「暮らしと美術と高島屋展」
本当は娘を連れて行きたかったが、一人で高島屋展に行く。
その後、別館の高島屋資料館も初見学。
多分、自分の中ではもっとも身近な百貨店(会えてデパートとは言わない)、
高島屋。難波と堺東と泉北と、この三つが関西人にとっては身近な高島屋。
薔薇の模様の包装紙、ローズちゃんの可愛い人形、
運が良ければ手に入る薔薇のカレンダー。
南海線から地下鉄に乗り換える時に見る2階1階地階の賑わい、
食料品売り場のごった返した売り場と楚々とした1階のブランド品。
通り抜けるにしろ、冷やかすにしろ、一番身近な百貨店高島屋。
とはいえ、滅多にお買い物をする機会がないのが残念だけれど。
たかしまや大阪出店115周年記念「暮らしと美術と高島屋」展
高島屋の歴史を「日常の暮らしに、美的な潤いや夢をもたらす、
都市の文化装置としての百貨店」という視点のもと、
美術作品や歴史史料の展示で紹介、とのこと。
染織・絵画・工芸などの貴重な美術品や、
その時代を身近に感じることのできる過去のポスター・チラシなど
約650点に及ぶ展示でたどる高島屋物語。
圧巻でした。
高島屋史料館(大阪市浪速区日本橋)が所蔵する
横山大観や竹内栖鳳らの絵画や北野恒富の女性画に
与謝野晶子の歌をあしらったポスター、呉服など。
高島屋が美術を通じて人々の暮らしにどうかかわってきたかを紹介。
戦前から高島屋で開かれてきた催事のポスターの中には
「乃木将軍と旅順開城大展覧会」(いかめしいね、古いね、歴史の世界)や
「テレビジョン完成発表会」「洗濯知識展覧会」など、
時代性を映したものが多い。家庭科と美術が一緒になった様な展示会。
本当にグランドホールの展示だけでも一杯一杯だったが、
欲張って足を伸ばし、 高島屋史料館に出向く。
関連企画「高島屋と美術家たち」展では、更に様々な資料、
著名な画家・文筆家の書籍、書、ゆかりの品々など、
近代文学館や博物館にも賢とも劣らぬ品々にびっくり。
こちらは広さとしてはちょうど良く、見学しやすかった。
こういう企画、有り難い。
単にスーパーで手に入ればいいのレベルではなく、
着物にしろ、絨毯、敷布、壁の絵一枚にせよ、芸術と理想、
美意識の何たるかが込められた、よりよき生活、よりよき用の美を
しっかりと感じさせてくれる展示というものは、有り難い。
(2013 3/20 補足)
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