ローザンヌ優勝！

舞姫（テレプシコーラ）のニュースが舞い込む、この数日。
私が鬱々と過ごしている間に、プリマヴェーラが踊って春を呼んでいた。
日本人がローザンヌで優勝！　その快挙がようやっと自分の心にも届く。
世界と自分が随分離れていると感じながらも、
子どもの頃に読んだ、思春期の頃に、そして大人になってから読んだ、
いくつかの物語の世界と重なって、バレエの世界の葛藤が、
くるくると回り、ステップを踏み、現実世界のニュースとなって届く。

舞姫(テレプシコーラ) 第2部　5 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)

吉田 都 一瞬の永遠 英国ロイヤルバレエ・プリンシパルのすべて

その快挙を成し遂げた少女の素顔は、初々しい面差しの高校生。
なのに、舞台化粧を施し、ひとたび舞台の中央に躍り出ると、
別人のように軽やかに舞う。
ローザンヌ、ローザンヌ。
私たち『テレプシコーラ』ファンには、特別な思いを抱かせるローザンヌ。

アラベスク 完全版 第1部1 (MFコミックス)

ヴィリ (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)

バレエを知ると言っても、漫画で読むことが唯一、
数えるほどしか本当の舞台を見たことがない私だが、
今ではインターネットで画像を簡単に見ることも出来る。
何度も何度も繰り返し。随分便利な時代になったなあ。
そして、17才の素顔も見ることが出来る。
舞台化粧と衣装を取り去ると、まだあどけない感じも見受けられる、
その辺にいる娘さんの顔なのに･･･プリマの卵なんだねえ･･･。

体を使って表現をすることが殆ど無かった私だけれど、
（それでも昔はジャズダンスを習ったりしたこともあった）
若い人の活躍を見ていると、少しばかり華やいだ気分になる。
やはり昔テニスをしていた頃、ウィンブルドンを見ていると、
「手に汗握る」感覚で夢中になっていた、あの頃を思い出す。

牧神の午後 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)

黒鳥―ブラック・スワン (白泉社文庫)

仕事から離れた話題になると、世界に色が付いているような、
少し息が出来るようなそんな気分になる。
自分がどう動こうとどうすることも出来ないあと2ヶ月を過ごす、
そんながんじがらめの動きのない仕事の息苦しさを思うと、
軽やかに舞う若者集うローザンヌは、緊迫した空気と激しいライバル意識と、
自分自身との戦いと、様々な出会いの坩堝（るつぼ）を垣間見ることが出来て、
あのメルティングポットの中に自分自身を溶かし込んでしまいたいと、
そんな思いに駆られて仕方がないのだ。

フラワー・フェスティバル (小学館文庫)

青い鳥(ブルーバード) (PFコミックス)

おめでとう、若き舞姫！
遅ればせながら、ニュースや動画でしみじみと思う。
春の空気を運んでくるような、そのステップ、その跳躍の向こうに、
未来が垣間見えたような気がして。

SWAN 白鳥 愛蔵版 1

山岸凉子バレエマンガセット【ヴィリ+テレプシコーラ第1部全10巻】Amazon.co.jp限定サイン入りポストカード付