Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

挨拶と引き継ぎ

前職場に正式に転勤の挨拶と引き継ぎに行く。
殆ど引き継いではいるのだけれど、細かい部分は残っているし。
挨拶は大勢いる中でほんの少ししか話せないし、
当たり障りのないことしか言えない、形だけのものとなった。
何故なら、職場によってきちんと時間をとる職場、
取らない職場があり、ここはその典型。


自分からあれこれと述べるのもおこがましい。
何だか憂鬱。今更挨拶といっても、
実質転勤は内実共に知れ渡っていた一ヶ月。
どうせ消えていく身という設定の中で、
仕事をフルに行って、異動し、形だけ挨拶。
1週間前と今と何が違うか。
思わず錯覚してしまう、転勤がなかったかのように。


そして、引き継いだにもかかわらず、後継者のすることは、
前任者の跡形もないようにすること。
前任者の意向よりも、自分のやりやすいようにすること。
残さなければならないものも、消してしまえば分からない。
前任者はいないのだから。
そういうことがあからさまな部署。


引き継ぎとは後腐れ無く消えていくことなのか。
そう思わざるを得ないほど、心身共に疲れた1日。
自分は過去の人。
転勤でさえそうなのだ。
退職の暁は、もっと見事に無残なものだろうなあ。


何かを残そうと思わずに、上手に消えよう。
そう思わなければ、この先仕事は出来ない年齢になったのだ。
そう悟った1日。
引き継ぎの関係で、いったん現職場に戻り、
また前職場に行って、往復した1日。


自分は過去の人。そう心に刻み込んで、
新しい職場で生きていくしかないのだと、噛み締めた1日。
やっぱり覚悟が足りなかったか、私。
それとも、何か勘違いしていたか。
分かっていたことなのに、実感は後からやって来る。