井上直久 新春のイバラード展
井上直久イバラード展にて万葉集の額絵を買う。
イバラードは社会人院生の頃に出会った、不思議な世界の絵本。
ふとしたご縁で、そのSNSにお世話になること1年ほど。
今は残念ながら、ミクシーに移動したとかで
そこでのお付き合いはもうなくなってしまいましたが・・・。
(昔の記事→http://d.hatena.ne.jp/neimu/20100214/1266545737)
新しくなった阪急デパートでの個展の招待状を頂き、
帰阪がてら、娘を連れて向かうことに。
新大阪から直行。娘にとっては初イバラード展。
画集「イバラード博物誌 第?巻 『思い届く日』」の刊行を記念展は、
“開く、春の喜び”がテーマ。
今回は特別に、お正月らしいカルタの水墨画も出品。
実は出来れば小さな絵を買おうと心に決めていた。
しかし、こういう展覧会は初日が勝負、
お手頃でいい絵には既に買い手が付いている。
(根強いファンが多いのだから)
でも、久しぶりに先生にお会いできたのと、
少しばかりお話が出来て嬉しかった。
ミーハーながらお写真も一緒に撮り・・・。
念願の小さな額をゲット。
自分が大学時代に専攻した万葉集の歌が、さらりと書かれていて展示。
ああ、これは、運命だと思った。
卒論で扱った額田王。大好きだった万葉集。
書道の世界の達筆とは趣を異にすれど、
憧れの画家の字と絵がさらりと添えられた万葉集。
新年にふさわしい、出発の歌。
そして、娘の健やかな成長と、その若さを愛おしむ歌を。
熟田津(にきたつ)に船(ふな)乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな(万1-8)
【通釈】熟田津で船に乗ろうと月の出を待っていますと、
月が出たばかりでなく、潮も満ちてきて、
船出に具合がよくなりました。さあ、今こそ漕ぎ出しましょう。
そして、やはり私の好きな歌。
額田王の娘の十市皇女のために詠まれた歌は、
今私が娘に対して抱いている思いに等しい。
十市皇女の伊勢神宮に参り赴(おもむ)く時に、
波多(はた)の横山の巌(いはほ)を見て、吹黄刀自の作る歌
河の上(へ)のゆつ磐群(いはむら)に草むさず常にもがもな常処女(とこをとめ)にて(万1-22)
【通釈】川のほとりの神々しい岩々に草が生えないように、
変わらずにいてください、いつまでも若い乙女のままで。
そんな私の娘への思いを知ってか、知らずか・・・。
それぞれの楽の裏側に、先生がイラストを描いて下さった。
私の宝物、私自身へのご褒美、お年玉。
(作品は、大事にナイナイしていますのでアップできません。
あしからず)
大事に飾る場所を考えよう。
そして、この二つはいずれ娘に譲る大切な絵になる。
旅立ち、出発、新しい明日を目指す強い意志、
言霊を持つ家刀自であるように。
そして、いつまでも若々しい心を失わず、常乙女であるように。
私の願い、娘への願い。
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