Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

メニューは偽装

(写真の整理が思いの外時間が掛かるので、後から少しずつ夏の記録をアップします)


連日のように発表されるメニューの偽装。
それも信用大事の大手の老舗といわれるホテルのレストランが。
いかにも、胡座をかいた商売をしていたってことですな。
世間の評判がいいとされていたブランドを逆手に取って。
飲食店業はぼろい商売だと、水商売だからと言われたのは昔の話、
今はしっかりしているからと・・・、いやいや、実はやっぱり水商売。
適当に誤魔化せば儲けが出る商いだったのねと、今更のように納得。


原材料が1000円以下なのに、お店に出す時には倍、3倍の値段をつけて出す。
それは当たり前のこと。家庭では出来なくても、大量に仕入れができる、
大量消費が可能なお店では出来るマジックだと、
某調理師学校で教えて貰ったのは四半世紀前の話。
一見さんお断りでなくてもお金さえ払えば予約可能な、
そんなホテルの高級レストランのメニューは、
読んでも意味のわからない料理名の横文字が羅列。
説明はやっぱり単なる箔漬けだったのねと、連日の報道で苦笑い。


下手な作文が、どんどん長い切れ目のない文章、
捻れまくった妙な文章を書くように、長くなるメニューの、
その背景は、お客が見ているメニューとは別の調理場のレシピ。
いざとなれば、書き換えてしまえば、交換してしまえば、
別メニューに早変わりしてしまう同じ商品。
○○風味、○○仕様、○○仕立て、日本語の綾があだになって、
○○風が○○もどきとなり、似ても似つかぬものに千変万化。


娘は「味さえ良ければメニュー名なんて気にしないよ」と言うが、
スポンサーとしてお金を払う親の側としては、暴利をむさぼられ、
毎回毎回何倍ものお金を吐き出し、訳の分からないものを
口にしなければならないのだとしたら大問題。
給食は大丈夫か? 本当に地元食材の地産地消になっているのか?
思わず不安になってしまう。
何も、高級ホテルの食材でなくても、そんじょそこらのランチでも、
訳の分からない安かろう悪かろう製品では困る。


娘にぼやく。「あんた、変なアレルギーを持っていないだけ、
幸せで運が良かったと思いなさいよ」いや、全く本当に。
抗生物質やある種の食品に対して敏感に反応する人間にとっては、
予期せぬ体調不良の原因が、予想もせぬ食事、食品からだとなれば、
全くもって命の危機の大問題。
知り合いがアレルギーで亡くなったことは、忘れられない。


体にいいはずの油がその実、別の病気の遠因となる副作用の元。
似たようなことで思い当たり、愕然としたことも多々。
入院時、申請していても副作用のある薬剤が出てきたり、
飲み合わせで薬疹や紅斑が出たりするというのに。
本来入っていては困る食材が適当に使われていたら、
それは全く命取り。


そして、虚偽食材の波紋はまだまだ当分続く。
それにしても、あの長ったらしいメニューを見て、
本当にそれが供されて居ると思っていたのかしらん?
ホテルの食事なんてここ数年は、職場の宴会ぐらい。
後は結婚式などの慶弔。個人で使用することなどあり得ない。
値の張るものが美味しくない経験、自分の舌と経験に反比例、
そんなことがしょっちゅう起こるここ最近。


実家の家庭菜園の野菜と、田舎から送られてくるお米が、
一番安心できる毎日。
見栄っ張りで、経費節約をメニューに反映できなかった、
もしくは○○を××と認識するのに抵抗はなかった、
そんな世界と無縁な家庭料理に微苦笑の11月。
缶詰を使い、冷凍食品で間に合わせ、時間短縮の圧力鍋よと
そう話しても何の問題もない食卓からかけ離れた世界の騒動に、
今更の騒動に馬鹿馬鹿しくなる11月。

産地偽装のカラクリ (別冊宝島 2098)

産地偽装のカラクリ (別冊宝島 2098)