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友人の結婚

大学時代の友人の友人から結婚の知らせが届く。
いきなりで何の連絡がなかったのは良くも悪くもショックだったが、
卒業してから会うこともまれ。
特に結婚して子育てに追われてからは離れて住んでいるだけに、
お互い仕事もあれば、そうそう会うこともない。
せめて祝儀不祝儀の時ぐらいは顔を合わせて、と思っていたのだが。


昔と異なり時代が時代なので、それほど格式にこだわらない結婚も珍しくない。
派手にやりたい人はそれなりの事情。地味に済ませたい人はそれなりのポリシー。
結婚がめでたいニュースだとしても、どんな形で行うかは自由な時代となった。
奥ゆかしく二人だけ、身内だけ、入籍だけでということもよくある。
しかし、今の時節に結婚して、まさか次の年の年賀状まで一筆の知らせも?
何でもなかったような顔をして挨拶状をよこされるというのも、
余りにも水くさい話で、メールの一本も…と思わないでもない。


入籍してから2ヶ月以上たち、春のスタートの時期、
それに合わせて挨拶状の一つもあってもと思うのはこちらの身勝手か。
向こうにしてみれば、お祝いをせびるような形になってはいけないとの遠慮か。
この年で今更という気恥ずかしさか。
人それぞれの様々な事情はあれど、細く長く続いてきた大学時代からの付き合い。
どうして人づてに連絡だったのかと思うと、
その程度の付き合いと思われていたのだなと、少々心穏やかならぬ朝となった。


最近はパソコンを開くのは早朝が多い。年齢のせいだと笑っているのは誰?
夜は仕事で帰宅、なかなか起きているのがしんどい。
ブログを書き始めた頃は、書いてからすぐ寝ていた。
それこそ日記を付けてお休みなさいという感じ。
その後仕事内容が変わって、やたら忙しくなり不規則な生活に変わって、
気が向いた時に書き散らしていたら、いつ何時更新可とわからない日々に。


そんな生活の中で、日々の生活を書いていると季節を感じ、
忘れていたものを思い出し、まだまだ見たいもの知りたいものがあると実感し、
気弱になってはならぬ、人生80年時代、まだ娘は中学生になったばかり。
しっかりせねばと思いつつ、体調は気分に左右され、
人事や仕事にがっくりさせられることが余りに多い毎日、
おめでたいニュースは心を揺るがせてくれる慶事であるのに、
そう思っているのは自分ばかりで、人の奥ゆかしさは疎遠と同義になり、
心の距離を改めて感じさせるものとなってしまった。


知らせてくれた友人は、彼女と距離的に近い所に住んでいるので、
それなりに付き合いの進展など漏れ聞いていたようだが、
大学時代の友人仲間といっても、仕事も家庭環境も違えば、
そうそう寄り集まることも出来ないので、当時と同じ気持ちで
交友関係が深まっているとは限らない。
友人は「長い年月の間には付き合いの濃淡」があるからと、
書き送ってくれていたが、濃淡のかすれ具合もほどほどにと感じた私は、
傲慢な人間だったのか、独りよがりだったのかと落ち込み、嘆息した。

結婚行進曲~華麗なるオルガン名曲集

結婚行進曲~華麗なるオルガン名曲集


20代、30代の結婚とは訳が違う。
確かにそうだ、この年齢ともなれば、世間の結婚のイメージとは。
しかし、我々の年代にすれば自分の子どもの世代が結婚することは珍しくなく、
我々が第二、第三の人生に踏み出すことは珍しいことではなくなっている。
子どもを育て上げた果てに熟年離婚という話題は、20年以上前の話題。
バツ1、バツ2等とくだけた表現で話されることも。
確かにその言い方には付いていけない世代ではあるけれど、
世の中が変わってきている上に、寿命が延びている昨今、
再婚、再々婚、初婚と再婚、事実婚、様々な形があるのを知っている。
「年の差婚」は昔からあるものの、女性が年上も珍しくない。
最近では「できちゃった婚」を「授かり婚」等と言う。
少子化の時代ならではの、「産むこと」への意識の差か。


親を介護し親を見送り、仕事と親の世話で明け暮れた、
そんな友人の話題ばかりを漏れ聞いていただけに、
雪がとけて春がやってきたんだねという印象を受けただけに、
その話題に触れてくれるなといわんばかりの「なしのつぶて」同然の知らせに、
ショックを受けているのは、私の未成熟さか。
もっと世の流れをみてきた諸先輩から見れば、
世間知らずの感傷なのだろうか。


お付き合いは難しい。友だちづきあいは難しい。
私のような単純な無骨者には、推し量れぬことばかり。
自分の思う所とかけ離れたことばかり。
若い人とのお付き合いも、同世代との付き合いも。
いや、ただ、単にお祝いをしたかっただけ、それだけなんだが。

ウェディング・クラシックス

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セレブレーション・クラシック

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