眩暈で寝込む２日目

御節を全く作らなかったのは、今年が始めて。
いつもは自分の好きなごまめ、黒豆、栗きんとんなど
お酒のおつまみにもなるものを作っていたのだが、
体調優れぬまま、鍋でごまかす大雑把メニュー。
ただ、我が家は別居結婚・単身赴任家庭なので、
家族全員で鍋を囲むというのは、一般家庭よりも貴重なひととき。
大晦日は酒粕風味の鳥鍋に、元旦は海鮮鍋、二日は家人のカレー。
大量に作らないと美味しくないものばかり。

大晦日は一足早く、両親に比内地鶏と葱たっぷりの鍋を振舞い、
年越しの夜、すぐに食べられるオードブルやおかず等を置いて、
トランク一つで娘と電車に乗ってはるばると家人の社宅まで。
ここ数年の年末風景。違うのは家人の実家に里帰りしないこと。
元日は垂水神社に詣で、のんびり家の中。
それぞれの予定が詰まっていて31日・１・２と3日間しか
全員の休みが揃わない今年、帰省の時間は取れなかった。

豪華な御節料理も知らず、狂乱の初売りにも興味を持たず、
ひたすら机に向かう娘。眩暈に倒れているかーちゃん。
初売りに関係なく日々の買い物。晩御飯を作るとーちゃん。
自分は恵まれているのだと、改めてしみじみする二日目。
何が何でもこうせねばならぬという世の習い、
新年のしきたりに縛られては、何も出来ない。

年末の遊び過ぎ、出歩いた無理がたたったのか、
家人宅に来てほっとしたのか、
年末一日徹夜して年賀状を作ったのが災いしたか、
新年を疲労困憊して迎え、初詣は一日に済ませたものの、
二日目の今日は殆ど寝たきりとなってしまった。
思いのほか血圧が上がってしまったのか、眩暈がひどい。

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枕を離れるとガンガン眩暈がする。
一昨年から血圧を注されている私は、糖尿病も同じく、
遺伝的に問題のある家系で、妊娠中末期はかなり注意を要した。
もとより先天的も後天的にも体質的に問題がある場合、
服薬でコントロールしなければならないのだろうが、
その服薬は胃腸の調子を著しく損なう。
薬の飲み合わせはもぐら叩きのようなもので、
こちらを叩けばあちらが出っぱるといった具合。

一昨年せっせとジムに通って落とした体重は、昨年挫折。
幾つも重なる仕事の重圧と自分、家族、様々なことが、
自堕落な休息に自分を引きずり込んだ。
その、陥穽に嵌る自分の弱さが悔やまれる一年だった。
今年こそはと思っていると、体がいうことをきかない。
自分の時間を捻り出してあちらこちら出歩くことそのものが、
贅沢だと罵られているような気持ちになってしまう。

今年の冬休みは長いと娘は喜ぶが、親にとっては関係ない。
月曜日と連休になっている国策休日もはた迷惑限りない。
娘を連れてどこにも出掛けられぬ、日々の糧を稼ぐ仕事のせいで
娘に寂しい思いをさせ、親孝行には程遠い生活を強いてきた。
そのことばかりが胸に刺さる。
今まで娘が物心付いてから、最も一緒にいる時間が少ないお正月。

その埋め合わせを何とするか、あれこれ思い煩う。
娘の好きな選手が往路ゴールのテープを切った箱根駅伝。
その姿が毎日一人で生活するとーちゃん、学校に通う娘と重なる。
娘に頑張れを言うしか出来ないかーちゃん。
傍にいることが余りに出来ないかーちゃん。
かーちゃんらしくないかーちゃんを持ってしまった家族。
それでも、家族は繋がっていると実感できる、
そんな時間をこれからもずっと持ちたいと願う、新年二日目。

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