もっともっと先のことでも、
若い人を見ると娘に当てはめてあれこれ想像してしまう、
かーちゃんの日常。

コンタクトレンズ眼障害―ひと目でわかるトラブルシューティング

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