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綿業会館 その3

滅多に入れない綿業会館の中なので、写真を沢山撮りすぎてしまい
(と言っても、精選するほどの質ではないのですが)
またこの時期は何かと辛いことが多いので、
写真中心の同じ内容の記事ばかり続きますが、お許しの程を。


    

  


さて本館3階の貴賓室と呼ばれる特別室は、窓や壁が直線的なのに対して、
天井・家具などの曲線がうまく組み合わされたクイーン・アン・スタイルとのこと。
あくまでもイギリス風なのね。女王様のスタイルとはいえ、
どこが柔らかい雰囲気なのか、しばし考えたくなる。
曲線が多用されている所か? 色彩的には渋すぎるけれど。
シャンデリアの形と天井に見とれてしまい、往事の写真や調度を
じっくり眺めることが出来ず、残念。部屋全体が茶色の重厚感。
昼間陽光を入れると感じが変わるのかも知れない。
シンプルで獣の足をかたどった家具が特徴というこの様式、
明治建築の主流であったはず。先ほどと比べて小振りな貴賓室だが。


    

    

  


されど芳名帳に見る満州国の文字、犬養の名字、
じっくり見入る時間は無かったが大物政治家、外国からの賓客が訪れた、
さりげない展示に小さくため息。決して和風ではないこの部屋で、
異国からのお客様は寛ぐことが出来たのか。
どんなもてなしを受け、何を歓談したのか。
さりげなくお天気の話でもあるまいに・・・。


    

    

  


次に会議室(本館3階)、通称「鏡の間」。こちらに入ると、
先ほどの貴賓室は小さな控えの間だったのかと思えるくらい、垢抜けている感じ。
アンピール・スタイルと呼ばれる天井、壁、開口部の装飾を抑えたデザインが特徴だそう。
装飾を抑えた? 確かにシンプルかも知れないけれどオニキスの壁、
アンモナイトの化石があちらこちらに見られる大理石の床、
中国段通のどっしりした敷物とその華やかな織りと文様。
知的で明るい部屋の雰囲気がすっかり気に入ってしまった私。


    

    

  


思い返すに、飾りタイルの有名な広い談話室よりも、こちらの方が落ち着く。
現代的でモダンで、ここで仕事をしてみたいと思った私。
少しドレスアップして、頭脳戦? ならぬ会議を妄想。
私がアンモナイトを撮ったせいで、皆さんあちらこちらで探し出す。
市松模様の床、お洒落な通気口、どっしりしたカーテン。好みだわ―。
だんだん建物お部屋探検に慣れてきたのか、うきうき。


    


いったん踊り場から1階ロビーを覗き込み、最上階7階の大会場へ。
廊下に飾られた繊維関係の機械や、額を眺めたり、
天神祭タペストリーや小さな小部屋を通り抜けて、
何やら催し物を準備している大会場へ到達。


    

    

    

    

  
アダム・スタイルと呼ばれる軽快で優雅な古典様式、
柱型を並べた壁のデザインが特徴とのこと。確かにモダンで広々。
ここは明日の織田作之助賞の選定、授賞式の場が準備されていて、
何やら不思議な雰囲気。こんな場所で発表さえていたとは・・・。

  

  

     

    


再びどっしりとした階段を下りて、あっという間の綿業会館見学を終える。
名残惜しい2時間の町歩き、大阪の夜景巡り。
月に一度の見学があるというこちら、お食事などして優雅に楽しみたいが、
なかなかその時間と予定を撮ることは難しいだろう。
ちなみに見学は予約で結構先まで予定が埋まっているらしい。
今日は本当に特別に見せていただけて良かった。
降りることは出来ないけれど、階下のレストランに至る螺旋階段をパチリ。


    

    

    


これにて大阪の町歩き、夜景巡りの記事は終了。
4日間連続記事にお付き合い下さり、ありがとうございます。
では、名残の外観をアップして。


    

    

  

綿業会館の魅力―大阪の名建築

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