Festina Lente2

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1ヶ月で100億円

最近の大阪はミナミもキタも賑やかで元気だ。
商店街というよりも巨大な欲望の街。
庶民の懐を裏返しにする店が聳え立つビルの中にわんさか。
新しいビルが出来る度に物の値段がつり上がっているような、
そんな気がしてならない昔人間の私。


若い頃は綺麗だなー、凄いなーとショーウィンドウを眺めて、
デザインの斬新さ、「陳列」などという言葉では言い表せない斬新さ、
芸術品、そうこれは現代の芸術としか思えない垢抜けた世界、
華麗なるディスプレイの数々に目を奪われていたけれど・・・。
年を取った今、それは全て宣伝費という名目で売り上げから使われる、
私たちのお金と考えるようになった今、
その贅沢さに唖然とするばかり。


ショーウィンドウばかりではない。ばらまかれるビラ、広告、
ポスター、室内外のありとあらゆる飾り付け、
カラフルでポップな、或いは季節を先取りした、
若い子向けの、もしくは洗練された方々に向けた、
庶民の購買欲をそそるようなコピーの数々、
全てが宣伝費という名の下に惜しげもなく使われている。
客足の伸びと散財の見返りのために。


そんなことをひねくれて考える一日の数分。
あべのハルカスの開業一ヶ月、売り上げは100億円。
庶民には想像も付かないお金。
宝くじで当たるよりももっともっと沢山の世界。
あべのハルカスも、グランフロントもお呼びじゃない毎日。
往復の交通費だけでごく普通のランチが二日分じゃないか。
そんなふうに世知辛く思ってしまう。


ちょっとした勉強や研修、講習会、講演会、展示会、博覧会。
そういうものを観に行く時間とお金は惜しまないのに、
買い物と食事だけとなると、ちょっと気が引ける。
着もしない副、分不相応な持ち物を買っても仕方がないし、
気がとがめないのは文房具と本ぐらいの生活。
あべのハルカスやグランフロントで、何が出来るか、
もとい、何がしたいか。


そう思うと、全く別世界の話なれど、
1ヶ月で100億円の売り上げ。
雲の上の世界の話なのに、虚しくも羨ましく思ったりする、
個人の財布と比べても致し方ない世界に、ため息をついたりする。
そんな文月の半ば。
旅行まであと10日を切った。

大阪ビル景

大阪ビル景

 
老年のぜいたく

老年のぜいたく